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中央太平洋航空戦

史上稀な無人機との戦闘、


殆どの場合無人機は撃墜されてしまう


しかし、中央太平洋を哨戒する『新・九六陸攻』、


作戦行動の取れない大太平洋艦隊の代わりに出撃していた無人機艦隊、


一世一代の大勝負が幕を開ける


9月25日、


新・九六陸攻、


「いつしか日は暮れ水雷の~、激しき攻撃絶間なく~」

軍歌『日本海海戦』を歌うのは機長兼隊長の『野村 偉世』


「機長、もうちょっと緊張感持ってくださいよ...」

そう言いつつも笑顔である


通称:野村一家、

これがこの隊に付けられた渾名である

理由は想像できる通り、家族付き合いのような隊員たちの生活から反映されている

それほどこの隊の絆は固いのだ


「最近中央太平洋もピリピリしてるなぁ~、無人機なんてお前らの相手じゃあねぇだろ?」

無謀にも操縦桿を握ったまま後ろに振り向く野村


「何言ってるんですか!機長!俺たちがこの機銃弾を奴の懐に叩き込んでやりますよ!!」

機銃座員が士気旺盛に答える


「ほう!それは頼もしい!!、仰ぐほまれ~の~ぐ~んかんき~!」

そう言って正面に向きかえると今度は『太平洋行進曲』を歌いだす


そんな調子で、よく陸攻隊のエースと言われるのが不思議なぐらいである、



マードック艦隊、


「ふぅ~、発艦用意、」

そう言うと、甲板上に並べられたグローバルホークが動き出す

勿論、下の甲板もだ、


「ちゃんと見張ってくれよ、」

そう言って、発艦するグローバルホークを見る


今回は、ホワイトハウスからの直々の命令で、

何と呉を空襲するのだ、

もちろん狙うは造船所、

その為、まずは日本近海まで敵に発見されないように航行しなくてはならない、

出鼻を挫かれるダメージより、ミッドウェーに停泊中に襲われるほうがましである

今回の作戦の主役のラングレー級航空母艦の設計ミスは、なんせあのレーダーを積み忘れたのだ、

増設するにしても、スペースが無いため断念せざる終えなかった

その為、敵を知る手がかりは索敵しかないのだ


「全く、いくらなんでもレーダーの積み忘れは無いだろ...」

いくら変人のマードックでも分かることである


「司令、全機発艦しました、」

スピーカーに報告が流れた、


「分かった、おい、報告が入り次第機銃員は直ぐに持ち場につけ、」

何と、ここでも設計ミス、と言うより予算不足

機銃座は機械式なのだが、やはり、人が操作して動かしている、

連戦連敗で海軍の信用がまるっきり下がってしまい、この前の海戦の勝利ででようやくファランクスを空母各艦20基、戦艦は各艦40基設置されたのだ、

なんとも情けない結果である


「はぁ、空母全部を修理し終わるまで一体何週間かかると思ってるんだ、」

万が一この艦隊も損傷してしまったら、

3日後に修理が完了するエンタープライズしか作戦行動が取れなくなってしまう


「ドックは満席、畜生、C4爆弾で地面を爆破してドックを作りたいぜ...」

何言ってんだお前は?危険極まりないぞ?


「じゃあ、1t爆弾で...」

だから、ミッドウェーは小さな島ですよ


「ふぅ~、何か派手なことがしたい!!」

爆弾大好き人間か!?お前は!?



新・九六陸攻、


「その精鋭を保ちつつ~、強敵風波に当り得れ~」

今度は『艦隊勤務』を歌う野村


「レーダーに反応!!同時に電波を探知!」

急いで報告する隊員


「風吹きす~さみ波怒る~、う~みを家なる兵の~、職務は種々に変われども~、つ~くす誠は唯一つ~」


ズル!ドサ!ガシャ~ン!!


「無視かいな!反応せい!!吉本か!!」

機銃座員の一人がツッコム


「おおぉ、ごめんごめん!で、何処だ?」

急いで野村が振り返る


「南です、四隻の艦影を確認できます!」

誰もが思った、


ー日本近海に近い。


「何をする気だ、兎に角、南進するぞ!!」

操縦桿を一気に傾け、南の空に陸攻が消えた


「まさか、いや、まさか...」



マードック艦隊、


「何!?爆撃機がこちらに向かってる!?」

受話器の向こうの水兵に向かって叫ぶマードック


「とにかくだ、撃墜しろ!こっちの位置がばれてしまう!!」

受話器の向こうで了解と聞こえたと同時に機銃座に機銃員が駆け込む


「何とか頼むぞ、」

そう言って、北の空を睨む



新・九六陸攻、


「ん?ん~?んん~?...グローバルホークだぁーッ!!!!」

野村が慌てて操縦桿を倒し機体を傾けて降下させる、

すると、先ほどまで自分たちが居た場所に機銃弾が叩き込まれた


「野村機長!!ここ任せて貰おうか!!!」

機銃長が叫ぶと、一斉に機銃がグローバルホークを狙う


「ック!!!奴め、賢くなるのか!?」

先ほどまで懸命にドッグファイト、つまり巴戦を挑もうとしていたグローバルホークは何と、一撃離脱戦法に切り替えたのだ


「しかし、スピードはほぼ互角、経験がものを言うのか!!」

ついに野村は捻り込みを決め、グローバルホークの横に出た


しかし、グローバルホークもそれなりに賢くなりだしたのか、

一気に急上昇、恐らく人間がやったら気絶は絶対しただろうかとでも言うように垂直に飛ぶ

そして、落下のスピードを利用し一撃を加えるが、野村が操縦桿を倒しこの一撃は空振りに終わった

野村機も必死に機銃で牽制して来るがそこは無人機、命なんて考えずに後ろに回りこみ機銃発砲、

これを野村はグローバルホークほどではないが右回転しつつ急上昇で回避、爆撃機では難易度がある背面飛行をやってのけた、

そこをすかさず上部機銃がグローバルホークをその照準針に収め、引き金を引き撃鉄を雷管に当て火薬を膨張させる、


「くたばれぇぇッ!!!怪物が!!!」


グローバルホークの機体に弾痕の列がいくつも走る、

そして、メインの人工頭脳が思考停止、エンジンが火を噴き蒼海に向かって高度を急激に落としていく


「はぁ...はぁ...、気を付けろ、間もなく敵艦隊だ、」

そう言った途端、操縦席の窓ガラスにひびが入る


「!!、グローバルホークの大群だと!!?」

窓から上を見上げると、数え切れないほどの影が飛び回っていた


四隻合わせてざっと百六十機もの大編隊が一機の爆撃機に襲い掛かる

しかし、野村の判断は適切だった、機関銃でグローバルホークたちを牽制して目下の四隻の空母に急降下爆撃で六十㎏爆弾を積んでいた八発でそれぞれ二発、唯当てるだけではなかった、

野村は確実に弱点を狙っていた、下段飛行甲板の艦首付近を一発、上段飛行甲板の後部に一発、

下段甲板の発艦を封じ込め、上段甲板の着艦能力を失わせた、

これには流石のマードックもお手上げし、転進し一路ミッドウェーへの帰路に着いた

着艦は1機ずつ行い人力でグローバルホークの着艦フックを引っ張り止めると言う面倒くさいし体力が要る作業を延々とやり続けた、

不幸中の幸いか、修理は軽めで済んだ様だ、

これが、太平洋の運命を決める戦いの引き金になった『中央太平洋航空戦』であり、

後日、ホワイトハウスからミッドウェーに向けて出撃命令が下されるも、空母は修理中のためにこれは即座にお堂入りとなった、

一方、日本ものほほ~んとしては無く、特に海戦隊の爆撃隊や戦闘隊、雷撃隊に陸攻部隊、更には空戦隊の防空航空隊の強化訓練は野村一家同席の上、『栗松 鉄兵』と『山口 多聞』の通称:『訓練殺人鬼』ペアがタグを組み航空隊を恐怖のどん底まで突き落とした、

これが、最後の一戦までの二ヶ月間も続くのだ、



   ー愈々、日米の決戦がフィナーレを迎えようとしていたー



作者:いや~、めげないぞ。めげないぞ。めげないぞ。めげないぞ。めげないぞ。めげないぞ。めげないぞ。めげないぞ。めげないぞ。めげないぞ。めげないぞ。めげないぞ。めげないぞ。めげないぞ。めげないぞ。めげないぞ。めげないぞ。めげないぞ。めげないぞ。...


三笠:末期だこれ、


作者:終わりに近づくと何か、何かが抜けていくんだよ、めげないぞ。めげないぞ。...


三笠:その『めげないぞ。』もう止めろ!!


作者:めげないぜぇ~★


三笠:...金剛、


金剛:散れ!


作者:グホッ!!


BGM:エンダァ~~~~~~!ヒアァァ~~~!


三笠:BGMが合ってないような気がするが、


金剛:ん?ホイットニー・ヒューストンの名曲か、


三笠:まぁいい、さて、この物語も愈々フィナーレの足音が聞こえ様としています


金剛:最後まで楽しんでくれよ!


三笠:で、前作みたいに最終回は次回作紹介なのか?作者?...


作者(死体):グググ...(多分そうです)


金剛:喋った...


作者(死体):グググ...(どうだ、ざまぁみろってんだ!!)


三笠:...杭と十字架かぁ、


金剛:打ち込んでやりましょうか?


三笠:心臓を狙ってグサリよ、分かった?


金剛:でやぁあぁぁぁッ!!!!


効果音:ドゥクシッ!!


作者(死体):ア゛ァ゛ーッ!!


三笠:消えた、


金剛:ほんの少しの敬意を表して、『海ゆかば』


BGM:♪~~~~、うぅ~み~ゆかば~、みぃづ~く屍~、やぁま~ゆか~ば~、くさ~むす屍~

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