表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
103/324

17 ミラの縁談_05

   *         *


 査察団の衛兵達は槍や剣を手に闘っているが、ゴブリンライダーの数はざっと30。形勢はかなり不利と言えた。


 ギャッヒャァッッ!!

 ウオォォ~ンッ!


「何としても姫様をお守りしろぉーっ!!」


 戦闘で騒然とする中、衛兵隊長の悲痛な叫び声が続く。

 すると、森の中から突然、……一組の少年と少女が現れた。


「助太刀いたしますっ!!」


 見るからに身なりのいい服装。知性的でよく整った明朗な顔立ち。おそらく貴族の子供達であろうと思われる雰囲気。

 侍女のセロンは、シルファー殿下を守りつつ馬車の中からその様子をじっと見ていた。


「あの方は、……おそらくハルコン・セイントーク様でございます」


「あの少年が!? まだ子供じゃない! それに女の子まで一緒よっ!」


「えぇ。助太刀と仰いますが、私には、とてもそのようには思えません」


「なら、私も一緒に闘うわっ! あんな子供だけ闘わせるワケにはいきませんものっ!」


「なりませんっ! 殿下はここで待機ですっ!」


「グッ、ムゥ……」


 セロンの非常時故の剣幕に、シルファー殿下は従わざるを得なかった。


「いくぞっ、ミラッ! いつものように連携するよっ!」


「了~解っ! いつでもいいよっ!」


 ハルコンとミラは、とても慣れた調子で体捌きすると、急に縮地してゴブリンライダーに肉薄する。


 ギャッヒャァッッ!!

 ウオォォ~ンッ!


「そぉ~らよっと!!」


 ハルコンはごく自然な様子で犬狼の背に飛び乗ると、ゴブリンの下顎を掴んで地面に叩き落す。


「イィ~ヤァァァッッ!!」


 一方、ミラも気合一閃、長枝をぶんぶんと振り回すと、薙刀術を駆使して、次々とゴブリンライダー達を叩きのめしてしまうのだ。


「一体、何なのっ! あの2人っ!?」


 シルファー殿下が、窓にしがみ付いて叫んだ。


「者共っ! 子供達に後れを取るなっ! 参るぞっ!!」


「「「「「「「「「「ウオオオォォォーーーッッッ!!!」」」」」」」」」」


 衛兵隊長の指示に鼓舞されて、叫び声を上げる衛兵達。

 戦局がガラリと変わり、衛兵達はハルコン達の活躍に刺激されたのか、奮ってゴブリン達を倒しては、刃で串刺しにしていく。


 10数分後、……全てのゴブリンと犬狼を殲滅した衛兵達は、ついに勝鬨を上げた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ