迷惑な野良猫
『くっ!!どうすれば、どうすれば奴に勝てるのだ?!』
私はスコップとビニール袋を持ってザクザクと、しかし最新の注意払い奴の置き土産を掘り起こしている。
ここ最近、野良猫が庭に住み着いてしまった。どうやら見知らぬ近隣住民が、野良猫にこっそりと餌を与えているらしい。労せず手に入る餌がある土地に、野良猫が寄ってくるのは当たり前のことで、野良猫が増え、その野良猫が子供を産む。そんなことを繰り返して、今では右見ても野良猫、左見ても野良猫、前見ても後ろ見ても野良猫だらけだ。
私とて猫は嫌いではない。実際、子供の頃に飼っていたし、猫カフェに行ったこともある。
しかし、野良猫は別だ。ゴミを漁るし、道路に飛び出してくるし、花壇の花をほじくり返されたこともある。極め付けは、排泄物だ。
野良猫のマーキングなのか、ご丁寧に、一度選んだ場所に毎回置き土産を残していく。
そして我が家の庭には、その場所が3箇所もあるのだ。
我が家とて、野良猫対策を考え幾度となく実行してきたが、効果としてはイマイチだった。
ただ一つ、効果があったのは、タバコの吸殻をペットボトルに入れて水で浸したものを、庭に置くことだった。これは野良猫にも効いたし、虫にも効果があった優れものだった。
しかし、この水には人体に有害なニコチンが含まれている。放置していると臭いもすごいのだ。結果、近隣住民から注意という名の苦情が来て断念することとなった。
タバコの吸殻を捨ててから数日後、またしても野良猫の置き土産があった。
『くっそ!!!臭いとしてはニコチンと変わらないはずなのに、野良猫に苦情はいかないのか!!!』
と心の中で毒づきながら、清々しいはずの朝に、スコップとビニール袋を持って、庭に捨て置かれた野良猫の置き土産を駆除する。
罪の意識がない野良ほど迷惑なものはない。