忙しい本土
さて、
愛知にやってきた山本
果たしてその目的は?
12月14日、
この日、
NHKの滑走路に一機の一式陸攻が舞い降りた
その機体は未だにレプシロエンジンで鈍重だが、近々、
大改造を受ける予定のため、今回が実質上最後の飛行である
その鈍重な機体から降りたのは他でもない山本 五十六 聯合艦隊司令長官である
「おお、藍川さん!」
そう言うと作業着の人が駆け寄る
「山本長官!!ついに出来ました!!」
駆け寄ったこの人こそが現在のNHKの総取締役最高責任者『藍川 翼』
「ついに出来たか!で、格納庫は空っぽのようだが、」
辺りを見回しても格納庫入りする一式陸攻と広い滑走路だけである
「ああ、もう納品しました!」
とにかく仕事が速い藍川
「え、もう呉に!?」
流石に戸惑う山本
「いえ、まだ一機がエンジンスタートしていないんでエネルギー負荷を掛けています」
そう言うと高エネルギー注意とステッカーが貼られた倉庫の前に案内される
「よし、ところで、実際飛ばしてみてせいのうはどうだったんだ?」
倉庫内を見て一安心する山本が言う
「素晴らしいですよ、この『新・二式複座戦闘機:屠龍』は勿論のこと艦上機の運用も出来ます、
それに、巡航速度は『新・零戦改』の六百六十七㎞をゆうに超え七百三十㎞を達成しています
おまけにこの機体は、あの第七.五世代型『景雲艦上汎用戦闘攻撃機』と同じで攻撃機や爆撃機としての運用も可能です」
説明する藍川
ここで、『景雲艦上汎用戦闘攻撃機』を説明する
この機体はユーラシア大戦のときの最新鋭機として開発された機体で、
世代は第七.五世代型に分類される
この機体の基となったのは第七世代型の『震電艦上汎用戦闘攻撃機』で、
『震電艦上汎用戦闘攻撃機』は実験機で実践投入された機体だ
「はは、坂井の奴悔しがるだろうな」
話を聞いて笑う山本
ちなみに坂井の機体は試作機のため、巡航速度は六百七十九㎞を出している
別名:『じゃじゃ馬』
「おぉ、エンジンスタートしました、」
ゆっくりとはねが動き出した『新・屠龍』
「よし、呉まで乗せてってくれんか?」
山本がコクピットを覗き込む
「ち!長官!!!(ガンッ!!)」
敬礼しようとして風防で頭を打つパイロット
「だ、大丈夫か!?」
慌てる山本
「大丈夫です、これしきり」
そう言うと敬礼する
「じゃあ、乗っていいか?」
後部機銃席を覗き込む山本
ちなみに、後部席搭乗員は呉で発表されるため、今は居ない
「狭いですけど、いいんですか?」
心配そうに聞くパイロット
「いいんだ、さて、君の操縦の腕を見せてもらうぞ」
子供っぽいいたずらな笑顔を山本はパイロットに向けた
「はい!!」
この一言に張り切ってコクピットに潜り込むパイロット
「前へ~、前へ~、止まれ!離陸用意!!」
機体を誘導する藍川
「了解!回転数上がります!退避!」
グオオォォォンンと二発のエーテルエンジンのはねが唸りを上げた
そして、離陸、山本を引き連れて一路呉に向かった
「ほぉ、いい腕だ!」
機内の伝声管に向かってしゃべる
「有難う御座います、四十五分間の空中の旅をお楽しみください」
伝声管伝いに話すパイロット
「ところで、航空予科練はどうだったか?」
山本が聞く
「え~と、地獄でした」
正直に言うパイロット
「ははは、やっぱりな!」
笑い出す山本
「でも、こうして正式にパイロットに成れましたんで感謝しています」
パイロットになったときの記憶を思い出す
「そうか、頼もしいな」
下に広がる関が原を見て言う
さて、
一方、呉のNSKでは、
山本長官が来るという艦内放送が流れており全員が気持ちを高ぶらせていた
「...山本か、久しぶりに会うな」
そう言ったのは泉家 あきひろ
「あ、飛行甲板集合の時間だっぺよ!!」
慌てる大西
「...本当だ」
慌てて身なりを整える泉家
部屋を出たころには遅刻確定だった
勿論、艦長、次期最高指揮官候補の阿部 俊雄にお叱りを受けた
「あ、見えましたよ長官!」
パイロットが言う
「おお、今月末には実戦配備されるだけの完成度はあるな!」
とここで、山本は記憶をたどった
先月末、
11月29日、
この期間の聯合艦隊は最終調整訓練と対潜哨戒のため日本の太平洋側をよく航行している
その時、10時57分、
聯合艦隊はたまたまあるポイントを通った
北緯30度0分東経137度0分、
この日の最終訓練兼対潜哨戒は順調に終わりを告げようとしていた
「よし、今日も何もなし!いい事だ!」
双眼鏡片手に山本が呟く
「まぁ、荒鷹たちも腕上げたんねん、ほんま、ええことやわ」
赤城がお茶を片手に呟いた
「お、今何時だ?」
山本が尋ねた
「10:57やで、」
赤城が掛け時計を確かめたその時、
一筋の光が聯合艦隊の目の前を通り過ぎた
それは、轟音と衝撃を立てて海面に突き刺さる
「グア!!な、何事だ!!報告!」
凄まじい乱気流で揺れる赤城の伝声管に山本は摑まっていた
「ほ、報告します!!」
逆さまになって報告する井上 成美 航空参謀長
「は、早く!!」
必死になる山本
「海面に落雷があったもよう!!気泡多数で巨大な物体を確認しました!!」
電子航海図にしがみ付く井上
「確認急げ!!」
そう言っておもむろに窓の外を覗く
「おい!!こんなことあるのか!!」
明らかに慌てる山本
「わ、我々も、一度体験してますんで、ありだと思います!!」
黒島が言う
それもそのはず、
ユーラシア大戦の時には山本も体験していた
過去もしくは未来にタイムワープすることを
「間違いありません!!あれは、大和型の三番艦!!『信濃』です!!」
黒島が断言した
「戦艦じゃなくて空母か!?」
逆さまになって聞く山本
「はい!!」
黒島の声が艦橋を包んだ
「それより!!艦を立て直せ!!傾斜復元!!」
井上が命令を出す
ちなみに、この時点で立て直った艦は一隻だけ、栗松が艦長を務める『金剛』で、
『金剛』は聯合艦隊でも技量が高い艦であり、艦長の特徴からとって『鬼の金剛』と呼ばれている
そして、今日に至る
「全く、あの時は肝が抜かれた気分だったぞ」
笑っていているがこれは本当である
「ははは、俺てっきり長官って厳しい人だと思っていました」
パイロットが本音を漏らす
「おいおい、栗松さんと一緒にしないでくれ?」
冗談っぽい口調で言う山本
「分かりました、着艦しますので、出来るだけ体を固定してください」
いよいよ着艦体制に入った『新・屠龍』
一瞬だけ体にものすごい重力がかかった
「おお、君、エースに成れるんじゃないか」
見事な着艦に歓声を揚げる山本
「いえいえ、まだまだですよ」
照れるパイロット、
「そうだ、名前聞いてなかったね」
思い出すように聞く山本
「三ツ木 幸平郎 信濃戦闘隊隊員です」
パイロット改め三ツ木が言った
「よし、頑張れよ三ツ木隊員」
にっこりと笑顔を三ツ木に向ける山本
「はい!全身全霊で頑張ります!!」
敬礼する三ツ木
「さて、艦内見回りするか!」
張り切って艦橋に向かう山本
その通り道を乗組員、パイロットたちが敬礼して作っていた
12月末に就役する信濃の艦内に山本は消えた
作者:ヤッホヨーイ!!パソコン直ったーー!!
三笠:右のほっぺ腫れてるぞ!?
作者:だ、大丈夫だ殴られただけだから
三笠:妹に殴られるって、情けないぞ
作者:手を出したほうが負け、それが俺の考え方
三笠:じゃ、自衛隊は?
作者:自衛隊は許されるから大丈夫
三笠:全くどんな理論だよ
作者:さて、ゲストは、『信濃』さんです!!
三笠:ネタバレ!?
信濃:ヤッホホウ!!信濃ですよ!!
作者:さて、今回は前作の逆バージョンをやってみたぜ!
三笠:ああ、水爆食らって過去へ行くやつか
信濃:え!?何時ですか!?
作者:え~と、確か1945年の8月3日にワープしたと思う
信濃:もう私沈んでるじゃん!?
作者:仕方ないよ、終戦間際だもん
三笠:まぁ、その後沖縄で原爆食らって帰ったけどな
作者:いろいろと前作引き継いでんだよこの作品は、
三笠:ああ、確かにな、特にNHKとNSKが筆頭に上がるな
作者:もし、分からない単語がありましたら、一旦この作品のことは忘れて、前作を読んでください、
三笠:説明すればいいだろ
作者:めんどくさいよ~
信濃:私は!?私の性能は!?
作者:う~ん、次回のお楽しみ!!
三笠:それでは皆のもの!!
作者:また今度!!
信濃:絶対見てよ~!!