互根互用(ごこんごよう)
41歳の初夏のこと。
娘が17歳で通信制の高等科へ入学した。
その娘の学校復帰にあやかり私はお弁当のはるみ亭6号店に
(娘の山間の学校の近くということもあり)
面接を受け希望時間帯と曜日が都合つき 主婦を17年やってきた実績?を買っていただけ
晴れて パートタイマー(製造部)に入れて貰えました
娘は電車乗り継ぎ 地元の銘菓菓子折り詰め 小さく包装された郷土菓子をコンベヤーの流れに負けないように気を張り 親より年長の先輩女性陣に嫌われないように
下校後の 立ちっぱなし作業に 自覚も出来ない緊張感の中稼ぐおこずかいをタイムカード眺め
心待ちに働いていました。
二人は仲良し母娘ではありませんでした・・・今でもそうです。
反抗期だからね。そうそう もう私も更年期だものね。 ではなく 性格においては娘が幼い頃から折り合いをつけづらいむずかしい者同士で
学校にはちゃんと通わせていましたが ’問題のある生徒’と教師に見做され 基礎学力を同い年の子供がメキメキつけていくなかで娘は生徒間での
いじめの標的にされてしまい 机で放心の毎日だったようです・・・。
そのような 事情も少し、他言できないことも また少しづつ重なっていき
通信制には 第二期 の夏 入学になりました。
さて はるみ亭では、まずロゴ入りキャップにエプロンを配賦され自前で白い清潔なスニーカーを持参します。
店内と店外の清掃 店内飲食スペースのゴミの仕分け
初日はこれだけで 挨拶をして終えました。
アパートへ自転車で帰宅すると 娘がライバル社のチンジャォロース弁当2つ と 宗田節のぶっかけそうめん2つ買ってきてくれていました。
「こむぎちゃん お疲れでしょうにおかあさんの分までありがとーねー」
娘はレシートを ぴらり 私の手のひらに押し付け
「お弁当560円 おそうめん280円 計840円とりあえず面倒だから夏目先生1枚でいい。シャワー浴びてくるね」
やけに上げ底な下着セットとタオルに部屋着両手に抱え すたすた浴室へ
私は ひとり夕食です。