死の森
今日も第一セルドは活気に溢れていた。いや、以前よりも活気が溢れているようにも見えた。
「絶対に質問コーナーでの影響ですね」
あの後、アイテムなどを作る職業を獲得するプレイヤーが増えてきて、昨日の二倍以上のプレイヤーが露店で販売していた。
「そう言えばあの森、死の森って呼ばれてるらしいですが、もう一度潜ってみますか」
レインが森へ行く理由は二つあった。一つは後少しで上がるであろうレベル上げのため。二つ目は〈テラセルド情報公開〉に載っていた新種のモンスターを探すためだ。
「もう被害が出ていて生息エリアが決まっている、エリアモンスターと言うべきですかね」
森の中に入ると、まだ昼だというのに暗くなっていた。前が見えないほど暗くはないが、その生い茂っていた木の葉が光を遮っていた。いや、光を拒んでいるようにも見えた。
「ウッァァァァァ」
茂みから出てきたゾンビが仲間に叫んで伝える。
「一閃」
右腕を斬り飛ばし腹を蹴る。ステータスの差もあるが、デバフの効果で弱くなっているゾンビはそれで消滅した。
「円」
レインを中心に周りを囲むエフェクトが演出される。その範囲は三メートル、この間動くことができないが入った獲物は逃さない。
全体に目が付いたような感覚になる。
「抜刀」
すぐに後ろを振り返り、中段のアーツを発動させる。ゾンビが入ったことに気が付いて振るまでのタイムラグで丁度、ゾンビの胴体に当たっていた。
「初めてコンボができました……やっぱり、魔法よりも技の方がコンボにできやすいですね」
ガサガサと茂みが揺れると、三体のゾンビが姿を現わす。レインは手を上げる。
「原初の球」
一体は顔を半分削り取られ、後ろにいたゾンビの頭を吹き飛ばしていた。
3体目のゾンビの懐に飛び込んだレイン、刀を振り上げて。
「一刀両断」
ゾンビは薪を割った後のように二つに綺麗に分かれて、光の粒子へとなる。
《レベルが上がりました》
画面の端にメッセージが浮かび上がる。それを見たレインは笑みが溢れる。
「これで全ステータスが千以上になりましたね。次はスキルの進化と新しいスキルを手に入れますか」
刀を鞘へと戻すと、真っ直ぐに歩いて行く。周りを見ても、まだ昼であるためアンデッドたちはいない。
「夜まで待ちますか」
時刻は夜の7:00になった。空には半月が浮かんできており、この森は昼間よりも幻想的な美しい光に満ち溢れていた。
「アップデートの影響ですね。ここまで綺麗な空間だと、死の森なんて誰も思いませんね」
「グルルル」
ボロボロの狼、それも所々が骨が見えておりゾンビなのがすぐに分かる。
「原初の球」
飛んできた魔法を簡単に避けると、一度レインを見る。追撃がなかったことを確認すると、レインに向かって駆ける。
「円」
《円が感知しました。前です》
「抜刀」
刀の横払いで口元から入り、頭が横に斬られる。ぶつかる前に左に避けて当たるのを防ぐ。
「たくさん来ましたね」
森から顔を出してくるゾンビやスケルトンの数が次第に増えていく。
「強い個体はいませんね。雑魚だけなら簡単ですよ」
この後、雑魚たちは次々に倒されていった。
《異能:下位不死族攻撃時ダメージ増加を獲得しました》




