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天才女薬学者 聖徳晴子の異世界転生  作者: 西洋司
第一部「ハルコン少年期」

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04 ハルコンと中年の一級剣士_03

   *         *


 ここでちょっと面食らったのが、一級剣士のアダルトなルーティンについてだね。


 毎晩、酒場で煽るように飲むのは、……まぁ気持ちはワカらなくもない。

 人間生きていれば、辛いことがほとんどだ。ましてや、剣士なんて職業は、人殺しが生業なワケで。


 憂さを晴らす意味でも、酒は、日々の辛さを忘れさせてくれる良薬に等しい。

 まぁ、……前世の晴子の時も、私は何度酒に溺れそうになったことか。


 まだ赤ん坊のハルコンは、自らの経験から、そんな具合に中年の一級剣士を好意的に理解していた。


 でもさっ。こっちの方は、ちょっと頂けないよねっ!!

 

 ハルコンが真っ赤になって憤慨するそれは、……夜な夜な繰り広げられる、愛のプロレス。

 それもシングルマッチだけじゃないんだよ。バトルロイヤルとか、おっぱじめちゃうんだからさっ!!


 だって、この中年のイケオジは、……ゆく先々で若い見目の良い女達とお知り合いになっては、次々とつまみ食いしているのだから。


 大体さぁ、この人何でこんなにモテるの? 

 いや、……確かにかなりのイケメンだし。

 態度も行動も、それに声までも、相当にイケてるし。


 別に悪いとは言ってないよ。でもさっ、限度ってあると思うんだよね。

 じゃないと、いつか寝首を掻かれるよ!


 前世の晴子は、いわゆる完璧超人で絶世の美女だった。


 そんな彼女に周りの異性達は怖れをなしたのか、昼の食事を誘う者も稀だった。

 同性の仲間達からも、彼女に要らぬ虫が付かぬようガッチリと何重にもガードを巡らされていた節がある。


 酒好きの晴子は、必ず飲み会に参加していた。アルコールはそこそこ強かったものの、たまに限度を超えて飲んでしまい、寝てしまうこともたびたびだった。


 すると、朝目が覚めると、仲間の女性達に囲まれるように寄り添われていて、彼女達も皆静かに寝息を立てている。

 自分は女性陣の中心に匿われ、寒さや穢れに触れないよう、大切に保護されている。


「まるで、……サル団子みたい」


 こんなこともあり、晴子の生来の性格も相まって、男性経験は非常に乏しいものと言わざるを得なかった。

 異性と手をつなぐことすら稀で、むしろ彼女の研究が捗ったりしたと言えるのだが。


 まぁ一人の生き物としては、少々酷で気の毒な話なのかもしれない。


 だから、一級剣士に女性達が一心不乱になってボディープレスをしているのを見て、その突き上げる刺激と緊張、……押し寄せる快感の波に、ハルコンは思わず眩暈がしてしまう。


 いやいやいや、……いくら娯楽の少ない異世界と言ってもさ、プロレスに全振りもどうかと思うよ! この人達、倫理観とか衛生観念とかなさ過ぎっ!!


 でも、連日そんなことが続いていると、直に慣れてしまった。

 なるほど、……人間、慣れって大事だね。一皮むけた気がする。


 ハルコンは赤ん坊の身ながら、既に人生の機微を味わえる境地にまで達していた。

「天才女薬学者 聖徳晴子の異世界転生」をお読み頂き、ありがとうございます!

ハルコンの薬学チートや、仲間たちとの冒険を楽しんで頂けたら嬉しいです!

この物語を気に入って下さったら、☆評価やブックマークで応援して頂けると、作者の励みになります!

ハルコンと一緒に次の展開を盛り上げるため、ぜひ力を貸してください!

引き続き、毎日更新で頑張りますので、どうぞよろしくお願いいたします!✨

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