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20 ハルコンとミラ、王立学校に入学する_06

   *         *


「あ~っ、おっかしぃ~っ! こんなに笑ったのって、ホンと久しぶりですわっ!」


 シルファー殿下が、お腹を押さえて笑いを堪えている。

 

 殿下はハルコン達の案内を終えたので、もう元の場所へ戻っても良かったのだが、……。

 でも、皆の様子が気になるのか、ニコニコと笑顔でその場に残っていた。


「とにかく、……ハルコンもミラ嬢も、学内ではボクらのことは呼び捨てでいい。何しろ、そういうルールだからな!」


 マルコム兄の言葉に、ハルコンとミラは当初「どうしよっか?」って具合に、お互いに顔を見合わせていたのだが、直ぐに決断して頷くと、


「「ワカりました、マルコム、ケイザン!」」


「「ヨシッ! それでいいぞ!」」


 兄達2人が、笑顔で親指を立ててグッドサインを出してきたから、すかさずハルコンとミラも笑顔でグッドサインを出した。


「プフゥッ!」


 その様子を見て、殿下は笑いを堪えようと、何とか口元を手で押さえている次第だ。


「もぉ~うっ、あなた達ってホンと善神に愛されるような人達なのねっ! 見てて、心から飽きさせないわっ!」


 その言葉に、3兄弟もミラもニッコリ笑った。


「マルコ~ムッ、ケイザ~ンッ、ど~しよぉ~っ!」


 すると、サークルルームに、数名の先輩達がどんよりとした雰囲気で入室してきた。


「どうした、オマエらっ! また何かあったのか?」


「だよぉ。イメルダのサークルに、またメンバーが引き抜かれたんだぜって、えっ!? マジでっ!?」


 マルコムが訊ねると、相手はハルコン達が室内にいたことに目を丸くした。


「えっ!? えっ、マジでっ!? オマエの弟さんとミラ嬢までウチにきたのかい? えぇ~っ!? 殿下までいらっしゃるって!?」


「はぁ~いっ!」


 そう言って、笑顔で手を振って挨拶するシルファー殿下。


「「「おいっ、マルコムッ! マジかよっ!? 一体、どうなっちゃってるんだ?」」」


 兄達のサークルは、セイントーク流合気術を実践する集団なのだが、他のサークルからは弱者連合と揶揄されている。


 そのサークルに、華やかな王族と、先日のパーティーで主役を務めたハルコンとミラが、突然訪れたのだ。


「弟とミラは、……とりあえず、サークルの見学だよ!」


「そっかぁ~っ。大いに歓迎するよっ!」


 そう言って、先輩達は嬉しそうに笑った。


「マルコム、私達も事情を伺っても構いませんか?」


 ハルコンは、少し身を寄せて訊ねた。


「あぁっ。今更隠すことでもないしな。まぁ、ハルコンもミラも、がっかりしちゃうかもしれないんだけどな」


 そこでハルコン達は、イメルダのサークルによって引き抜きなどの実害を被っている様子を、ざっと聞かされる。


 ハルコンは親身そうに何度も頷いていたが、ミラとシルファー殿下は、「うっわぁ~っ、そんな目に遭ってんの!?」って感じで、半分ドン引きした表情で横から話を聞いていた。

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