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天才女薬学者 聖徳晴子の異世界転生  作者: 西洋司
第一部「ハルコン少年期」

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21 派閥と武闘大会_03

   *         *


 ハルコンは、わずか数週間で、学内で孤立する下級貴族や商人といった平民、気の弱い上級貴族の生徒達を次々と味方につけ、ミラと共に合気術や薙刀術を伝授していった。


「皆さん、とにかく一にも二にも、体力作りからですよ! ファイト、ファイト、頑張って下さいねーっ!」


「「「「「「「「「「はいっ!!」」」」」」」」」」


 その際、最初から攻撃力を高める訓練をするのではなく、むしろ体幹を鍛える下地作り、防御力重視のトレーニングを行うよう、ハルコンは心がけた。


 連日、日に3回ハルコンズ・ブートキャンプを行っていたら、大会の数日前には裏庭のグラウンドが埋まる位生徒達が集まるようになっていた。


 ハルコン一人では、とても教え切れるメニューではなかったが、兄達やミラの踏ん張りもあり、何とか過不足なく参加者達への指導をこなすことに成功した。


「マルコム、ケイザン、とりあえず、サークル参加者が50名を越えました。ひと先ずこれで当初の目標をクリアしたことになりますね!」


「「あぁっ。ハルコンとミラちゃんのおかげだ。ありがとうっ!」」


 兄達が感激してこちらの手をしっかり握ってくる。ミラも嬉しそうだ。


 合気術は、呼吸と摺り足に慣れさせることと、受け身を取ることができるよう反復練習を行ったことで、参加者のケガを予防することができた。


 とにかく、生兵法は大ケガの基だ。新規のサークル参加者達には、くれぐれも要所を抑えつつ、的確な指導を心がけたよ。

 更に、薙刀術も攻撃力に特化することなく、防御術を徹底させることにしたよ。


 これだけでも、今回の小さな大会レベルでは、大いに期待できそうに思われた。


 もちろん、攻撃の鍛錬も怠らないよ。

 薙刀という、槍と長剣のいいとこ取りのようなロングレンジの攻撃力に加え、脇差し(もちろん木刃です)も装備してショートレンジにもちゃんと対応。


 仮に武器を無力化されても、合気術で対応するから、万事万端整っているよね。

 ハルコンは、これで完璧! と自画自賛した。


 今回、ハルコンは弱者が強者に対するための最低限の知識を伝えると、サークルのメンバー達は一生懸命そのトレーニングに向き合って、なんとか形にはなった。


 日を追うごとに評判を聞き付けて、サークルには終日人が多く集まっている。

 校内の敷地の走り込みに参加する人数もますます増え、今では3桁に迫る勢いだ。


「身体鍛錬を積むことで、如何なる暴力にも立ち向かうことができますよ!」


 ハルコンのその魔法の言葉に、メンバー達は日々鍛錬に励むのであった。


 シルファー先輩とミラ、兄達の表情は明るい。後はたっぷり食べて、たっぷり寝るだけ。

 明日の大会が待ち遠しいとハルコンは思った。

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