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天才女薬学者 聖徳晴子の異世界転生  作者: 西洋司
第一部「ハルコン少年期」

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26 隣国の姫君の容態_06

   *         *


 貴族寮の朝食の時間まで、まだ一時間程余裕がある。

 シルファー先輩と寮長は、おそらく徹夜でここにきているだろうから、糖分を多く含んだ炭酸ジュースを好まれるのではないかと思った。


 冷蔵庫の低温槽からアイウィルビンの水溶液の入った瓶を取り出すと、ついでに黒いジンジャーなどを掛け合わせて作ったコーラ擬きと、豆油でカラッと揚げた塩芋のフライも一緒に持っていく。


「まだ朝食まで時間がありますから、……よければ、こちらもどうぞ!」


 最近市場に出回ったばかりのガラス製のコップに、コーラ擬きを注ぐ。もちろん、中にはちゃんと氷が適量入っている。


「ありがとうございます。頂きますわ」


「すまんな、ハルコン」


 シルファー先輩と寮長の2人は、そう言ってコップを受け取った。


「「んっ!?」」


 すると、……コップの中には、氷が2つずつ浮いている。


「どういうことですのっ!?」


「そうだっ! この暑い中、何故氷が入っている!?」


 2人が、目を皿のようにして、ジッとこちらを見てくるので、ハルコンは思わず後ずさった。


「その氷、『冷蔵庫』で保管しているんです。『タイプB』もそこに入れているんですよ」


「ハルコン、『冷蔵庫』って何です? 私、そんな名前初めて聞きましたよ!」


「えっ、えぇと、そのぉ、……」


「詳しくっ!」


 シルファー先輩が、目を輝かせて訊ねてくる。

 でも、それでは本題から逸れてしまうので、後日仕組みを説明することを約束して、いったんシルファー先輩には引いて貰った。


「こちらが、先日隣国コリンドに送ったものと同じ、仙薬エリクサー『タイプB』となります。効能で判明していることは、体力回復、体質改善、腸内環境の改善などが挙げられます。まぁちょっとした風邪程度なら、直ぐに治るといった感じですかね」


「ふむふむ」


 シルファー先輩と寮長はお互いに顔を見合わせると、「タイプB」の入った瓶をまじまじと見つめた。


「ハルコン、……これと同じものを隣国に送ったワケだな?」


「えぇ、そうです。あくまで栄養ドリンクと見做して貰って構いません」


 すると、シルファー先輩と寮長は再び2人で話し合うと、寮長が改めて「いいかな?」と訊ねてきた。ハルコンは、笑顔でこくりと頷き、「えぇどうぞ」と告げる。


「実は、私が風邪気味でな。もし可能なら、私が飲んでみても構わないか?」


 なるほど。実際の効果を知りたいワケか。

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