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救出の話

PV、ブクマ、評価感想ありがとうございます。

「なんだ……これ……?」




洞窟の最奥地についた俺達が見た光景は――まさに絶望だった。





――そう、コボルト達が洞窟に居なかったんじゃない。

数にして役100数体、この最奥地に洞窟内全てのコボルトが集まっていたのだ。



そしてコボルト達が囲むようにして空間が空いていた。

――そこにあの奴隷と冒険者達が、洞窟の端に追いやられながら戦っていた。





「あ……あれはどういう事よ!何でこんなにコボルトがいるのよ!」



「さすがにこれはアニキ達でも無理かもしれねぇですぜ……」



「あぁ……」



レイナとモルドの言う通りだ。

流石にレイナが強いといえど、コボルトが比較的弱い魔物だとしても、この数は無理だ。



まずそんな事より、この状況が理解出来なかった。どうやってこの数がここに集結しているんだ。



俺達が動けないでいると、冒険者達の1人が2足歩行の犬、コボルトに噛み殺されていた。



正直、2足歩行の犬が気持ち悪いとか怖いとか色々感想はあるのだが、初めて人が殺されている光景を見てそんな感想は動揺と共に掻き消された。




「と、とにかく助けないと!」



「なに言ってんのよ!あの数は流石に無理よ!」



確かにそうだ。

何かないのか?助ける方法は…………いやある!




「そうだ!別にあの数全てのコボルトを倒す必要はないんだ!」



俺の提案にレイナとモルドは怪訝な表情を浮かべる。



「いや、それはそうだけど……1匹倒したら全部こっちに来るでしょ?」



「アネキの言う通りですぜ。それは無謀ってもんですぜ!」



「うん、確かにそうなんだけど、俺なら出来るかもしれないんだ。もちろんレイナ達にも協力して貰うけど……」



正直俺の考えた策は1人では厳しい。

だがレイナ達が嫌というなら、それはそれでしょうがない事だ……強制は出来ない。



「……わかったわよ!やるわよ!ウントの作戦なら何故か成功する気がするし!」



「俺もやりやす!アニキとアネキがやるのに、俺だけ見てるだけなんて耐えられないっす!」



「レイナ、モルドありがとう!じゃあ作戦会議といこうか!」







――相変わらず冒険者達はコボルトの大群の攻撃に耐えているが、もう限界が近いみたいだった。



「よし、じゃあ行くぞ!レイナ!モルド!頼む!」



「よっしゃー!いくわよー!」


「おらぁぁぁぁ!」



レイナ達が大声を出して、冒険者達が居る逆側からコボルトの大群に突撃した。



すると、コボルトの半数がレイナ達の方へ向かったので、俺はその空いたスペースを進んで冒険者達の方へ走る。



コボルトを走りながら倒していく。

俺でも倒せるって事はレイナ達なら大丈夫なはずだ。


そして遂に冒険者達の所へ着いたが、さらに1人殺られていて残りは2人しかいない。



「おい!大丈夫か?今助けてやるから!」



俺が声を掛けると戦っている冒険者が応答してきた。



「救助は嬉しいけどよ、俺はもう無理だ……コイツにこんな事頼みさえしなけりゃ……うわっ!やめろーー!」



くそっ!また殺られたか――何とか奴隷の女の子だけでも助けなきゃな!

出し惜しみは無しだ!今日残り3回の『女神の幸運』使うしかない!



「おらっ!」



俺は1匹のコボルトを奴隷の子を囲んで居るコボルト達に蹴り飛ばした。





――偶然ドミノ倒しになれ!





するとコボルト達がドミノ倒しで次々と転んでいく。

俺はその隙に気絶してる奴隷の子を抱え、出口に向かって走り出す。



「レイナ!モルド!逃げるぞー!走れ〜!」



「「了解!」」




作戦通り、俺の合図でレイナとモルドも出口に向かって走り出す。



そして俺はもう一度『女神の幸運』を残り回数使う。





――偶然逃げ切れられますように!

――偶然逃げ切れられますように!




てかこればっかりは『女神の幸運』が効くか分かんないけど、神頼みだ!頼む女神様ー!




――走る――走る。





暫くして後ろを見てみると、もうコボルト達は追ってきていなかった。

『女神の幸運』が効いたのか、それともただの運か、とにかく俺達は逃げる事に成功した。



「……はぁはぁ……ぜぇ……はぁ……」



走り過ぎて声が出せない。

とりあえず奴隷の子を降ろし、鞄から水を取ろうと鞄を開けると、キャルが鞄の中で俺の水を飲み干した所だった。



うん、この妖精絶対捨ててやる!せめて心配くらいしてくれよ……ご主人だぞ。








とりあえず水は洞窟を出た後に取っておくとして、俺達はまた出口に向かう。





良ければブクマ評価感想お願いします。

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