表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
天才女薬学者 聖徳晴子の異世界転生  作者: 西洋司
第一部「ハルコン少年期」

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

265/446

33 姫君ステラ・コリンドの留学 その2_10

   *         *


「私ね、本国で弓使いの女エルフと呼ばれる方から、いろいろと教わりましたの。ハルコンが実は『神の御使い』様でいらして、我が国の窮状を憂いてお救いになられたのだと、……」


 ステラ殿下はそう仰いながら、笑顔のままこちらに少しずつにじり寄ってこられた。


「いいえっ。私はただの人間ですよ!」


「そんなこと、ございませんっ! 最初、ハルコンの正体について、私の心のウチだけにとどめておくと心に決めておりました。でも、もうこの溢れる思いを抑えることができません!」


 殿下はそう熱く語られると、こちらの両手を抱え込むように強く握ってこられた。


「スッ、ステラ殿下っ!?」


 間近で殿下のその表情を窺うと、頬を紅潮させて、まるで熱狂的な崇拝者のように、じっとこちらを見つめてこられるのだ。


 ハルコンは、先日国王陛下と面談した際に、「女心をワカっていない」と苦言されていた。その時のことが、急に頭の中をよぎったのだが、……まぁ、後の祭りか。


 ふと背中から視線というか「圧」を感じ、後方にいるミラとシルファー先輩を見た。

 すると、女子2人はお互いに頷き合うと、笑顔だけど目が少しも笑っていない表情で、こちらに歩み寄ってきた。


「ほらほら、ステラさんや、……前言撤回とか、抜け駆けはいけませんぜ!」


 そう先輩が張り付いた笑顔で仰ると、ミラと2人がかりで抱き付いたステラ殿下を引き剥がしにかかったのだ。


「お止めになって! お二人とも!」


 そう叫びながら必死になって抵抗される殿下だが、数に劣って引き剥がされる。


「えっ!? えっ!?」


 思わず、呆気に取られるハルコン。

 その場で何とかして、ステラ殿下の言葉を否定しようと思ったのだが、……。


「「いいのよ、ハルコン!」」


 笑顔のシルファー先輩とミラ。2人に両脇を抱えられているステラ殿下は、どこかしょんぼりとしている。


「えっ!? えっ!? 一体どういうことですか?」


 すると、……シルファー先輩とミラが、口元に手を当ててクスクスと笑い始めたのだ。


「2人とも、どうしてそんな反応っ!?」


「くすくすくす、……あぁ~っ、ご冗談がお上手ですのね、ステラ殿下は!」


 シルファー先輩が明朗な笑顔でミラに仰ると、ミラも快活そうにニッコリと相槌して笑った。

 そして、ミラはこう優しそうな声で語りかけてきた。


「ハルコン、後は大丈夫。私達で上手くやるから!」


「えっ!? どういうこと?」


 ミラの言葉に戸惑いつつ訊ね返すと、シルファー先輩も「いいのよぉ!」と、慈愛に満ちた表情と声で仰った。


 何だろう!? 2人の有無を言わさぬ笑顔の迫力に、ハルコンは思わず口を噤まざるを得なかった。

「天才女薬学者 聖徳晴子の異世界転生」をお読み頂き、ありがとうございます!

ハルコンの薬学チートや、仲間たちとの冒険を楽しんで頂けたら嬉しいです!

この物語を気に入って下さったら、☆評価やブックマークで応援して頂けると、作者の励みになります!

ハルコンと一緒に次の展開を盛り上げるため、ぜひ力を貸してください!

引き続き、毎日更新で頑張りますので、どうぞよろしくお願いいたします!✨

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ