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19.apple

「はいお疲れ様~」

「……は?」


 起き上がると、真っ白な世界に私はいた。


 どこを見回しても白、白、白。


「何ここ……」

「世界の中間点、夢の中、時空の狭間? 色々言い方はあるけど、それはとりあえず置いておこうか~」


 人をイライラさせるこの声音には聞き覚えがある。ありすぎるほどある。あの赤髪のへらへらした道化師だ。


「……」

「うわ何その怖い顔。いくら悪役だからってこんなところでまで成りきらなくても」

「そんなことしてません」

「そう? じゃあ生まれつき怖いんだ。きゃ~」


 死ねばいいのに。


 ちょっと本気でそう思った私をよそに、道化師は「さて」と首をかしげた。


「継母ちゃんは死にました」

「あっさり言ったね」

「事実だし」

「大変うざいな」

「よく言われる~」


 道化師は煙管をくるりと回してにこ、と微笑む。


「で、君には三つ選択肢をあげます」

「は」

「一つ目はこれ。このまま死にます」

「はぁ?」


 何その選択肢! 嫌に決まってるでしょ!?


 私は平凡に生きて死ねればそれでよかったの! なのに何がどうしてこういう死に方をしなきゃいけなかったの!!


「あ、嫌そうな顔~♪ まぁそりゃそうだよね。二つ目はこれ。もう一回ある地点からやり直し」

「ある地点……ってあの白雪姫の世界の?」

「そう、転生後のどっかの地点から」

「はぁ……」


 この様子だと、三つ目もろくなものじゃなさそうだ。間違っても元の世界には返してくれそうにない。


「……三つ目は?」

「そんな最初から諦めた顔しなくても。三つ目はこれ。別の世界に転生します」

「何それ」

「つまりは~。……また乙女ゲームに転生しちゃう感じ♪」

「……はぁああああ?」


 盛大に顔を引きつらせて道化師を睨みつけると、「きゃ~こわーい」と道化師は煙管を振った。


「ちなみに白雪姫じゃないから安心して」

「そこはいいよ。元の世界に返して欲しいんだけど」

「次はね、シンデレラのお母さん。継母じゃなくて実母」

「また母親!? ってそこはいいんだって、お願いだから前の世界に返してくれない?」

「それはなし~。つまんないし~」


 私の人生をあなたの「つまらない」に付き合わせないでください。


 なんて言ったところで、きっとこの道化師は聞いてなどくれないだろう。そういう男だ、この道化師は。


「さて、選んでね。このまま死ぬか、やり直すか、別の世界に行くか。――君はどれがいい?」


 ――私は。


 私、は――

短かったですね。

1000字ないです。ままてんでは初めての短さ。すみません。


皆さんは選択肢、どれを選ばれました?

まさか選択肢1を選ばれた方はいないと思うのですが、その方は……えーと、なんだろ。今までありがとうございました? かな?

選択肢3を選ばれた方は……。……。ええと、全く今のところ連載する気はないですがもしかしたらいつか投稿されるかもね小説「シンデレラの母親にも生きる権利ありますよね?」を待ってみてくださいまし(笑


そして選択肢2を選んだあなた。

あなたはもう、あれですね。

ここまで凄まじい展開を知ってもままてんを読んでくださるというのならば、もう大団円まで主人公のお供をしてやってくださいますね!!

どうぞ、末永く宜しくお願い致します(ぺこ


あ、そうだ。

アンケートにご参加いただきました方々、誠に有難うございました。

あの面倒極まりない仕様に耐えてご回答くださる方があんなにいらっしゃるとは思わなかったです。ありがとうございます。

人気投票ではまたも彼女が1位をとりそうな予感……凄まじい人気です。

アンケート、まだまだ受け付けておりますので、「寛大だから回答してやんよ」という神様みたいな方はご回答いただけると大変嬉しいです!


ちなみに。とあるお方のラフ画を公開いたしました。誰でしょうか?

それは作者の割烹にて、ご確認くださいませ!



さて、それでは、次回予告。



「……っ、最悪だわ!」

「とかく、今回のお呼びたてのご用向きをお訊ねしたいのですが」

「あの女を殺せと言いたかっただけよ! でも意気地なしのあんたではそれもできないんでしょう!? だったらいいわ、私が殺す! あんたは引き続きあの女を監視していなさい!」

「御意」



舞台は第2ラウンドへ――



ではでは、次回もお楽しみに。

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