「キリギリスの歌」
いつも歌ってるキリギリス。
今日も歌うよアリさんの為に。
「がんばれ~♪アリさん~♪」
アリさん達はキリギリスの歌声で今日も軽快に食料貯め込む冬の為。
せっせとせっせと。
キリギリスは近くの葉っぱをかじりながら、いつもアリさんの為に歌ってる。
「アリさん~♪がんばれ~♪」
冬の為に食料貯め込むアリさんは、大変な時もあるけれど、キリギリスの歌声で元気になれる。
秋も終わりが近付いて、アリさんの食料庫もパンパンになってきた頃、歌うキリギリスにアリさんが言った。
「君も食料貯めないと冬を越せないよ」
アリさんの応援ばかりしてたキリギリス、冬の事を忘れてた。
「そっか、僕も食料集めるよ。教えてくれてありがとう」
アリさん「ふふふ」と微笑んだから、キリギリスも「ハハハ」と返した。
食料を貯めておこうとキリギリスも決めたけど、食料ほとんど残ってない。
アリさん達が狩り尽くしてた。
アリさん達は葉っぱは好きじゃないはずなのに、葉っぱもほとんど刈られてた。
とうとう冬がやって来てた。
お腹が空いたキリギリス、アリさんの家を訪れた。
「少しでいいから葉っぱをわけてくれないか」
出てきたアリさん言い放つ。
「君が歌ってばかりいたからじゃないか、君にわける食料はないよ」
うなだれながらキリギリス、トボトボ次の家を探しに行くけど、力尽きて倒れたよ。
窓から見ていたアリさんが、待ってましたとキリギリスを運び、食料庫へと放り込んだ。
おしまい。