帰宅にて
聖と別れてからの優希は家に帰っていつもの日常をしていたつもりだった
だが心境の変化があり
聖さんと別れてから不思議と足取りは軽かった
何故だかは自分にもよくわからない
『今日の美容師さん達の手、本当に魔法使いみたいだったな』
そんな事を考えながら食事の支度をする
「今日はうどんでいっか」
そう独り言を呟くとうどんに乗せる具材を炒めた
白だしを冷蔵庫から取り出し水を注ぐ
割合は3:1だがあまり気にせず目分量
沸騰したら冷凍うどんを入れ解れた頃に炒めた具材を混ぜる
一人暮らしの食事だ
どのように作っても誰も文句を言わない
それでいい
学校に持って行くお弁当も適当な物を詰め込んで持って行っている
一度友人に
「そのお弁当手抜きだね」
と言われてからは友人との昼食は別で食べている
私は干渉されるのが嫌いだ
いい事なのか悪い事なのかはわからないが親は特に干渉してくるタイプではなかった
今思えばネグレクトと言っても可笑しくはないくらいに関心がなかった
なので父の転勤の時に私は残ると言うと少しは渋ったものの兄も日本にいるし別にいいと私を置いて行ったのだった
兄はというと成人して職を持ち家から出てからはそのままだった
今でも連絡を取った事は一度もない
薄情と言われればそうなのだが家族全員お互いがお互いに関心がない家であった
なので私は【人】に対して関心があまりない
干渉をしてくる人は苦手だ
でも聖さんだけは違っていた
『聖さん今何しているんだろう?』
珍しく私は他人に興味を持った
本当に自分でも驚く程に他人に興味を持った
心まで魔法にかけられたのかと思ってしまう程に
働いていたスタッフの美容師さん達の手つき、聖さんのあの魔法のようなブロー
それに惹かれていった
また聖さんに会いたいと思うようになっていた
『明日また散歩に行ってみよう』
不思議とそう思えた
お風呂を沸かしてお風呂に入りそれからベッドに向かった
「おやすみ」
テディベアに話しかけると
私はそのまま眠りについた
とても心地の良い眠りだった
優希は著者が中学生時代の頃と重ね合わせています
といっても著者の両親は優希と違って干渉するタイプでした
干渉してこない親ならこんな感じかな?という妄想で書いています
優希と聖の今後に期待していて下さい