長い1日の話
PV、ブクマ、評価、ありがとうございます。
レイナはまだ、大きく口を開けポカーンとしている。そらレベル10ごときの俺の幸運値が1000超えてたら、普通固まるよな。
「おーいレイナー!戻ってこーい!」
「ふぇ……!え?あたしいつの間に……?」
どうやら戻ってこれたようだ。よかったよかった。
「よかった。まぁ、見ての通りそういう事なんだ。」
レイナは納得できてないみたいだった。
「いやステータスは見たけど、何でこんな事になってるかは聞いてないよ!意味不明よ!」
「んー、それ説明するの凄い時間掛かるんだけど、簡単に言っちゃうと女神様のお陰かな?」
「め、め、女神!?……ちょっと待って!簡単に言い過ぎてわからないんだけど。」
俺は暫く考えた結果、転生の事はレイナには話さない事にした。話した所で理解出来ないだろうし、頭がおかしいと思われるだけだ。
「じゃあ、全部話すから、ちゃんと聞いといてね。俺の人生を……」
俺が話した内容はこうだ。
俺には物心ついた時には既に親は居らず、ずっと1人で生きてきた。そして生きる為には何でもし、スリや窃盗など色々だ。
そしてある日、盗賊のアジトを探っていたら盗賊に捕まり殺されそうになった時……俺は嘆いた。
俺はなんて不運なんだろうと、するとその時女神が現れ、女神の慈悲でこの幸運とスキルを貰い、女神の配下である妖精のキャルを授かっていると……。
「――ってな訳なんだ。信じれないかもしれないけど事実なんだ。」
まぁもちろん嘘だが、別にレイナを騙したくて騙してる訳じゃない。それに不運だったのは事実だしな。キャルが詐欺師を見るような目で俺を見てるが、ここは無視しよう。
「…………うぐっ………ぐすっ……な……なんて悲しい人生なのよ。聞いたあたしが馬鹿みたい。ごめんなさい」
めっちゃレイナ泣いてるー!そして空気が重たい!話ちょっと重たくしすぎたか?
「いや別にいいよ。それにレイナには聞いといて欲しかったし。」
まぁ、これでこの問題は解決だろう。少し罪悪感があるが仕方ない。
「……話してくれてありがとう。この事は絶対に誰にも言わないわ!約束するわ!」
「ありがとうレイナ、それじゃあ今日はもう疲れたから解散でいいかな?」
「そうね、あたしも色々あって疲れたわ。それじゃあ、明日また朝ギルドで待ってるわ!お休みなさい。」
「うん、おやすみ。また明日!」
レイナが帰った後、キャルが心配そうな顔で尋ねてきた。おそらくさっきの嘘の事だろう。
「あのウント様……ご飯はまだですか?」
この妖精ほんとにどうしてやろうか!これはレイナに愛でられるの刑だな。
「わかったよ、持ってきてやるから待っといて。」
その後、食堂で夕食を取り、キャルにも飯をあげた後、俺はベッドにダイブする。
「今日は疲れたなぁ〜」
確かに今日は色んな事があった。ダンジョンに行って死にかけて、ギルドに戻ると決闘を挑まれ、そして要らないけど弟子まで出来てしまった。
――ほんっとに長い1日だった。
そうやって今日あった出来事を思い出してる内に、いつの間にか俺の意識は飛んでいた。
今回ちょっと短いです、すいません。