一撃必殺
前と同じように階段を慎重に下りていく、地面近づいたら壁から少し顔を出して覗き見る。そこには、座っているスケルトンナイトが居た。
「お前は……」
見つかったのか、レインがいる方へと顔を向けて喋り出した。
「探知系……ですか?」
「教える義理はない」
胡座をかいていたため、剣を杖にして立ち上がる。
それを見るだけで騎士の真似事をするエキストラというのが分かるが、レインにそのような知識がないため煽ることはできない。
「一度逃げたものが、また来るか」
「はい。それでは、さようなら」
魔法結晶を取り出して発動させる。ダンジョン、この階層だけだが、魔法陣が浮かび上がりスケルトンナイトが崩れ始める。
「な、え!?……まじかよ」
一瞬の攻撃それでスケルトンナイトは消滅していく、第一回層の突破が確定された瞬間だ。
《原初ノ魔法使い見習いのレベルが上がりました》
《魔法:原初の波を獲得しました》
「流石は最上級魔法ですね。規格が他の魔法とは全然違いますよ。もっと別の時に使った方が良かったかもしれませんね」
真ん中に階段が現れるとそこから下りていく。次に現れるのは何だろうと考え込む。
「アンデット系ですよね。いや、さっきのが特別だって可能性もありますか」
そんな事はなく、二回層目は墓地だった。上を見れば月がダンジョンの天井から吊り下げられていた。墓石も沢山あるのに何故かゾンビも一体もいない不気味な空間。
「アアアアッ」
出てきたのはゾンビの中でも希少種と言われている、ベイビーゾンビ。その力はゾンビには劣るものの集団戦闘によって効果を発揮する。
大きさは普通の赤ん坊の倍、それが五体ほど出てくる。
「闇の波」「光球」「魔法強化」「闇矢」「召喚・動死体」
「原初の壁」
レインは防御魔法を発動させたが、叩き込まれた魔法の数に耐えきれずに壁が壊れてレインに直接当たりだす。それの追撃でゾンビが襲いかかってくる。
「円、抜刀、一閃」
ゾンビは一掃されるが、ベイビーゾンビは次の攻撃を仕掛けようとしていた。
「足が沈みかけてますね」
レインが足元を見ると、闇の中に少しづつ沈んでいった。引きづられていないだけ、まだマシだが。
「斬刃」
飛んでいった刃がベイビーゾンビの頭を一撃で刈り取る。
「後四体はキツイですね。接近戦に持ち込めれば良いのですが……」
レインは勢いよくベイビーゾンビに駆け込む。もう一度魔法を撃たれたら再使用時間、再詠唱時間、再動作時間のどれもが間に合わなくなるからだ。
予知を使って次の動きを確かめるとそれに当たらないように動く。
「アア?」
「アッアアアア」
「ウウッ」
「アウ!?」
ベイビーゾンビたちは動きが他のゾンビよりも致命的に遅いため、レインの動きにはついていけれなかった。
「一刀両断」
一体の身体を真っ二つにする。
「一閃、渾身」
一体は一閃の攻撃でとどめを刺すと、もう一体のベイビーゾンビは渾身を使って蹴りで片ずける。
「闇球」
レインの左腕に〈闇球〉が当たり崩れそうになるが、それを持ち直し刀で眉間を刺す。貫通しなかったが、一撃で倒す事ができた。




