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1話 シャボン玉と花火

 私ある日の夜に多分小学校3年の頃かな? 夜中に母親と父親と弟と妹と私と八畳の部屋にギュウギュウ詰めになって寝ていたある夜の何時頃だろ? 多分、夜の10時ぐらいだと思う。眠れなくて、和室の部屋で夏だったかな、暑くて扇風機はつけていたけれど、父親ばかり当たるので私はちっとも涼しくなかった。エアコンがなかったの。それで、毛布を蹴飛ばして遊んでいたら、何だか目がチカチカしてきて、目を閉じても開いてしまって、そのまま目を開いたままにしていたら、キレイなとてもキレイな大きなシャボン玉が飛んできたの。シャボン玉とは違うな。フワフワと浮いている虹色に光る玉は、大きなものから小さなものまでたくさんフワフワしていた。動いているから、夢中になって追いかけたの。一番大きくてキレイな玉を。

 そのキレイな玉を追いかけていくと母親の髪の毛の中に入ってしまった。私は、母親の髪の毛の中をいじっていたら、


「亜沙美、何をしているの? 眠れないじゃない! 早く寝なさいよ」


 と母親に怒鳴られたの。でも、光の玉が気になってそのまま母親の髪の毛をかき分けて見つけようとしたら、母親がまた起きてしまって、


「もう、うるさくて眠れないでしょう! 明日、お説教しますからね!」


 と言ったら、光の玉が消えてしまって私は、何だったのか分からずに、そのまま目を閉じてみたら閉じていることが出来たから、眠りにつくことが出来たの。


 次の日の朝に寝ていたら、母親に起こされて、


「いつまで寝ているの? もう朝の9時よ。夏休みだからってダラダラしていないで、早起きして勉強しなさい。暑いんだから、朝のうちに勉強しなかったら出来ないわよ。昨日も、夜中に遅くまで起きて、頭を触ってきて何が楽しいのかしら」


 というので、頭を触った事が夢でないことが分かって、私は興奮した。


「私、髪の毛触ったの? 本当?」

「触っていたけれど、何していたの? 変な子だね。夜中に髪の毛触っている子供はいないよ」

「あのね、キレイな光の玉を見ていたの。シャボン玉に似ているけれど割れたりしないんだよ。びっくりしちゃった。ママも見えた?」

「光の玉なんて見なかったよ」


 というので、昨日のことは本当なんだと思ってワクワクした。

 母親は、暑い中で布団を干そうと、布団の上に乗っている私を無理やりどかすと、一軒家の物干し竿に干していた。


 8月の15日頃かな? その日は、お盆でお客様が来たの。親戚の人で私と同じくらいの歳の女の子と男の子が両親と一緒に東京から来たみたいだ。人見知りの私は、お盆はとても嫌なものだった。初めのうちはそうなんだけれど、仲良くなったら帰ると言われたときに泣いちゃうんだけれどね。女の子と遊んでいるうちに夜に花火をすることになって、私は、楽しみにしていたの。

 夜になって、花火をしようと言うことになったの。暗くなるのを待った。夜の7時頃に、家の中に花火が入って火事になったら行けないというから、道路でやることにしたの。

 家が田舎だから道路には車が滅多に通らないから、道路でも大丈夫。道路に行ったら、田んぼがあってたくさんのホタルが飛んでいたの。

 東京の人たちは、珍しいと言って、外灯だけの暗闇の中でホタルを観賞していたの。楽しかったけれど、東京からきた女の子はホタルを見て感傷的になって、


「一人でいたいから近づかないでね」


 なんて言うから、私は女の子の方には行かないようにしていたけれど、暗かったからそれぞれが何をしてるのか分からなかった。全員で11人いたから、それぞれが何をしているのか声だけするので、声のする方に言ってみると、ホタルを捕まえたとか言っていた。

 田舎暮らしの私から見たら、ホタルなんて見慣れているのになあと思いながら、東京の人達は夏の思い出になるのかなと漠然と思った。

 しばらくの間、ホタルを見ていたが、花火をすることになった。

 バケツに水をくんで来て、ローソクにライターで花火に火をつけて手で持って花火をするのと打ち上げ花火をした。私は、手で持っている花火とかが好きで、花火の光をじっと見ていると、目を閉じたいような閉じると開けなければならない、体からカッと熱くなるような感覚を受けた。

 線香花火をしているときに、耐えることができなくなって、


「私、何だか気分が悪いから先に家に戻る」


 と言って、走って家の中に戻り何時も寝ている部屋に入ると、布団を敷いて毛布をかぶってうつ伏せの状態でそれから3時間ぐらい休んだ。目に異常が出ていたからだ。光の粒が赤、青、黄色、緑、様々な色の粒が数え切れないほど模様を作り回っている事に耐えることが出来なかったし、目にすごく熱を持っていた。暗い中でもハッキリと光の粒は見えた。


 この時、初めて体の発作と幻覚が見えた夜だった。次の日も、その次の日も幻覚は見える事はなかった。けれど、幻覚が毎日見えるようになる日も近かった。確実に脳の異変は起きていた。


 

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