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天才女薬学者 聖徳晴子の異世界転生  作者: 西洋司
第一部「ハルコン少年期」

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21 派閥と武闘大会_05

   *         *


「ふふふっ、ハルコンが凄い悪い顔をしてるっ!」


 ミラがクスクスと笑った。


「何を言っているんだい、ミラ! 策士と言ってくれたまえ、策士と! エッヘン!」


「ふふふっ、やっぱりいつものハルコンかもっ!」


 そう言って、ミラが笑顔でこちらの背中をポンと叩いてきた。


 まぁ、……こうも言えるのだけれどね。

「防御が上手い者は、総じて攻撃も上手である」と。


 とにかく、相手の手のウチをじっくりと拝んでから、慌てず冷静にクリーンヒット。ただそれをひたすら繰り返すのだ。


「ハルコンってさ、一級剣士の先生が私に教えてくれたことと、大体指導方針が似ていたと思う!」


「そうなの?」


「うんっ!」


 ミラは感心したのか、うんうんと笑顔で頷いている。


「「「「「「「「「「「ハルコン、ハルコン、ハルコン、ハルコン、ハルコン、……」」」」」」」」」」」


「「「いいぞぉーっ、ハルコンッ! もっとやれぇーっ!!」」」


 すると、今サークルメンバーが試合をしているのにも拘らず、観客達がハルコンの名前を一斉に叫び始めた。

 どうやら、今回の立役者であるハルコンに、俄然注目が集まってきた様子。


 ミラにとっても、ハルコンが注目されるのは嬉しかったようなのだが、……。


「「「「「きゃ~っ、ハルコン素敵ぃーっ!」」」」」


 サリナ姉のサークルの女の子達が、サリナ姉と一緒になってハルコンのことを応援し出すと、ミラはヤキモキさせられてしまったのか、少しむくれた表情を浮かべ始めた。


「まぁまぁ、ミラさんや」


「ふんっ、ハルコンのことなんて知らない!」


「今回、兄達を手伝ってくれて、ありがとうね!」


 そう言って最初そっぽを向くミラだったのだが、ハルコンからのお礼の言葉を聞くと、ニカッと笑い返してきた。


「ううん、ハルコンのことなら、私何でも頑張るからっ!」


「ありがとう」


 ハルコンもミラも、お互いにニッコリと笑った。


 さて、……その次の試合が、ミラとノーマン・ロスシルドとの対戦だ。

 ミラは先程から笑顔で余裕のある雰囲気なのだが、一方のノーマンは目を滾らせて、向こうの対戦席からジィッと睨んでいた。


「ミラ、……次の試合、イケる?」


「うん、全く問題なし!」


 ホンと、今回の件でとても逞しくなったなぁ、……ミラ。

 どうやら、ミラに不安要素は全くないようだと、ハルコンは心強く思った。

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