原初の魔王
夜空を輝いている満月が空を飛んでいる、一人の男へと輝いているようにも見えた。運営が用意していた軍団も地上に集まってきていた。
空に移っているのは凶悪なまでの魔王のなりかけ、職業に取っていないためだが、それでも職業を貰えることは確定されてあった。運営に頼まれているのは軍団の半壊ぐらいだけでいい。
下の軍団は戦いへの準備をしていた。
「ハロ~天使ちゃんだよ~」
天空が裂けて、光の柱から何体からの天使がテレビ中継などに使われてある器具を持っていた。そして、それに向かって喋っている女性天使が一体いた。
「今回は一匹オオカミのプレイヤー、レインと!!剣士だけを集めた今話題の、剣鬼団です!」
この中継は都市の映像へと放送、流されていた。そんな映像も三バカ、弟子たちは見ていたがどちらかというと師匠の方に違和感などを感じていた。それはまるで団が巨大な獅子の尾を踏んでしまったような、そんな小さな違和感を。
そして、天使たちがレインの元へと飛んで行った。
「さぁ始めてください!!」
「了解しました」
その言葉のゴングと共に地獄が生まれた。
その時、下の状況はピリピリとした雰囲気だった。敵が来ずにまだか、まだかと待っていた。
「……あ!?」
その開始としては、あまりにも悲惨すぎた。雨のように降って来るスケルトン、それらの中には騎士にまでなったスケルトン、上位者の存在。
落ちただけで倒れるほどヤワではなかった。
「一撃」「斬撃」「回避」
「かっ―ぐえッ!」
何人かは技を発動できたが、何人かは剣を刺されて倒されていった。そこからは乱戦だった。
「あの〜戦わないんですか?」
そんなことを天使がレインに聞いてきた。すると、レインは顎に手を当てて少し考えると、手を大きく広げた。
「俺のフィールドで戦っているんですよ。飛べない奴が悪い、届かない奴が悪い。そういうことですよ」
「……変わってますね」
「色々な戦い方があるだけですよ」
ひらひらと風に服をなびかせながら、そんな会話が世界中と言ってもこの仮想世界だけだが、流されていた。この中継もこのゲームを面白くするための一環なのだが。
「神に挑んだバカはあなただけではありませんでしたよ?全員です!」
「……そうですか」
レインは少しだけ笑みを作ったように見えた。
その言葉が意味することは、魔王を頼まれた者、全員は挑んだということだろう。神に頼まれるのは魔王になって欲しいだろうだから。
「クソがァァァァァ」
下からは戦いの終わりを知らせる雄叫びが鳴っていた。それがレインの怖さを一番知らしめていただろう。




