第十一話・薬のおまけ、カエルのケロちゃんなど
小さなお子さん連れだと待たせると騒いだりもあるので小物をあげたりしていました。昔はケロちゃんといってコーワの緑の指人形が鉄壁でした。これは泣いてる子供にあげると必ず笑顔になる。親も断らない。だって親もまた子供の時にケロちゃんに会っているはずだもの。ケロちゃん、最高。
混じりけない真なる緑一色のカエル。大きな口でつぶらな目。罪のない笑顔。私は断言できます。三十年以上薬局にいて、過去この人形を怖がったり嫌ったりする子供は誰一人いませんでした。
カエルのケロちゃん。これら指人形は時折デザインチェンジして令和二年で誕生七十余年とか。私より長生きしています。
でも近年は経費削減とかで昔のように大袋にいれて大量にくれなくなりました。いや頼むとくれはしますが、小児科の処方せんが少なくなったせいもあってか、ちょっとずつです。でも薬局によっては、窓口にはやや大きめのケロちゃんペアがいたりします。
冷えピタを貼られた赤ちゃんを抱いたお母さん。二人して、大きめケロちゃんを眺める。親の方が、懐かしそうにながめていたり。そういったほほえましいシーンを横目にできるだけ早く正確にと調剤をするわけです。
全般的に今はおまけといえば、シールがほとんどです。薬品業界もゆるキャラばやりで各種の薬にかわいい動物キャラがいる。人形よりシールは安いのか気軽にくださいます。かわいいのは小さく切って小児科の患者さんの薬袋に貼って飾ったりもします。
しかし、ケロちゃんやシールに限らずこういった各種のおまけは、コロナウイルス騒ぎのせいで絶滅しました。復活はいつになるやら……残念ですね……。
実はケロちゃんのHP上ミュージアムがあります。ご興味のある方はのぞいてみてください。別のページにも由来があります。こういうのは貴重です。私はケロちゃんが好きなのでコーワさんの会社も個人的に好きです。
https://kr2.kowa.co.jp/history/museum




