格闘家のアンデット
レインは立ち上がる。そして、刀を鞘に締まった状態で構えると息を整える。
「限界熱化、円、渾身」
最大の攻撃を叩き込むための準備、それでも空いてしまう隙、弱点、それを予知で完璧に補う。今のレインにはどんな攻撃をされようとも打ち勝つ気持ちがあった。
「呪力活性化、渾身」
技の〈呪力活性化〉それはアンデットがその生まれつきに持つ、呪力を高めるものそれに渾身が合わさったガシャドクロの必殺の一撃をレインに食らわそうとしていた。
「一撃」
ガシャドクロの全体的に身体が闇に飲まれると、赤い眼が強く燃え上がるように光っているように見える。その拳を振り上げるとレインにへと〈一撃〉を叩き込む。
「抜刀」
刀と拳が金属と金属がぶつかったような音が鳴り響く。攻撃力はほとんど一緒になっており、拳を弾き返すことができない。
「ぐ、ぐぐ」
「オォオオ」
レインが力を込めて少しでも気が抜けなくなっており、ガシャドクロは力をそれ以上に上げれなくなっていた。
「骨だけだからの差ですか?」
《レベルが上がりました》
レインがガシャドクロの拳を押し返しだす。そして、拳を弾き返すとガシャドクロの口が光りだす。
「魔法でしょうか?原初の壁」
レインは攻撃に備えて壁を作り出したが、次の瞬間レインの意識が闇の中にへと引きずり込まれる。
「ッ!?」
それをレインは自分の左足に刀を刺すことで強制的に目覚めさせる。
「あ、あれは……何なんですか」
《異能:意識覚醒を獲得しました》
ガシャドクロがしたのは、スキル〈死者の吐息〉、生者には見ることができない闇の呪力を周りにまき散らし、死へと強制的に導く最悪の異能。
デメリットは自分の呪力が低下すること、耐性を持たれていたら効果が無いこと、強制力と言ってもそこまでないことだろう。
「転移、魔法の効果が薄いなら持久戦で戦えってことですか……面白いですね」
ガシャドクロの懐に潜り込んで自分を見失わせる。その効果はあまり意味がなかったが、数秒でも稼げればレインにとっては上出来だった。
「抜刀、一閃、一刀両断」
あばら骨にできるだけの技を打ち込んだ。そのまま力が抜けたように倒れこむガシャドクロ。その倒れこみを回避したレインが眉間に刀で突く。
「硬いですね。でも、これならどうですか?刺突」
「オオオオオオ」
頭を押さえながら起き上がるガシャドクロ。全身にヒビが付きピクピクと痙攣のようなものを起こした後に倒れこみ光の粒子になった。
《レベルが上がりました》
「能力的にはガシャドクロに負けてましたが、何とか勝てましたね」
勝てたが、レインの身体が疲れてしまったため一度ログアウトして現実世界に戻っていた。




