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テラセルド  作者: 葉丸 そう
β編
17/106

男とダンジョン

レインはあの闘いが終わった後も、熱が冷めずに一階のゴーレム達を斬りまくっていた。


「このくらいで帰りますか」


 レインは来た道を通りながら帰っていると、来た時には気付かなかったが小さな小部屋があることに気が付いた。そこに近づき入ると一人の男が居た。


「誰だ!」


 その男が後ろを振り向く。同時にレインは刀を抜き戦闘態勢をとる。


「いや、すまない。モンスターと思ってな」


「モンスターかと思っても誰だなんて言いませんよ。プレイヤーですか?」


「あぁ~うるさい奴だな。私は此処の住人だよ」


 テラセルドに人間のように、自分の意志で動く者はプレイヤー以外に居ない。しかし、居るとすればそれはゲーム会社に雇われたエキストラだろう。


「お疲れ様です」


「はっはっ、それは言わないでくれないか」


「では、何をしているんですか?」


「ふむ、来た者に適した魔法を授けるためだよ」


 男は急に真面目な顔つきになり話し出した。一応、雇われているから演技をするのだろう。


「ただし、私が欲しいものを持ってきたらだ」


「何が欲しいんですか?」


「ゴブリンの剣だよ」


「剣ですか?」


「ただの剣ではない。小鬼の忠誠剣というものだよ」


「どこに?」


「この話が終わり次第クエストで見える。頼んだぞ」


そう言い終わると目の前から消えていた。


------------


クエスト名 男と剣 

詳細 北の森にあるゴブリンの巣から剣を持ち出し男に渡せ。

クリア条件 男に剣を渡すこと

報酬 魔法の習得


------------


「やりますか」                 


 レインは小走りでこのダンジョンから抜けていった。帰りはモンスターにも会わずにすぐに都市に戻ることができた。


「ポーションを買ってから行きますか」


 薬屋に入り回復ポーションだけを買って店から出て行った。

 北門を抜けるとすぐそばにあの男が座っていた。


「なぜ此処に居るんですか?」


「あそこまで行くのめんどくさいだろう、だからここまで持ってきたらクエスト達成だよ」


「親切ですね」


「当たり前だ。では、頼んだぞ」


 ダンジョンの中でレインは暴れていたため時間を忘れていたが、すでに朝日が昇りかけていた。


「さっさと、終わらせますか」


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