7/7
彼岸花
キミが、キミが隣にいない。
右を見ても、キミがいない。
お兄ちゃんのキミも、恋人のキミも。
いつもキミが隣にいた。
キミが見えない。
どこにもいない。
家の窓の人達。
あれはキミじゃないよね?
たまたま家に来てた人だよね?
たまたま同じくらいの身長の人だったんだよね?
身体に力が入らない。
立っていられない。
地面に座りこむ。
立たせてくれる、キミはいない。
野次馬が増えていく。
後ろから押される。
川に落とされた。
足が届かない。
流される。
キミは火の中。
私は水の中。
違う世界でまた、キミと会えるかな。
待っててね、すぐに会いに行くから。
薄れゆく意識の中。
最後に見えたのは、彼岸花。
キミを包んで揺れる、大きな大きな彼岸花。




