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ネイラの星  作者: 柚根蛍
第1章 〜私と吸血鬼〜
6/10

5話 私と主様

「うーん、なんかしっくり来ない気がする」

「?どうされました勇者様」

「いや、うーん私の勝手な思いだからなぁ」

「なんでも言ってください!」

「いいの?」

「はい!」


 私、勇者アリナには些細な悩みがあった。

 先日のスライムの件もそうだが、それよりも気になっている……。


「なんか、勇者様だとしっくり来ないんだよね」


 本当にどうでも良い、些細な悩みであったーーー


「え?どういうことです勇者様」

「うーん、気を遣ってくれるのはありがたいんだけど、勇者様って呼び名がちょっとしっくり来ないかも」

「え?で、ではどう呼べばいいんですか?」

「うーん、何だろう」


 アリナがそう言うと、フミはうーんと目を瞑りながら、体をゆらゆらさせている。

 考えているのであろうか。


「では、主様はどうでしょうか?」

「あっ、いいと思う!それでお願いできるかな?」

「はい、わかりました主人様!」


 アリナは結構欲望に正直であった。


ーーーーーーーーーー


「それで主様、今後の予定はどうするんですか?」

「あぁ、そろそろ大罪を探す旅に行かないといけないよね……まだスライムとしか戦ってないけど」

「それでは、少しレベル上げして行きましょう!前よりスライムも倒しやすくなってると思います!」

「うん、そうだね。それじゃ行こうか」


 と、言うわけでまた平原に来た。

 ユニークなスライムには会わないよう出来るだけ町に近いスライムから倒すことにする。


 その後少しの間スライムを倒しているとレベルは6になった。

 結構上がるとは思うがこれも最初だけだ、よくあるシステムのようにレベルが上がるにつれレベルは上がりにくくなる。非常にシンプルで非常に使えるシステムだ。


「結構倒せるようになったかも」

「はい!凄かったです!」


 ステータスが上がったおかげで、攻撃力や素早さが上がりスライムを凍らせなくてもそのままコアを突き刺せる事が多くなってきた。

 昨日のような手間のかかる方法を取らないで済むというのは非常に楽でいい。


(けどなぁ、それだけじゃいつか限界が見えるかもしれないし……)


 フミの方を見る。

 吸血鬼か……戦闘を教えて一緒に戦ってもらえたら嬉しいけれどあの子からしたら魔物を倒すというのは酷な事だ。


 ふと気になったのでフミのステータスを見てみる。

 一応パーティーということなので互いのステータスは自由に覗ける、もちろん制限することもできるが。


<フミ・カイラ>ー吸血鬼ー ★

Lv2

◇MAGIC

闇属性 光属性 水属性 無属性

◇SKILL

ドレイン 

◇ABILITY

サンパワー ムーンライト 浮遊 変身 魔法素質



 という感じであった。


(これは、種族の隣にある星は……ユニークモンスターの証!?)


 どうやら、フミはユニークモンスターらしい。

 他にも珍しいものが書いてある。


 光、闇、無属性の魔法はレア、そのままその属性が使える。

 ドレイン……は吸血鬼の元々持つスキルで攻撃する事に自身のHPを与ダメージの割合で回復。


それでアビリティーは……。


◇サンパワー

日中だと自身の攻撃力、素早さ、魔力2倍


◇ムーンライト

夜間だと自身の再生能力、回復量、治癒力が2倍


◇浮遊

空が飛べる


◇変身

好きな姿に変身できる、ステータスは不動


◇魔力素質

自身の魔力2倍



 つまり言うと、正直凄い強い。

 日中だと常に魔力4倍だ。


(私より、強くないかなこれ)


 吸血鬼自体、個体数の少ない種族なのに対して、それのユニークは一万分の一だから相当強い個体になる。

 なんなら成長すれば大罪級になれるレベルだ。


「さっきから私を見つめて、どうかなさいましたか主様?」

「い、いや。フミって戦ったことあるのかなって」

「戦い、ですか……。正直今まで雑用だけで、そういう事は分からないです」

「なるほど……どうしようかな」


 将来的に言えば一緒に戦った方が冒険が楽になるのは目に見えて明らかだ。

 そして、彼女自身で自分を守る力も身につけなくては私が居なくなった時に困る。


 やるしかないかな。


「フミは、戦える自信ってある?何でもいい、何かのために戦えることって出来ると思う?」

「えっ!戦う……ですか。何かのために、そうですね」


 フミは長考した。

 自分が戦うとしたら、それは誰の為?何のために戦うのか。しかし彼女に思い付くものはない。


 ふと、彼女は隣を見る。

 そこには、アリナの姿がある。

 変わった人で、私の知り得ない秘密を持った不思議な人だ。まだ会って二日目、信用するには短すぎる期間。


(それでもこの方は何かを成し遂げる……確証はないのに、そんな気がしてならない)


 それが何かなどフミには分からない。もしかしたらこの世界の破滅であるかもしれないし、救済であるかもしれない。

 そんな確証の無いものに賭けてみてもいい気がした、私が持ってる物なんて何も無い……失う物などとうに無いのだから。


「そう、ですね……」

「別に無理に答えなくたっていいよ。流石に無理矢理すぎたしね」

「確かに、そうかも知れませんが……。主様の事も全く知らない、しかし私を助けてくれました。正直言ってしまうと、まだ信用しきれていません……でも賭けてみるの、悪くないかもです。主様がこの世界で何をして、何を成し遂げるのか。それを一緒に見てもいいでしょうか」

 

 そう言うと、アリナは満面の笑みで微笑み、フミに手を差し伸べる。


「もちろん!任せて、私が1から色々教えてあげるよ!」

「………はい!」


 フミはゆっくりとその手を握る。

 がっしり手を握ったかと思うと、アリナはもう片方の手でフミの頭をわしゃわしゃと撫で回した。


「わわっ!頭は……っ!」

「あれっごめん、嫌だったかな?」

「いえっ!そんなことは……でも突然過ぎかと」

「そうだよね、今度からは言うよ」

「うぅ……そういう事じゃないのですが…」


 そうしてフミはアリナをジト目で睨む様に見る。

 アリナは視線を横へずらし、フミに目を合わせない。


「と、取り敢えず、まずは私と稽古みたいな感じで戦おうか、私が魔物を倒したらそっちにも経験値が入るからある程度の強さになったら魔物との実践……みたいな感じで慣らそう。流石にいきなり魔物はきついと思うからね」

「なるほど、それなら……出来ると思います!」

「よし、じゃあ決まりだね!」

「しっかり戦えるようにしてくださいよね!主様!」


(あれ?フミ、なんか性格少し変わった……?いや、素が出てきたのかな)


 そんなことを思いながら、アリナは町で十分な荷造りをする事にした。

 

 明日からついに旅だ。

◇MAGIC

その者が扱える属性、威力は魔力と込める力で変動

MPは無いが扱う力により疲労していく

◇SKILL

使用する事で効果を発揮する武技、または能力

◇ABILITY

持っているだけで自動的に効果が発揮される

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