表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
11/30

ご対面の話

PV、ブクマ、評価、感想ありがとうございます。

「アニキ鞄お持ちしますぜ!あ、アニキ靴が汚れてますぜ!アニキ–––」



――――あぁ!モルドうっとおし〜わ!



あの後、結局俺の弟子になったモルドがギルドを出てからずっと俺に付きまとっている。

レイナも最初はモルドを睨みつけていたけど、今はもう呆れ顔だ。



「モ……モルド、俺達ちょっと話さないといけないことがあるから、暫く2人っきりにしてくれないかな?」



一応モルドの師匠になったとはいえ、正直怖いものは怖いので、若干呼び捨てにするのに抵抗がある。

俺ヘタレだな……



「なんでなんすか!?俺も一緒じゃダメなんすか!?ねぇアニキー?」



「モルドには今度話すから、今日はちょっと、な!頼む!」



「――わかりやしたー!アニキの頼みは断れないっす!」



世の中のアニキさん達ご苦労様です。

とりあえずモルドを説得することに成功した俺達は、俺の泊まってる宿で話をすることにした。



––––––––––––––––––––––––––


「さぁ!洗いざらい全部を話してちょうだい!」



宿に着き、俺の部屋に入った途端レイナがいきなり詰めてきた。



「わかってるって!ん――とりあえず、そうだな……キャル出てこいよ!」



「よ、よろしいのですか?」



鞄から顔だけ出しながらキャルが聞いてくる。

まぁ、もうこの際いいだろ。レイナにだけは仲間として説明する義務があると思うしな。



「あぁ、出てきて大丈夫だよ。」



「え?ウント誰と話してるの?……もしかして頭がおか――」



レイナが言いかけた所で、鞄から出てきたキャルを見て唖然とした。



「ど……どうも、私は訳あって、ウント様に使えております妖精。名をキャルと申します。」



「黙っててごめん!実はレイナと会った時から、ずっと鞄の中にいたんだコイツ」



「コイツとはなんですかウント様!なんか私の扱い酷くなってません?」



「だってお前最近ほんと飯食べてるだけだし、役に立たないただのペット状態じゃん!」



俺とキャルが喧嘩していると、レイナが一言。



「か……か……かわいい」



そこで火がついたのか、レイナが急に興奮しだした。



「な……なにこの生き物!?妖精だよね??可愛すぎる!ちょ……ちょ……ちょっとこの子抱きしめてもいいウント!?」



あぁ……レイナが壊れた。

これだけはわかった。



「え?レイナ何言って――」



次の瞬間レイナがキャルに急接近し、キャルを抱きしめ愛でていた。



「きゃー!かわいい!キャルちゃんもっと撫でさせてー!でへへ……じゅる」



レイナ様よだれを垂らしてらっしゃる。可愛い顔が見事に台無しです……



「や……やめてください!ウ……ウント様!助けてください!この人なんか変です!」



いやまぁレイナが変な事は前から分かってたけど……ここまでとはな。



「レイナ落ち着けって!話を聞くんだろ?」



「えー?話?……じゅる」



それから約10分後やっとレイナが落ち着いたので話を続ける。



「よし、落ち着いたかレイナ?」



「あ……えーと、あの……ごめんなさいね!キャルちゃんもごめん。あたし取り乱しちゃって……」



うん。これから小さくて可愛い生物をレイナに見せる時は気をつけよう。



「うん……俺は大丈夫だけど。」



「う……ぐすっ…いえ私も大丈夫です。少々トラウマが植え付けられただけなので……」



いやそれ重症よキャルちゃん!そういや俺もトラック事故で子供にトラウマ植えつけてたな……反省反省。



「ほんとごめん。もうキャルちゃんには指一本触れないから!」



「ぐすっ……いえ、いきなりだったからびっくりしただけなので……私こそごめんなさい。」



何とかキャルとレイナも和解した事だし、話の続きをする事にする。



「とりあえず、キャルの事は他言無用で頼むな。」



「もちろんよ!所でウントのあのミニヒールの回復力はキャルちゃんのお陰なの?」



「いや、キャルには悪いがキャルがいる事によって俺の能力には何の影響もない。キャルはまぁ……ペットみたいなもんだ。」



「私が……ペット……何故?」



キャルが絶句してた。自覚なかったのかよ!日頃の生活見てたら、ペットそのものだよ。



「え?じゃあ、あのミニヒールは一体何なの?ミニヒールなんて所詮かすり傷治す程度なのに、ウントのミニヒールは傷口も体力も全回復だったわよ!」



ミニヒールそうだったんだ。確かにあの時レイナ凄く驚いてたしな……うーん、なんて説明したものか。



「まぁステータス見てもらったら早い話なんだけど、スキルが無いと見れないらしいし……」



そう。この世界ではパーティーになろうと、他人のステータスを見る事は出来ない。出来るのはステータス鑑定のスキルを持つ者と、ギルドや国が所有してる魔道具だけだ。



「え?あたしそのスキル持ってるわよ!」



「え!?……まじで?――じゃあ最初に会った時に俺のステータス見ればよかったじゃん。」



レイナは首を横に振る。



「それが出来ないのよ。あたしのステータス鑑定はレベル低いから、相手の承諾が無いと見れないのよ。それに今ウントはその、ステータス隠蔽のネックレスしてるし余計無理ね。」



「じゃあ、ネックレス外すから俺のステータスを見てよ!見ても大丈夫だから。多分説明するよりこっちの方が早いから。」





そして俺がガンさんに貰ったネックレスを外すと、レイナがスキルを発動させ俺のステータスを見た。







――――レイナが口を開けその場で固まって動かなくなってしまった。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ