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装備の話


次の日朝食をとり部屋に戻り、出かける準備をしているとキャルが朝から珍しく起きていた。



「お前この時間起きてるの珍しいな」



「えへへ。お腹減っちゃって、えへへ。」



朝飯よこせってことかい……。

俺はキャル用に取っておいたエサもとい朝食を与えてやると、野生のごとくがっついてた。正直引いた……。



「ところで、今日はレイナ様とギルドで待ち合わせですよね?」



結構な量を食べ終えたキャルが聞いてくる。その体の何処に入ったんだよ。



「ああ。何処に行くかは聞いてないけどな、どこだろうな?」



「普通に依頼を受けるんじゃないんですかね?……それよりウント様に相談があるんですが。」



「ん?なに相談って?」



「あの、大変言いづらいのですが……そのこの世界に来てからずっと思っていたのですが、私のご飯の量が少ないです!」



「は???ん?」



なに言ってんだこの妖精は!これ以上食べるんだったら、もうただのペットじゃねーか。それで良いのか妖精……



「うん……一応考えておくよ。」



「ありがとうございますウント様!!!」



キャルこの世界に来て一番良い返事だったな。てかそんな事より早くギルド行かないとレイナとの待ち合わせに遅れそうだ。キャルには、いつも通り鞄の中に隠れて貰ってギルドに向かった。



ギルドに着くと、既にレイナが奥の酒場の席に座っていた。近づくと気付いたようで、手招きしてたので、レイナの前の席に座る。



「ごめん。ちょっと遅れた、待った?」



「ううん。あたしもさっき来たところだから」



どうやら怒ってないみたいだし、とりあえずは安心だな。



「ところで今日は、どうすんの?依頼受けるの?」



俺が聞くとレイナが俺の事を上から下まで舐め回すように見ると、頷いた。



「うん。依頼受けるにしても、ウントの装備が弱すぎるのよ。だから今日はウントの装備を買いに行きましょ!」



装備か。確かにこの世界に来てからの初期装備のままだしな。でも1つ問題がある。



「俺もそれは思ってるんだけど、なにせGランクだから金持ってないんだよ俺。」



「大丈夫よ。全部あたしが出すから。」



「いや、流石にそれは悪いって!」



「何言ってんの?あたし達はパーティー、つまり仲間よ!仲間は助け合うもんでしょ!」



俺はこの一瞬レイナが女神に見えた。正直泣きそうだった。レイナは気は強いけど、本当に良い娘だと心から思ったし、顔も良くて中身も良いとか反則だろ!



「ありがとう。じゃあ今回は出して貰うけど、これから俺が稼いだら次は、俺がレイナの装備買うからな!」



「うん。楽しみにしとくわ!」



その後、俺達はレイナの行きつけの武器や防具を扱ってる装備屋に向かった。何でもレイナがこの国に来る前からの知り合いらしくて、装備を安く売ってくれるらしかった。



「いらっしゃい!ん?レイナじゃねーか!どうした?久し振りじゃねーか!」



「うん!お父さん久し振り〜!」



「!?」



ん!?お父さん!?知り合いってそういう知り合いかよ!そらこの国来る前から知ってるわけだ。



「ところでレイナ、その横いる弱そうな男は何だ?……お前……まさか?」



「ち!違うわよ!!ウントはただのパーティーメンバーよ!……だから今日はウントの装備を整えようと思ったの」



「なんだ、そういうことか!そういう事なら話は早ぇな!俺はレイナの親父のガンだ!よしお前らついて来い!」



ガンさんについて行くと、そこには沢山の武器や防具が並んでいた。素人の俺でも分かるぐらい、しっかりと手入れされている。



「こっからお前の好きな奴全部持ってけ!」



「いやいやいや!悪いですって!」



ガンさんが睨みをきかす。



「今までずっとソロでやってきた、俺の娘が選んだ仲間だ!もうお前は俺の息子みたいなもんだからな!安心して持ってけ」



「ちょっとお父さん!……もう。ウント、そういう事らしいから持ってっていいよ。」



てかレイナが今までソロだったなんて知らなかった。まぁ何か理由があるんだろ。



「すいません。ありがとうございます!」



それにしてもガンさんは顔怖いけど、レイナと一緒でやっぱり優しい人だなぁ。



俺は前線に出て戦うのは怖いし、ミニヒールも覚えているし、後方で支援するつもりなので武器は鉄で出来た短剣と、魔法力を上げるローブと動きやすそうなブーツをもらう事にした。



「これにします!」



「ほぅ……お前いい目利きしてんな!将来いい冒険者になるぜ!」



「ありがとうございます。ではまた来ますね。」



ガンさんに挨拶してレイナと店を出ようとした時、俺は1つの商品に目が止まった。それは神々しく光る赤いネックレスだった。



「あの、すいませんガンさん。このネックレスは何ですか?」



「あぁそれか、それはステータスやスキルを相手や他人に見られなくするネックレスだ!まぁステータス覗くスキルなんて持ってる奴少なぇし、見られんのギルドの魔道具ぐらいだしな。」



今気付いたがこの世界にはステータスの概念があるみたいだった。俺だけじゃなかったんだな。だが俺はこれ持っといた方がいい気がするな。もし幸運値見られたら大変な事になりそうだし……



「もしよろしければ、そのネックレスも貰う事って出来ますか?」



ガンさんが怖い顔になった。やっぱ無理だよな普通。



「……おう!持ってけ!珍しい商品だが、全く売れねぇからお前にあげた方がマシだ!」



「ありがとうございます!貰った装備大切に使わしていただきます!」



「じゃあね!お父さん。」



そう言うと今度こそ俺達は店を出たのだった。





pv、ブクマ、評価ありがとうございます。

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