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RPG!!〜聖女になりたい転生令嬢〜  作者: こんぺい糖**
第一章 転生先は公爵令嬢!
4/47

Lv4 ▼王太子殿下と勇者伝説

 光輝く金糸の髪に、吸い込まれそうな瑠璃の瞳。そして大人びた微笑みを浮かべた彼を見た瞬間、忘れていた記憶がフラッシュバックした。


『▼勇者たちよ、この世界の未来は君たちにかかっている。よろしく頼むよ』


 常に持っていた携帯ゲーム機。そこに映るのは勇者たちの冒険譚。魔王を倒すために毎日毎日レベルを上げた。


 これは、この世界はまさか。


 前世で大好きだったRPGゲーム『勇者伝説』の世界なの!?


「え、あっ、あの」


「どうしましたか、ルーナ嬢。そんなに固まって……体調が悪いのですか?」


 王太子殿下が心配そうにして下さっているけれど、私はそれに反応できるほどの冷静さをもち合わせてはいなかった。


 控えめに言って、大混乱中だ。


「彼女は殿下にお目にかかれると聞いて、とても喜んでおりました。今は、喜びのあまり緊張してしまっているのでしょう。まだ幼い少女ゆえ、どうかご容赦下さいませ」


 そう言ってうやうやしく頭を下げるお父様。


 ナイスアシストですお父様! そう叫びたい衝動にかられたが、今はそれどころではないので、私は沈黙を貫きながら頭をフル回転させた。


 なんで? どうしてこの世界なの!?


 そしてここにいる殿下は、ゲームの序盤、勇者が国王陛下に謁見したときにいた王子と同一人物だよね?


 脇役にもかかわらず、女性プレイヤーの人気が高かったのを覚えてるもん。


「ルーナ嬢、そんなに緊張しなくてもよいのですよ。今日は王太子としてではなく、ただのレオンとして来ているのですから」


 八歳児とは思えないほど色っぽい笑みで、殿下は私の手を取って口付けを落とす。


 普通の少女なら、この美しい王子に顔を赤らめ、恋に落ちてしまうのだろう。


「はぁ。では、レオン様とお呼びした方がよろしいですね」


 しかし申し訳ないけれど、私は王太子殿下の口付けより好きなゲームの世界に転生できたという幸運に浮かれていたので、特に反応することはなかった。


 というかこの方、レオン様っていう名前なんだね。王子Aみたいな名前じゃなくてよかったね。


「ああ、君はなんだか他の令嬢とは違うようだね。独特の雰囲気がある」


 それは褒めてるの? 貶されている気もする。


 でも、最初は混乱していたけれど、この王太子殿下と話しているとなんだか落ち着いてきたので助かった。


 こう言っては失礼だけれど……多分、彼には少しナルシストの気質がある。キザな人を見て引いてしまったから、先程の興奮を抑えられたのかもしれない。


「お褒めの言葉として受け取っておきますね」


 よしよし、返答に余裕が出てきたぞ!


 王太子がなんだ! 縁談がなんだ!

 もうこの世界に転生できただけで万々歳なんだから、今後誰と結婚することになっても別にいいよ!


「な、仲良くなられたようですね。ではあとは、若いお二人でご歓談下さい」


 先程までの威厳はどこへやら、すぐに親しくなった(お父様にはそう見えているみたい)二人に気後れしたのか、お父様はそそくさと応接間を出ていってしまった。


「ではルーナ嬢、あなたのことを教えていただけませんか?」


 さすが初対面の女の子の手に口付けしちゃう殿下。また女子受けしそうな話題を振って下さいましたね。美麗な顔で相手に興味があるような振る舞いをしていたら、そりゃあ周りの子も惚れるでしょうよ!? 殿下がナルシストっぽくなるのも納得!


 まあ、私にとってこれはとてもめんどくさい話なのですが。


「ええと、つまらない話になりますが」


 さあ、めんどくさいことは早く終わらせて、この世界について調べようではないか!!


*****



「はああああ」


 やっと解放されたので、部屋に戻りベッドにダイブする。この世界の令嬢にははしたないかもしれないけれど、ここには私とアンさんしかいないから大丈夫なのだ!


 ちなみに初めて王太子殿下に会った感想はというと。


 よ、予想以上に疲れた。


 あれから二時間ほど殿下に拘束され、好きなものやらタイプやら色々と質問されたのだ。


 まあ、まだルーナの記憶が曖昧な状態だったから答えられることは少なく、適当にはぐらかすことしかできなかったけれど。


「お嬢様、お疲れさまでございます。ハーブティーをお淹れしましょうか?」


「お願いします、アン……」


 あぁ、アンさんの気遣いが身に染みる。


 まだ前世の記憶が戻ってから一日も経っていないのに、今日は色んなことが起こりすぎだよ!


「ご朝食もご昼食もまだ召し上がられていませんでしたので、お茶と一緒に軽食などをお持ちしましょうか?」


 ご、ごはん!!


 疲れすぎて忘れていたけれど、もうお腹がペコペコだ。やっと食べられるんだね!


「お願いします!」


 興奮気味に大きな声で返事をする。


 あ、また引かれてしまったかな?


「はい、すぐにお持ちしますね」


 にっこりと微笑んでアンさんは言う。

 よかった! ちょっと仲良くなれている気がする!


「では、失礼いたします……あ!」


「どうしたのです?」


「お嬢様に王太子殿下からご伝言がございました」


「伝言?」


 すごく嫌な予感がする。伝言とはなんだろう?


「また遊びに来るね、だそうです」


「ソウデスカ」


 また来るんだ。思わず、カタコトで答えてしまった。

 でも! そんなにすぐには来ないよね。


 王太子はそんなに暇ではないはずだし!


 それよりも……。


 アンさんがお茶と軽食を持ってきてくれている間に『勇者伝説』について整理しよう!

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