Lily 5
ーーダンダンダンッ、バタンっ!
由梨の怒りにまかせたドアの音が響く
「そーゆーところが、"お子様"なんだけどなぁ」
苦笑いして、涼介がつぶやく
「そーそー、大人は笑って流さなきゃー」
ヘラヘラと笑って蒼大が同調する
スマホをいじってるところを見ると、またカノジョができたのだろう。蒼大は見た目の通り女が絶えない。
「で、今度の曲どれにするんだ?」
ゴクリ、と本日2本目のビールを飲む悟
実はこの3人
『Moon』という数年前デビューしてから、言わずと知れた人気グループなのだ。
本当は、ボーカルとして、由梨を入れるつもりだったが、当時のマネが由梨の才能に一目惚れして、単独デビューさせるっ!という次第になったのだった。
だから、悟がドラムということ以外役割とか特にあまり決まってなかったりする
曲は書いたり書かなかったり、いろいろだが、今回は3つの候補のうちから一つ選べということらしい。
「それってさ、ドラマのやつだよねー。じゃぁやっぱドラマに合わせなきゃだから…」
ふだんはヘラヘラの蒼大も、曲のことになると凄く真剣になる
「じゃぁやっぱこれか?」
「いや、こっちの方が…」
あーでもない、こうでもないと話し合いは続き、夜が更けていく