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1865日  作者: 蒼井さくら
3/6

Lily 3

「親父さんたちは?」

ラーメンをずずっとすって、目線を動かさずに悟が、涼介にきいてくる



「今、ヨーロッパらしいよ。」


「なんか、有名なとこで指揮してるんだろ?この前ニュースになってたな」

スープを口に含む悟


「いつ帰ってくんだかねー?」

由梨がいなければ煙草にてを伸ばしていそうな、どこか投げやりな口調で涼介はため息吐く


由梨と涼介の父は世界的にも有名な指揮者で世界のあちこちの楽団に呼ばれては指揮を振っている、そして、母は有名なピアニスト


その血のおかげでなのか、涼介も由梨も音楽の才能に秀でていて、歌手として活躍しているのだが。


今は、ヨーロッパのどっかで2人で活動しているらしい


昔は頻繁に帰国をしていた2人だが、涼介が成人すると5歳下の妹を彼に任せてほとんど帰ってくることがなくなった。

両親の放任主義ぶりに、呆れを通り越して怒りすらわいてくる涼介


「まぁ俺らもいるしな。」

どこから出したのか、ビールをプシュっと開けてゴクリと飲む悟


今年で22になる彼は涼介と同い年とは思えないほどの落ち着きがあり、寡黙でわかりにくいところがあるが、

涼介にとっては、多くを話さずともわかってくれる大事な仲間である



「兄ちゃん、私そろそろ寝るねー。明日も学校あるし。」

さっきまで騒いでいた元気は何処へやら。眠そうな声で由梨が涼介にほっぺをよせる


時計を見ると10:35をさしていた。


「おやすみー」

ちゅっとリップ音を立てるだけのほっぺチュー。海外での生活が長かった2人には何てことはない、いつものことだ


が、悟はいつも目のやり場に困っている



「お子様はおねむの時間かぁ?」

笑いながらからかう蒼大は、もう慣れたものだとケロリとしている


「お子様じゃないっ!もう17歳っ!」

子供だと馬鹿にされた由梨は蒼大に反抗する。高校生は大人でしょ?と。


「俺からしたら充分お子様です〜 おやすみ〜」


ムッとした顔で、由梨は蒼大を睨んで、バタン、とドアを閉めて部屋を出て行った。



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