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青春敗者は戦うことを選ぶ  作者: わたぬき たぬき
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取り戻したもの、失ったもの 19

結論として何か具体的な解決策を提示できたわけではなかったが、「お話させていただいたら少しすっきりしました!」と元気になってくれた。星川は笑顔で帰ってくれたが、俺としては少しモヤモヤした結果となった。


「......そうだね。今の生徒会は前に比べると静かになったか感じかな。私が今日行ったのも実は業務というよりノアちゃんに相談されたからなんだ。」

どうやら鶴も現在の生徒会についてのことをノアから相談されていたらしい。勿論先日入ったクルトが全て悪いわけではない。与えられた仕事はしっかりこなしているし、別に他の人の仕事を邪魔してるわけでもない。協調性はないかもしれないが、別にそれだって糾弾されるものではないと思ってる。少なくても仕事の場において、仲の良さはあるに越したことはないが、最悪仲が悪かろうと仕事が回れば問題ないと俺は思う。

「こう......場を盛り上げるのが上手で、でもあのメンツにいても邪魔にならないくらいの暇人とかいないものかね。」

「......仮にいたとしても、それは根本の解決にはなっていないと思うよ。」

対処的行動は取れてもって話だよな。俺も鶴も盛り上げ役なんかには向いていないわけだし、餅は餅屋にとも言うし、ここは盛り上げ上手の人間に聞いてみるのが一番かな。


1月5日。

本日は黒瀬を引き連れて彼の元へ向かった。道すがら黒瀬に話を聞いたが、やはり思うことは同じらしい。「少し気まずいと感じることもなくはないですかね。」とめちゃくちゃ控えては言っているが、表情から察するに激重らしい。

「盛り上げ上手とは少し違うかもですが、今から会おうとしているのは白花先輩とかでしょうか?」

実際白花が真っ先に浮かんだけど、あいつはきっと今日だって忙しいだろうし、あれから会ってないからきっと気まずことこの上ないから正直会いたくないし。それにきっと芸能界仕立ての盛り上がり方は俺らのとは少し違う気がする。爆発的な盛り上げより縁の下で支える的な。ともなれば多分あいつの方があっているだろう。

「なんだかんだ久しぶりかな。もう大丈夫そうなの?」

「一応当初の目的は達成できたし、前みたいな暴走状態になることはないと思う。梶山にもクラスメイトの件で迷惑かけたな。」

「そんなことないよ、とは少し言いづらいけど、あれも僕のクラスの役目だからね。そしたら本日の用件に入ろうか。」

丁度午前練が終わり、まるでさわやかなイケメンみたいな雰囲気を纏った変態が来た。


「......成程、仕事は円滑に進んでるけど繋がりが脆くなってしまっている、か。」

学校のラウンジにて席を囲んで話し合った。勿論この時間は居ても部活生のみで、周りには誰もいないことは確認済み。

仮にも問題児だらけのうちのクラスを率いている人間であれば、俺が考えないような妙案を思いつくかもしれない。ちょっと他力本願な気もするが、そもそも俺も相談させられた身。そこは多めに見てもらおう。

「確かに難しい問題だね。実際仕事が回っているのであれば問題はないし、無理に仲良くする必要もない。でも勿論仲がいいに越したことはない。聞きたいんだけど、別にそのクルト君は黒瀬君と仲が悪いわけじゃないんだよね?」

「そうですね。仲がいいとか悪いとか以前に多分興味を持っていないんだと思います。彼は学校でもノアさんくらいにしか興味がなく、ほとんどの生徒をその他大勢に区分していますから。」

あいつ本当に......確かにノアが特別であって、多分上に立つよう育てられた人間はそこまで下の人のことは気にしないような気もする。しかし民あっての王ありだとも思うんだけどな。

「それで一応自分としても話題を広げようと、狐神先輩は既に周知かと存じますが、自分の趣味がサーフィンなのでそこから話題を広げようとしました。そしたら『直近のISAの大会とかでは日本人が入賞した記憶がないが、何位だったんだ?』と言われてしまいまして......」

あいつ、ホンマ......。趣味でやってるって言ってんだろ。趣味が世界レベルならそれはもう趣味じゃないって話だろ。じゃあお前がやったら何位取れるって話。

「因みに彼は過去に1回だけ参加して16位タイだったそうです。」

化け物が。

しかし思うこととしてどちらかと言えば星川の方が少し心配かな。星川はなにせ現在クルトと同じ家で暮らしている。勿論星川に何かするとは思っていないが、苦手な相手が生徒会でも家でもいるのはキツイだろうな。しかも星川はノアにもそうだが、starkeiser家の繋がりで姉の面倒を見てもらっている。色々と感情が混濁してそうだな。

「そしたらABXモデルで考えてみよっか。」

なんて?

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