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暴食者は異世界を貪る  作者: 蒼和考雪
八章 冬期来訪
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 植物を埋める場所は城壁入り口から入って右、城から出て左の位置……『囲』の字においては右下側となる。まあ、この字を用いた形は右側が上下に分かれているためもっと正確な正しい形を示せるものがあればいいのだが文章上ではどうしようもないのでしかたがない。まあ、そこまで正確に示さずともいいかもしれない。ともかく植物……正確にはフズが巣を作り枝にとまるための止まり木とするための木々を含め、城の周りに自然環境を簡単に作るためのものである。特に重要なのはいつまでもフズを屋上においておかないための木々、できれば果実樹でも持ってこられればいいがそれはできなかったので普通の木となる。

 もっとも植樹するにおいて問題は木の種類などではなく植樹する場所の環境だろう。アンデルク山、アンデルク城付近は木々の生えていない森になっていない場所である。近くに森があるが、その森が山の途中で途切れアンデルク城付近までは森が伸びていない。つまり森が育つ環境がないということになるわけである。なので普通にアンデルク城付近に埋めても普通ならば生えてこないのではないか、そう思わなくもない。

 まあ、現状のアンデルク城付近……城壁内ならば話は違うかもしれない。そもそも途中で途切れていたがアンデルク城付近はまた少し話は違うのではないだろうか。アンデルク城付近では一応農地を開墾できる程度には植物の育つ土壌がある。高山の気候の問題があるかもしれないが一応植物は育つわけであるし、今は城壁があり城魔の能力範疇となっている。もちろん外であるからペティエットの力が及ぶかは怪しいし、そもそも植物の成長に関しての力が城魔にあるかは不明だ。植物成長のための土壌があるのは城の排泄物の処理の関係で肥料化されているからである。なので成功するかどうかは不明だ。一時的に木々を植えておくことはできるかもしれないがそのまま生育するかはわからない。もしかしたら枯れてしまう可能性もある。

 一応そういった問題に関しては考えている。しかしまあ、考えすぎても何もできなくなるだけなのでとりあえずやるだけやってみる、今までと同じで行き当たりばったりの方針である。


「さて、こんなものか? 正直こっちはどうしようかな、と思っていたが……一応見かけ上はそれなりかな? ペティがいける方はもう少し落ち着いた感じにするつもりだが。こっちは小さな森みたいな感じにできればそれでいい」


 木々を埋め、植物を生やし、それなりに自然環境を整えることができた。城の周りの緑を増やす目的が一つである……今から冬を迎えるのだが、今整えてもどれほどの意味があるだろう。城の中と違い外はさすがに環境の変化の影響を受けるのだから。まあ、木々の種類によっては冬でも葉が落ちない常緑樹の類もあるかもしれないが……そのあたりの見極めは公也にできないので適当に持ってきて植えるしかない。


「これで巣を作る場所は大丈夫だよな?」

「カア!」


 久々とも言える、本当に久々ともいえるフズの出番。とはいえ、ここで出番があったところで他で出番があるわけでもなく。大きな役目は城の入り口で見張り役、城に近づく存在が危険かどうかを知らせるものである。さすがに城壁に取り付いて登ってくるような存在は感知できない……いや、木々が城壁よりも高く、その枝にとまっているのであればある程度遠距離まで視界が届くだろう。それなら相手方の確認自体はそこまで難しくないかもしれない。そのあたりは植樹した木々の大きさとフズがどこにとまるか次第、となる。なお木々の大きさは城壁より少し大きいくらいである。少し止まり木とできる点は城壁の外を見るには心もとない感じである。一応入り口付近を見張れるだけでも悪くはないが。


「……農地とは別で食べられる野菜、いや香草とかでも生やしておくか? それとももっと別の何か……蜂蜜、蜂の巣、養蜂……狭いしそもそも植物も少ないしだめだな。蜂がたくさん出てくるとそっちの方が危ないし。このあたりで何かできることはないか……? いや、やめておいた方がいいか。将来的にここを大きくしたとき、城壁から道をつなげるとすればこっちか宿方面になる。あまり下手にあれこれしないほうがいいか」


 アンデルク城は現在城壁を作り壁で囲い、その大きさを城の範囲としている。しかしそれは今のところであり、公也としてはもっと大きくするつもりがある。どこまでが城魔の認識範囲、城として受け入れる範囲になるかはわからないが仮にそうならなくとも城自体を大きくして街づくりに生かしたいという気持ちはある。まあ城と街は別に作るべきとも考えており、城付近に小さないくらかの建物、そこから道をつなげそこに街を作るという考えだったりまあいろいろとこうするか、ああするかの考えがある……今のところどうするかは厳密には言えない状況であるが。


「………………墓。いや、墓はちゃんと作るべきなんだろうけど……今作るなら地下に作るべきだよな。穴掘り、地下に墓を作る、カタコンベ……まあ掘ること自体は難しくはなさそうだが、手間の問題もあるしそもそも墓を作っても使わないし……死人が出ないとは限らないが、多分大丈夫……だよな? ゴミ処理はペティがしてくれるから全然問題ないんだよな。その点においてはありがたい。死体も同じで処理できる……けどさすがに埋葬のこととか考えると普通に取り扱った方がいいよな」


 さすがに死体の処理は普通にした方がいい。そのほうが遺族側も納得できるので。墓に関しては将来的に作るつもりではあるが、街のものと城のものは別と考え城の方では地下にその場所を作るつもりであるらしいそう考えているというだけで実際どうするかは現状では決定していない。そして作業もこれから冬になる中でやるのは大変なので今のところは考えておくとか予定しておくとか程度の話である。



※アンデルク城の防壁含む城の形の表し方で『囲』の感じはかなり表しやすく近い形状。完全一致はしないが上から見ればおおよそこの形に見える配置と認識すればわかりやすい。

※将来的に地下墓地は作ることが決定している。地下施設はむしろ下手に上に施設を作るよりもいいかもしれない。まあ建物基準の問題は幾らかありそうだが。

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