新たなダンジョン
三人と別れた後にレインは森の奥へと進んで行った。そして、今は少し前に〈死の蜘蛛〉の戦いの場だった所まで来ていた。
魔法の詠唱を口ずさむとふわりと宙に浮きだす。
「あぁ楽しかったですね。また会えると嬉しいですが、次に会うときはもっと強くなってほしいですね」
少し飛ぶと鳥の群れが見えたため、木に隠れるぐらいの低空飛行にしていた。その群れを見るとゾンビビーストの一種なのだろう、そこまで動きは速くはなくその体の一部が腐っているためだろう。
「最悪場所がバレるかもしれませんね」
レインが恐れているのは死者の憎しみである。もし、この群れの中に生者を探知するスキルを持っている鳥が居れば数の差で負けるだろう。
「数は暴力と言いますが、それがアンデットなら意味が確かなもになりますね」
木の枝に降り立つと上を見上げる。鳥の群れはレインの上空を飛んで行った。
「月が綺麗ですね〜。こんなものを見れたんですから此処に来た甲斐がありました」
再び飛び立とうとするが〈飛行〉の効果が切れる。
「飛行」
離れた鳥にも見つからないように低空飛行で飛び立つ。
「戦闘力は無さそうですけど戦って分かる戦闘力もありますしね」
見ただけで判断出来ない戦闘力とは異能などもあるが、例えば運だったり、もしかしたら中身が人間だったら簡単には倒せないだろう。緑王のように。
数分飛んでいると集落のような村を発見する。
「村ですね?」
遠くから見てみると黒いローブに全身を覆って、中には首から骸骨のアクセサリーを付けた者まで存在したが、隠れた顔はどれもが骨、頭蓋骨でありリッチを彷彿させるようなものだった。
死んでいった屍たちの集落だろうか、この死の森では油断しない方がいいだろうと辺りを見渡す。
(一応俺もローブでも来ておきますか……)
木からふわりと降りると隠れるように動きながら、その村から離れるように行く。
この数に見つかればたとえレインでも簡単にやられるだろう。もしかしたら逃げ切れるかもしれないが、それでも慎重に進んで行く。
(魔法の攻撃をされたら飛んでいても上空に行かないと逃げきれませんし、上に行っても鳥の群れがいますからねぇ)
村が無い方向へと進んで見えなくなった頃に次は地下に続いて行くダンジョンを発見する。
下をみると階段になっている所どころに屍、それも動いているスケルトンナイトを見つける。
「行ってみますか」
階段を勢いよく下りていく、それも待ち伏せを気にしないように勢いをつけているのだがそれは杞憂に終わった。




