表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
58/110

52.apple

「もう、ほんっと、いい加減にしてください……っ」


 私がそういうと、ケラケラとユンファスが笑った。


「あのですね! もういい加減終わってもいいと思うんですよ! そろそろ疲れてきたしね手とか方とか思考とかその他もろもろね! だからもうこの際私が最下位で全然かまいませんので誰か手札ゼロにしてそれで終了しましょうよ!!」

「だめだめー。ちゃんと真面目に真摯に勝負をしないとー」


 現在、深夜、零時である。


 恐ろしい。なぜダウトでこんな時間になっているのだろうか。


「はいルーヴァスダウトー」

「……っ……あなたは大方のカードを持っているな……」

「そりゃーそうでしょー。さっきシルヴィスに大負けさせられたおかげでカードは死ぬほど持ってるし今回シルヴィスだけには一位にさせたくないし、そうなると他のひと巻き込んででもシルヴィス引きずりおろしたいじゃん?」

「はっ、下らぬ滑稽な意地ですね。哀れな」

「あーそう、くだらない意地でゴメンネー。でも絶対君にはもう勝たせないからねー」

「そうだよ次は俺がっ、へちちっ、俺が一位になる! 今度こそ……!」

「リリツァス六位か七位しかとってない……」

「うわぁあんそれを言わないでぇえええひちちっへちゅっはちちっはっちょん!!」

「あの、あんまり勝ち負けに固執しなくても……」

「それはお前が上位三位のいずれかしかとってないからだ。……俺も、次こそは」


 散々である。なんなのだ、みんなは一体何を目指しているんだ。


「あの、私このゲーム終わったら寝ようかと思っ」

「はぁ? 何を寝ぼけたことを言ってるんですか、逃げたら許しませんよ」

「アッハイ」


 シルヴィスが射殺さんばかりの目で私を見てからそう言ったので、もう淡白な肯定の言葉を返すほかになかった。辛いです。


「六……」

「はーい姫ダウトー」

「ねぇもう終わらせる気ありませんよね!?」


 泣く泣く自分の出したカードを持って帰る。絢爛な扇の如く凄まじい数のカードを誇るユンファスに勝てるものはいない。


「もう、ほんと終わりにしましょう……ね……深夜ですよ……深夜……目がしょぼしょぼする気がしますよ……私あんまり夜更かししないので……本気でつらいんですよ……」

「この家は朝より夜の方が起きている輩が多いぞ」


 ノアフェスがさらっとそう言ってきた。

 うん薄々気づいてた。

 朝早く起きてもさして人いないしね、仕事の時以外結構みんな寝てるよね、私知ってる。


 でもだからって早々に私がそれに合わせられるわけじゃないんですよ。


「もし良ければホットタオルを作ろう」


 ルーヴァスが軽く席を立って私に対して首をかしげてきた。

 なるほど、あなたにも寝るという選択肢がない。よくわかりました。


「自分で……作ってみます……」

「いや、いい。あなたは少し休んでいるといい」

「いえもうちょっとあの、ほんと、トランプ見たくないんで……」

「えー? 姫から提案してくれたのにー」


 ユンファスが少し不満そうに唇を尖らせた。


「あの、物には限度というものがございましてですね」

「僕はまだ全然いけるよ?」

「私の話をしてるんです察して」


 眠気と疲労と脱力からか、敬語がだんだん崩れてきた。これはよろしくない。


「もう、ほんとね……思うんですよ……無理強い、ダメ絶対」

「姫、キャラ崩壊してない?」

「よし、昆布の味噌汁を作ってやろう」

「いえ今食事の話してないんで……」

「昆布はうまいぞ」

「知ってますけど食事の話じゃないんで……」

「……うまいんだぞ……」

「そんな顔されても本気で困ります……」


 そうこうするうちにルーヴァスが私のそばまで来て、どうやら作ってくれたらしいホットタオルを手渡してくれた。


「目に当てるといい。少しは落ち着くだろう」

「ありがとうございます……」


 ホットタオルを目に当てると、じんわりと瞼に熱が染みた。思わずため息が漏れる。


「……本当につらいなら、寝ていいよ……?」


 気づかわしげな声はカーチェスのものだ。

 私はホットタオルを目から離すと、彼に微笑みかけた。


「すみません、心配させてしまって。これを頂いたので、もう少しなら、頑張れます」


 そう言って私がホットタオルを見せて笑うと、カーチェスは照れたように頬を掻く。


「うん……無理はしないようにね?」

「ありがとうございます」


 私は軽く頭を下げた。

 それにカーチェスはどことなく眩しげに目を細めるばかりだった。




 結論から言うと、私はこの時に「はい、寝ましょう、皆さん、解散!」とでも言っておくのが賢明だったのではないか、と正直思う。


 いつもは寝るはずのエルシャスもかろうじて起きてゲームに参加していたのでなかなか抜け出せず、結局私は深夜の三時までゲームに付き合わせられたのだった。









 部屋に帰って早々に、私はベッドに身を投げ出した。


 いったい何だったのだろうか。


 あれは本当に好感度アップのためのイベントだったのだろうか。


 だとしたら私の態度はゼロをぶち抜いてマイナスを特急で走っていたようなものではなかろうか。


「うん……死亡決定。はは」


 私はそう呟きながら、乾いた笑いをこぼして、やがて眠りに落ちる。

 

 気づかわしげに私をうかがうリオリムにお休みの挨拶もろくにできないほど、夜更かしはてきめんに効いたらしかった。







 


















 誰かに滔々(とうとう)と語りかける自分の声が聞こえた。



 ――うそつき。


 私のことを、大事に思ってるって。幸せにしたいって。


 そう、言ってくれたのに。


 どうしておいていくの。


 どうして私をひとりにするの?


 いなくなるというのなら、いっそのこと優しさなんかくれなければ辛くなんてなかったのに。


 どうしてあなたはいつも私に優しくしてくれたの?

 どうしてあなたはいつも悲しい顔をしていたの?


 教えてよ。


 ねぇ、“     ”。 


 ねぇ――















 ゆっくりと意識が浮上してきて、目元が冷たいことに気づいた。


 そっと指先を滑らせると、ひんやりとしたものが触れた。


 また、泣いていたらしい。


「……これで三度目?」


 寝ながら泣くのがこうも続くのも変な話だ。

 よほど悲しい夢でも見ていたのだろうか。


「……まぁいいや」


 夢の内容も思い出せないほどおぼろげだし、それにただの夢である。

 さして気にする必要もないだろう。


 ……というか、


「私、昨日、風呂に入ってない……」


 超特急で朝風呂をすることにした。












「おそようございます……ほんっと遅くてすみません……」


 急いで一階に上がってみれば、珍しく私以外の全員がそろっていた。


「珍しいな、あなたが遅いのは。おはよう」


 そう言ったのはルーヴァスだった。


「すみません……おはようございます……」

「いや、謝らずとも良い。付き合わせたのは我々だからな。よく眠れただろうか」

「はいそれはもうぐっすりと」


 私の即答に、ルーヴァスはふわりと笑った。


「あーあー仕事来ないなー」


 ユンファスがつまらなそうにそう言ったので、私は首を傾げた。


「そういえば狩人って依頼されてするお仕事なんですね。ものを知らないのでここに来て驚いたんですけど」

「え? あ、あー……うん。まぁ」


 ユンファスは頭を軽く掻く。静かにノアフェスがユンファスを肘で小突くのが見えた。ぐぅ、とユンファスの口から小さな奇声が漏れた。よほど痛かったのだろうか。少し顔を引きつらせて小突かれた横腹をさすっている。


「我々の仕事は特殊なのでな。凶暴な対象、あるいはそうなりえる危険な対象のみを狙う。依頼されない限りは仕事はほとんどない」

「えっ」


 そんなものなのか。仕事の話に踏み込むべきではないのは今頃思い出したが、それにしたって狩人はそんな仕事なのだろうか。何だかイメージと違う。個人的に狩人というのは適当に獣を狩って町で売りさばく印象だったのだけれど。


 凶暴な獣だけを狙って狩るなんて、ちょっと大げさかもしれないが軍みたいだ。いや、警察なんかの方が近いだろうか。


「でも、もらえるお金はそんなに多くないから、大体食費とかに回ってしまうんだよね……だから自分自身のお金が欲しい場合は自分でなんか内職したりする必要があるんだ」

「そ、そうなんですか」


 びっくりだ。

 この家がとても裕福な方だ、とは思わないけれど、そんなカツカツな生活とも思っていなかった。確かに狩人がそんなに儲かるとは思えないが、それなりの生活をさせてもらっているためかあまり貧乏という印象がなかった。

 しかし仕事で入ったお金が大抵食費に回るというのなら、私の存在は相当厄介なのではないだろうか。


「……」

「姫?」


 黙り込んだ私に不思議そうな目を向けられ、思わずぽろっと考えていたことがこぼれた。


「そしたら私、やっぱりかなり邪魔ですよね……」


 仕事をしてお金を持ってくるわけでもない。料理も毎日というわけではなく当番制で、ほとんどはしない。するのは掃除、洗濯くらいのもので、ほんとに何の役にも立っていない。これはまずい。いずれ放り出される気がする。というか放り出される自信がある。


 それだけは、避けなければ。


「あの、私出稼ぎすべきでしょうか」

 皆さま、お年玉企画へのご参加有難う御座いました。


 ままてんからも遅ればせながらお年玉をお贈りしたいと思います。


 それでは、どうぞ!!




 ※以下の内容は本編とは全く関係ありません。ご理解いただければ幸いです。







リリツァス;お年玉企画だよー!! やったね!!


主人公;……お年玉? もう一月の中盤ですけど


カーチェス;姫、そこは突っ込んだらダメだよ


主人公;あ、これ、大人の都合ってやつでしょうか


カーチェス;簡単に言うのならね


主人公;じゃあ空気読みます


カーチェス;うん、ありがとう


主人公;教えてくれてありがとうございます


カーチェス;え、いや、そんな、大したことは……言ってない、し……(赤面


リリツァス;ねぇ俺を会話から弾かないで!


主人公;弾いたつもりないですよ


カーチェス;うん、ないよ。今回は3人で解説しようねって話だし


リリツァス;っていうか他の5人は不参加なんだね!


主人公;何か票数がなかったとかなんとか


リリツァス;票数?


カーチェス;ユンファスが悔しがってたね


主人公;そうなんですか?


カーチェス;うん、リリツァスで遊ぼうと思ったのにって言ってたよ


主人公;何気に酷い


リリツァス;ユンファスは意地悪なんだよー!? 酷いよね!?


主人公;まぁ、確かに普段からそういう感じありますけど……っていうか何かリリツァスにすごく違和感を感じるんですけど


リリツァス;んん?


カーチェス;くしゃみ。してないね


リリツァス;あっ、これね! さっき赤い人が少しだけくしゃみ止めてあげるねって! そしたら止まったよ!!


主人公;あいつか


カーチェス;え?


主人公;何でもないです


リリツァス;じゃあ本題行こっか!! 3人で、せーの!!


主人公・リリツァス・カーチェス;お年玉企画、開始です!!


主人公;はい。何かこの企画は、えー……すいませんカーチェスカンペ取ってもらっていいですか


カーチェス;あ、うん。えっと、これだね


主人公;ありがとうございます。この企画は年始を祝って、皆さんからの票が高かった3人で疑問に答えようぜってコーナーです。わーいどんどんパフパフ……いやこれ効果音でしょう。なんで私が言うんですか


カーチェス;大人の都合かな……


リリツァス;予算が足りなかったんじゃない?


主人公;聞きたくない裏話だ……!


カーチェス;じゃあさっそく、質問に答えていこう。


主人公;選択肢は以下の5つです、はい、リリツァスどうぞ(カンペ渡し


リリツァス;はーい! えっとねぇ……1、ままてんを書く中で、絶対的に本題として描きたいことは? 2、ままてんのこれからの小説外での展開 3、挿絵マダー? 4、キャラクター覚えにくすぎてたまらないんですがこれ以上増えるとかありえないですよね 5、これお年玉じゃないですよね。お年玉ってお金ですよ。お金お金お金おか


主人公;……。


リリツァス;……。


カーチェス;……。


主人公;……読み違いです?


リリツァス;ほんとにそう書いてあるんだよ!? 俺のせいじゃないよ!?


主人公;え、逆にこれ一番最後の選択肢に入れた人っているんですか。え?


カーチェス;あ、それはいなかったみたい


主人公;うわぁあああああ良かったぁあああああお城もこの家もままてんの著者も貧乏だからお金とかないしね!!


リリツァス;一番票が多かったのが……1、みたい? ままてんを書く中で、絶対的に本題として描きたいことは?


カーチェス;本題ね……何だろう


主人公;あの、これ


カーチェス;うん?


主人公;私この作品、適当に書いてみたらウケたから続けてみたって聞きましたけど


リリツァス;……


カーチェス;……


主人公;……


カーチェス;……雑だね……


主人公;そういう著者ですよ……


リリツァス;あ、でも一応回答は付け足してあるよ


主人公;なんて言い訳してます?


リリツァス;えーっとね……あ、これが解説ってことになるみたい……「最初、継母が主人公とか割と面白いんじゃない? これ案外いい設定かも、って書き、気軽に投稿。ところが好評だったから続編書いた方がいいかなと思案。しかし長編にするのなら、意味のない「恋をしました、イチャイチャラブラブ、ハッピーエンド! 私たち、幸せです!」っていう話は避けたかった」


主人公;ほー……というかなんか身も蓋もない言い方だ……


リリツァス;「恋愛の話、という軸は変えないまま、きちんと伝えるものがある話にしたくて考えた結果、“居場所のないひとの居場所”を書こうと考えた」


カーチェス;あぁ……なるほど


主人公;そういえばルーヴァスが初期?に言ってましたもんね。皆さん行き場所を失ってこの家に来たって


リリツァス;「白雪姫という世界観を基盤にして書く以上は、その設定を生かして書こうと考え、ディ○ニーを見直したのち、グリムの原作の筋も洗って、白雪姫という童話独特の世界を保ちながら、天音によるオリジナルの“白雪姫”構築を目指し、執筆」


主人公;ほうほう。まぁ今のところ全然原作とかそのあたりは触れた感じがしないですけどね


カーチェス;原作ってどんな感じなんだろうね


主人公;よく知らないですけど、グロいって話は聞いたことありますよ


カーチェス;ぐ……!?


リリツァス;何か読むの疲れてきた……カーチェス、パス……姫、水頂戴……


主人公;あ、どうぞ。お疲れ様です


カーチェス;じゃあ読むね。「ディ○ニーオリジナルの“小人”の特性を生かしつつ、」


主人公;え、生かせてます?


リリツァス;生かせてないの?


主人公;小人と言えば7人のあの髭生えたお爺さんだと思うんですけど、えーっと……確か名前が……先生、おこりんぼ、ごきげん、はにかみや、おとぼけ、くしゃみ、ねぼすけ。だったと思いますけど


リリツァス;くしゃみってもしかして俺!?


主人公;間違いなくそれはあなただと思います。ただ他がはにかみやとねぼすけ以外曖昧じゃないです?


リリツァス;名前がくしゃみってどういうこと!?


主人公;ショック受けるのそこですか


カーチェス;「独自の設定と過去を付加。また恋愛対象として小人から妖精へ変更」


主人公;小人でも可愛いとは思うんですけどね


リリツァス;エルシャスとかは小人でも通るんじゃないかなっ?


主人公;あ、確かに。身長、結構低めですもんね


カーチェス;「主人公が白雪姫でない以上、白雪姫の話にこだわりすぎる話は書かないと決め、小人の仕事をやや変更」


主人公;炭鉱と狩人じゃ全然違いません? ややじゃないですよこれ


リリツァス;姫がここに来た当初に炭鉱で働いてるとか言ったのは、ここから?


主人公;あ、そうです。よく覚えてましたね


リリツァス;えへへ。記憶力良いんだよ、俺!


カーチェス;「個人的に白雪姫自体があまり好きではなかったので」


主人公;暴言だコレ


カーチェス;「白雪姫には完全無欠の悪役を演じて頂こうと決心」


主人公;これは酷い


カーチェス;「以上を踏まえた上で、本題の「居場所のない人の居場所」を描く」


主人公;前置き長いな


カーチェス;「余談だがディ○ニーをベースにしているところから疑問を頂きそうだが、著作権に触れてはいない」


主人公;お、おお……何か……不穏だ……


カーチェス;「アメリカ映画の著作権は、公表後70年を以て消滅する。白雪姫公表は1937年、ままてん公表は短編含め2014年。70年以上経っているので著作権に触れていない」


主人公;ここぞとばかりに主張してくる著者


リリツァス;何年たってるのかなぁ、公表してから


主人公;1937年ですから……2014年の時点だと……えー……77年? ですかね?


リリツァス;白雪姫って話はかなり古い……?


主人公;原作は77年どころじゃないと思いますよ


リリツァス;え、何年?


カーチェス;それは調べてないみたい……


主人公;へっぽこ著者だ


リリツァス;へっぽこへっぽこー! ……ねぇ姫、へっぽこってなに?


主人公;意味知らないで罵らない方がいいと思いますよ


リリツァス;これ罵り言葉なの!?


カーチェス;ええっと、色々ずれているから、話を元に戻そう。あと、一応著作権の計算は、公表の翌年から計算するみたいだから、もしかしたらもう少し縮むかな。70年以上ではあると思うけどね


主人公;はぁ、なるほど。……リリツァス、何してるんですか


リリツァス;へっぽこっていう言葉を調べてるんだよ! ……うわぁ、何か劣ってる人のことを指すって書いてある! 何か響きが可愛いから使おうと思ったのに! これじゃ使えない!


主人公;あ、カーチェスそろそろ、読むの代わります


カーチェス;え、いや、そんな、いいよ


主人公;いいですよ、疲れたんじゃないですか? 私は結構休みましたから


カーチェス;え、あ、う、うん……ありがとう……(赤面してカンペを渡し


主人公;なんで照れたんですか……。ええと、「話を戻すが、居場所のない表現は初期ではそこまで強調しないで描くことも決めている」


カーチェス;て、照れてないからね!?


主人公;「ままてんは全体を前・中・後編の3つに分けて執筆予定」


リリツァス;結構長いんだね!


主人公;「前篇では主人公」……私か、「主人公と妖精の中でほとんど話が進む」


リリツァス;俺たちが主体ってことだね!


カーチェス;う、うん?


主人公;「中・後篇の内容は今のところ公開しないが、話の筋はほぼ決まっている」


リリツァス;うんうん


主人公;「御静聴ありがとうございました」


リリツァス;えっ


カーチェス;え?


主人公;……。後は白紙ですね(机にカンペを広げ


リリツァス;こ、ここで終わるの?


カーチェス;あ、紙の隅に何か小さく書いてあるよ


主人公;ほんとだ


リリツァス;えー……「ちなみに中編は色々嵐だから主人公は覚悟していてね。がんば」


主人公;えっ


カーチェス;こ、これって


主人公;ちょっと待ってください、聞いてない。私こんなの聞いてない! しかも嵐って何! 私今十分嵐の真っただ中! 死にそうだし! これ以上の嵐とか聞いてない!


リリツァス;姫死にそうなの!?


主人公;多分死ぬ!


リリツァス;姫が死んだらやだぁああああああああああああ


カーチェス;え、ちょっと、あの


主人公;中編になるまでに帰る方法を探そう。私帰る。もう帰る!


道化師;だがしかし断る!


主人公;ぁああああああああああああああああああああなんでここに来たんですかぁああああああ


道化師;めっちゃ荒れてるね、継母ちゃん


主人公;私聞いてないですよこれ以上の嵐なんて聞いてない!


道化師;そりゃ聞かれてないもの


主人公;私生き残らせる気あります?


道化師;あるよ?


主人公;もう何も信じられない!


道化師;頑張ろう!


主人公;もう帰らせて!!


道化師;やだー♪


主人公;ぁあああああああああああああああ


道化師;継母ちゃん人気者なんだよ? 今回、好きなキャラクター3人選んでねってアンケートで、継母ちゃんだけ必ず回答に入ってたしね


主人公;それはありがとうございますぅううううううううでも個人的にアンケートの人気よりも命の方が大事でぇえええええええええええええ


道化師;すごい、ここまで淡白な反応されると対応に困るね


リリツァス;ねぇ、赤いおじさん! 姫を殺さないでね!?


道化師;赤いおじさん!? 酔っ払いみたいな言い方やめてよ! そりゃ色々赤い服着てるけど、僕おじさんって容姿じゃないからね!?


リリツァス;でも俺より年上じゃない?


道化師;そりゃ君とは比べられないと思うけど……


リリツァス;じゃあおじいさん?


道化師;うっガラスのハートが割れそうだよ……


主人公;割ってあげましょうか


道化師;継母ちゃん目が据わってる! 怖い!


カーチェス;そろそろコーナーを終わらせてって著者が言ってるけど……


道化師;あ、じゃあ僕からひとつ! さっきの解説の中で一点だけ変更されたところがあります! どこだかわからないと思うけど頑張って探してみてね! はい、解散!(ぽむっとおかしな音と煙を上げて消える


カーチェス;あ、じゃあ幕引きの言葉……せーの


主人公・リリツァス・カーチェス;本年もままてんを、どうぞよろしくお願い申し上げます!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ