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彼岸花  作者: さな
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彼岸花

キミが、キミが隣にいない。

右を見ても、キミがいない。

お兄ちゃんのキミも、恋人のキミも。

いつもキミが隣にいた。


キミが見えない。

どこにもいない。

家の窓の人達。

あれはキミじゃないよね?

たまたま家に来てた人だよね?

たまたま同じくらいの身長の人だったんだよね?


身体に力が入らない。

立っていられない。

地面に座りこむ。

立たせてくれる、キミはいない。

野次馬が増えていく。

後ろから押される。

川に落とされた。

足が届かない。

流される。

キミは火の中。

私は水の中。

違う世界でまた、キミと会えるかな。

待っててね、すぐに会いに行くから。


薄れゆく意識の中。

最後に見えたのは、彼岸花。


キミを包んで揺れる、大きな大きな彼岸花。



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