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天才女薬学者 聖徳晴子の異世界転生  作者: 西洋司
第一部「ハルコン少年期」

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205/443

28 思えば、遠くにまできたもんだね_01

 ハルコンは、朝食を摂りに食堂へ向かった。


 今回、シルファー先輩の早朝からの訪問など、イレギュラーなことがいくつも重なっていた。

 そのため、いつもよりも遅い時間に、食堂のある中央ホールの建物に入っていかざるを得なかったのだ。


 すると、場内はうんざりするくらい多くの学生達で賑わっていた。

 特に人気の定食の配膳コーナーの前には、より多くの学生達が列を作って並んでいた。


「いやぁ、参ったなぁ」


 思わず、ハルコンは独り言を呟いた。

 

 いつものハルコンなら、学生達の多い時間を避けて、ピーク時間から一時間程早く、食堂に入るのだけど。

 

 でも、今日は仕方がない。

 まぁ、……こんな日もあるかと思いつつ、比較的すいている列の後に並ぶことにした。


「うげっ!? ハッ、ハルコン!?」


「うぅん? 一体誰だろ、こんな言い方するヤツって?」と思いながら振り返ると、何とそこにはノーマン・ロスシルドがいた。


 ハルコンは、「いやぁ、よりにもよって会いたくないヤツに会っちゃったものだなぁ!」と思ったものの、……とりあえず、笑顔の一歩手前のスマイルを作って相手を見つめた。


「ノーマンも、今から食事ですか?」


 ハルコンは、善良で優秀な人間と周りから思われている。

 だから、周囲の目を一応意識しつつ、そのイメージを壊さないよう細心の注意を払いながら、にこやかに訊ねたのだ。


「あぁ、……まぁな」


 やたら、無作法な態度と物腰。


 何だよコイツ? 

 恩人の私に対するその態度は、それでホンとにありなのかい?


 ハルコンは、鉄壁のスマイルを崩さなかったものの、内心では少しだけイラっとした。


 先日、ノーマン・ロスシルドは、あらんことか我が研究室に無断で侵入し、家探しをしつつ、私が戻るのを内部でじっと待っていたのだ。


 幸い、研究室内部を破壊されるようなことはなく、被害はマッチ一箱だけだったから、軽く鉄拳制裁で済ました。


 ついでに、ノーマンのたび重なるミラ・シルウィットへの立場を悪用した乱暴狼藉についても、処断を行ったつもりだ。


 その後、ヤツの要望を聞き、隣国コリンドまで仙薬エリクサー「タイプB」を送ることになった。


 まぁ、……そのおかげで、隣国のロイヤルファミリーからの信頼を勝ち得ることができたので、ヨシとすべきところなのだろうけど。

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