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暴食者は異世界を貪る  作者: 蒼和考雪
間章 様々な出来事
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「まあどうでもいい話なのです」

「いや、どうでもよくはないわよね」

「……だけど本題からずれるし、そもそもその話は複雑になりそうだからまた必要なら後で話した方がいいと思う。えっと、それで……話はどこに戻せばいい?」

「世界は複数に分かれ、上と中層には世界の仕組みや創造などを担う世界が存在する、くらいの話まで。ちなみにこの世界は<下層>に存在する」

「……<下層>か。低い位置なんだね」

「<上層>や<中層>にある世界はかなり少ないのです。ぶっちゃけほぼすべての世界は<下層>に存在すると言ってもいいくらい<下層>の世界数が圧倒的なので高い低いは関係ないのです。単純に世界の仕組みや創造を担う世界、そういった存在が住まう世界が上の方にあるとだけ認識していればいいのです」

「それもまた詳しく話せば話がずれる。重要なのは<中層>に数多の世界の仕組みを担う世界が存在するという事実……多くの世界の仕組みの根幹となる点から世界の中心にある世界ということで<中心世界>と呼ばれる世界が存在する。そして能力などもこの世界の仕組みを他世界に当てはめることが多い。この世界の能力は<六大能>と呼ばれ<魔術>、<気>、<霊能>、<根源>、<■■■>、<カノン>の六つが存在する」

「……一つ聞こえなかったわ。なんていったの?」

「<■■■>…………もしかしたらこの能力に関しては現状完全に形になっていない、こうするという形に決定していないものの可能性がある」

「<フレイアル>の関係の能力なのですね。あれに関しては複雑な問題があるのです……まあ、重要な話ではないのです。<六大能>と言っていますけど、他世界では成立しない能力が二つもあるのです。<■■■>は<フレイアル>という種族が必須なので他世界では成立し得ないですし、<カノン>は世界に匹敵する起源の植物である世界樹を必須とするのです。この世界にももしかしたら世界樹はあるかもしれないですがそれがあったとしてもその世界樹の周辺地域でしか能力は観察されないのですね」

「重要な話は魔法にも関わる<魔術>に関して。他の能力はこの世界ではあまり関係がない。もしかしたら特殊能力と呼ばれる特殊な力の中には該当するものが存在する可能性はある。まあそれは重要な話ではないけど」

「……<魔術>? <魔法>じゃないのか?」

「名称は重要ではない。<魔術>でも<魔法>でも使う力としては同一。あくまで能力を制定する起源となった要素が魔術の名を冠していたから<魔術>となっている。でも<魔術>であっても魔法と言っても別に問題はない。この<魔術>と呼ばれる能力……能力は個々で違い、<六大能>と呼ばれる能力は根本的には大きな括りでのもの。<魔術>と呼ばれるもののなかには<水魔法>、<火魔法>と呼ばれる区分であったり<宝石魔術>、<儀式魔術>、<呪言魔法>と呼ばれるような区分がある。前者は属性で後者は魔法の種類。ただ<魔術>は根本的にその大能であるというだけで多様な力を使える。能力の区分に含まれるそれは得意分野、精通する技術、才能や力の方向性となる。だから<魔術>の能力を持つ場合多様な魔法を扱うことが可能」

「だからこの世界において魔法使いは得意分野苦手分野があるですけど大体ほとんどの魔法を使うこと自体はできるのですね。もっとも魔力量ゆえに使えないということもあると思うですけど」

「なるほど……」

「アンデッドの作成に関してはどうなんだい? あれは本当にできない人もいると思うんだけど」

「実のところこの世界において<六大能>は正しく機能しない。特殊能力を持っていても魔法を使える、という人がいるようにこの世界では魔法は基本的な力……誰でも使える仕組みが成立している。アンデッドなどの作成……死者や霊体などに関わる力は<霊能>になる。恐らくは<霊能>の能力を資質に持つ魔法使いがアンデッドなどの作成能力が高いと思われる」

「まあ魔法には死者や霊に関わる魔法もあるですしそちらの才能を持っている人物でないと難しい、というのはあるかもなのです。本質的に<魔術>は霊体などに関わる力ではないですので夢見花の言う通りな可能性もあるですけど」

「……それで。<魔術>がどうかしたの?」

「この世界における魔法の起源である力、それに対する認識の重要性。この世界における魔法は呪文や詠唱などを含めた魔法式とそこに魔力をかけることで世界に対して干渉し現象を引き起こすものとして成立している。しかしそれとは別に<魔術>と呼ばれる魔法を扱うための力を知っておくことは自分に存在する力への認識、そして魔法に関わる力に関するより深い認識、知識を得ることによる魔法への適性……少し違う。この世界においては魔法はその魔法に関して知っていること、どういうものかを認識していることが一つの重要な要素となっている。知っていると知らないとでは魔法に必要な魔力が違ってくる。これはその認識や知識自体が魔法式に近い影響を与えると考えられる」

「…………確かキミヤ君が使っていた魔法を僕は使えない、みたいなことがあったね。あれは単純に魔力消費が大きいだけではなく、キミヤ君の使っていた魔法の仕組みに関してキミヤ君がより詳しかったから。つまり……魔法というものの根源がなんであるか、どういうものか知っていれば魔法自体を扱いやすくなると?」

「もしかしたらこの世界でも能力として使える、派生させることができるかもしれない。まあ得意魔法として普通よりもはるかに大きくできる、伸ばすことができる程度かもしれないけど」

「それだけでも恩恵としては大きいわよね」

「この世界の魔法、詠唱と呪文による威力の増大、魔法の拡大化、消費魔力の減少……そもそもただの詠唱を魔法の魔法式として使うというのもこの世界特有の仕組み。世界によってはもっと別の、色々な魔法の仕組みがある」

「……ところで、今回の話は魔法に関する話だったか?」

「違うのですね。まあ魔法に関しての話は後にするのです。今回の話は力に関しての話も重要なのですけど」

「……別の世界の力、能力に関して。それも関係があるといえばある。この世界に存在するのはこの世界に存在する力だけじゃない。極めて珍しいとはいえ、世界の外側からこの世界に訪れる存在はいる。もしかしたら神と呼ばれる存在が来るかもしれないし、それ以外の何かが来るかもしれない。世界の外側にはこの世界ではありえないような考えられないような存在も多様に存在する。今回話をするきっかけはそれらの存在に関してのことがあったから」

「……どういうこと?」

「別の世界の存在、かい?」

「その力を持った存在」

「……わたしと夢見花とご主人様はその存在に会っているのです。あれに関して話すのはなかなか難しいのですが……まあ、いろいろ説明していくのですよ」



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