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第一話 器用貧乏はソロになる

幼い頃、俺は英雄譚をよく読んでいた、

その英雄譚に出てくる主人公達は実在し、内容も事実をもとに描かれたものが多かった。


それらのほとんどが冒険者であり、今でも英雄と呼ばれる人達が冒険者として活躍していた。


そんな俺も当然冒険者に憧れていたし、俺は珍しい全部待ちだったから尚更期待してしまった。


全部待ちとは、気力、魔力、神力を全て使える人間の事をいい、英雄譚の主人公は大体がこの全部待ちだったのだ。

気力は身体能力を上げる事に特化した力

魔力は魔法を使う為に特化した力

神力は回復や防御を強化出来る力なのだが

大体の人は一つか二つ持っていれば良く、

持っていても全ての能力を使える人はほとんどいない

だか俺は全部の初級スキルを使う事が出来た!


初めの頃は、持ち前の器用さと全部待ちで色んな事が出来て、

重宝されたが、ランクが上がってからは正直足手纏いになっていた。


だから俺はパーティーを抜ける事にしたんだ

「俺はパーティーを抜けるよ、今まで迷惑かけたな」


すると、パーティーリーダーのハンスが申し訳ない様子で

話し出した。


「すまん、俺も正直お前がこれから先、着いて来れなんい

じゃないかって思っていた所だったんだ」

「だがお前には初めの頃、沢山助けられたから

お前がこの話を自分からしない限り、俺たちはお前を

支えていくつもりだったんだが、随分と早かったな」


「いや、前々から考えてた事だったんだ」


「そうか、残念だ」


「冒険者は続けるの?」

魔法使いのメルティが気まずそうに聞いてきた


俺はパーティーは抜けるが、冒険者まで止めるつもりは

無いと答えた。


「ダンテのこれからの活躍を期待しています

怪我には気をつけて下さい」

回復担当のマリアが淡々と答えた


その日の事は後は覚えていない、あまりにも呆気なく

パーティーを抜ける事に賛成されたのがショックだったのか

激励会だと、飲み会で飲み過ぎだからか…


「これからどうしようかなぁ」

いつもの宿で頭を押さえながら考えていた


昔は良かった、簡単なスキルの使い方は教えて貰って

すぐ出来たから、戦闘でも補助でもやってきた


だが、上級スキルは秘匿されるのが普通で、

パーティーメンバーにも教わってみんなが

使えるスキルは覚えたが、

本職には及ばないし、気力、魔力、神力の量も負けている為

魔力や神力は最近使っていなかったのだ


「考えてても仕方がない、ギルドに行って

クエストを受けに行きますか」


そう言って俺はギルドに向かった。


ギルドに入ったらいつもより視線を感じた


あー、もうみんな知ってるのか、俺が翠玉の剣を抜けた事

だか、みんなの顔がドンマイみたいな感じになってるのは何故だ?


そんな事を考えているうちに、いつもの受付カウンターまで

やってきた


「ダンテさんおはようございます。」

「ダンテさんが翠玉の剣を抜けたのは本当ですか?」

「ギルドではパーティーからの脱退、結成、入隊は報告して貰う決まりなので、言いたく無いかもしれませんが事実確認の為、本人からの報告を受けないといけませんのでご了承ください」


いつもの受付嬢のミライさんだ、誰にでも優しく

美人な為、ギルドのアイドル的な存在だ

今も申し訳なさそうにパーティー脱退の確認を聞いてきたが

やはり、まだ引きずっているようで俺は俯きながら答えた


「はい、翠玉の剣からの脱退を昨日しました」


「ありがとうございます」

「事実確認を終えましたが、ダンテさんはこれからソロで

活動なさいますか?それともパーティーメンバー募集、

もしくは斡旋が希望ですか?」


流石にパーティーをやめてすぐ、他の所には行く気にはならなかった為、俺はソロでやっていくとこを伝えた


「そうですよねー」

「あのパーティーにいたら、すぐにパーティーを組みたがらないのも頷けます」


「どうしてですか?」


「あれ!? 気づいていませんでしたか?」

「あの2人はハンスさんとお付き合いされてたんですよ?」


「いや、そこは分かっている」


「しかも、そこら辺でもイチャイチャしてて、

見てるこっちが恥ずかしくなりましたよ」

「そういえば、ダンテさんのいる前ではおとなしかったかもしれませんね」


「そうでしたか、パーティーでハブられてたのに

ずっと一緒だったから、みんなから可哀想な人みたいな

視線で見られていたのか」


「そうかも知れませんね…」

ミライさんは困った様子で答え、話題を変えてきた


「でも、私はあのパーティーから抜けて

良かったと思います」

「こう言ってはなんですが、翠玉の剣の方々はダンテさん

をなぜか活躍させないようにしていた節がありますし」


「え!」


「だって、ダンテさんは全部待ちで、基本的なスキルは

ほとんど使えたのに、なんで気力だけしか使わない

ような戦術なのですか?」

「普通は前衛後衛のサポートをこなす様にすれば

もっと色んな戦術が出来て、ランクアップも早かったはずです」


「いや、俺もそれは言ったんだが魔法と回復はメルティと

マリアがいるから大丈夫だってハンスが言ってたし

確かにそのままでも問題なくクエストをこなせたから

良いと思っていたんだ」


「そんな訳ないじゃないですか!」

「色んなサポートした方が絶対安全で効率的ですよ!」


「そうか、みんな俺が邪魔だったんだな」

「ありがとう、教えてくれて

俺は俺らしくやってみようと思うよ」


「はい!ダンテさんはダンテさんの思う様に

やって良いと思います」

「だだ無茶だけはダメですよ?」


「はい、分かりました、ところでソロでも

出来そうなで手頃なクエストってあります?」


「あーダンテさん今日は少し遅かった為、あまり物しか

今はないかもですね、でもソロで初めてのクエストなので

ダンテさんはBランクですがゴブリンの複数討伐はいかがですか?」


「そうだね、Cランク相当だけどソロの感覚を覚えるのに丁度良いかもしれませんね」

「そのクエストを受けます」

ミライさんと話してたら、少しずつやる気が出てきた

流石ミライさん、冒険者のモチベーションの上げ方が上手い


「承りました」

「場所はここから北にある森です」

「気をつけ行ってらっしゃいませ」


俺は少し準備を整えて北の森へ向かった


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