衛星追尾、必殺『ロング・ランス』、
ついに発見された大太平洋艦隊と連邦機動部隊、
陸上攻撃機延べ五百機、
聯合艦隊全艦隊出撃、
ここに、南シナ海海戦が始まろうとしていた
9月2日、
『新・九六陸攻』の偵察情報に基づき、
この日、聯合艦隊は南沙諸島近海を航行していた
「敵の動きはどうなっている、」
山本が双眼鏡を構えながら言う
「まだ、南ナトゥナ諸島沖合を通過中です、もうあと一時間お待ちください」
そう言って報告するのは黒島
「そうか、全艦隊は所定の位置か?」
確認する山本
ー何かとてつもない事が起きそうだ。
そう山本の勘が朝から警戒アラームを出し続けていた
大太平洋艦隊
「報告、」
短く命令するのはマイク
「まだです、あとちょっとです、」
そう言って乗組員が画面に集中する
「リンクしました!!」
そう言うと、中央戦闘指揮所の大画面を一枚の写真が映し出される
その写真は今も徐々に拡大されていた、
「全護衛艦、データリンク、座標固定始め、」
電子音が一層騒がしく鳴りだした、
→『了解、システム、データリンクを確認、座標入力開始、』
失敗は許されない緊張の中、報告は完了した
「了解、座標固定、秒読み開始、」
画面に映し出された数列の横断幕、
徐々にその単位を減らしていく、
連邦機動部隊
「...始まったか、」
双眼鏡で見えもしない海の向こうの聯合艦隊を見るヒットラー
「ルーズベルト野郎が、日本を侮りすぎている、奴は歴史と言う教科を勉強しているのか?」
双眼鏡を下ろし、3隻のイージス艦を見る、
「長官、まもなく時間です、」
そう報告されると時計を確認する
「うむ、この戦い、愈々(いよいよ)分からなくなるぞ、」
そう言うと水兵と共に艦橋に入って行った
大太平洋艦隊
「...大統領は、こんな事をしてまで勝ちたいのか、」
そう呟くと、画面に映る3隻のイージス艦の陰を見た
「最終システム安全確認完了、第一システムロック解除、イージス艦との回線が開きます」
先ほどよりうるさくなった電子音、
「第二~第五システムロック解除、精密照準、精密座標を受信しました」
いくつもの数列が画面にたたき出される
「了解、最終システムロック解除、各艦攻撃始め、」
オペレーターが口を閉じた瞬間、レーダーに幾多もの飛行物体が映りこみ、やがて消えた、
「低空飛行を確認、基地待機爆撃隊が出撃します」
ブルネイ・ユタキナバルの航空隊が士気旺盛に滑走路を蹴り、蒼海にその身を乗り出した
「着弾まで、あと5分、」
そう報告されると、マイクは中央戦闘指揮所を出た、
「勝つことしか考えていないのか」
廊下を歩くマイクが呟く、
聯合艦隊第一艦隊、第二艦隊、
「敵は、もう直ぐです、あと五分です、」
そう言う黒島、言われて時計を確認する山本、
「もう直ぐか、あと五分は何もするな、警戒だけに集中しろ」
山本の命令に井上が唖然とする
「しかし、長官、貴方も分かっているはずです、航空戦は先制したほうが勝ちだと」
井上が説得するが、山本が首を横に振る
「例え今から爆装雷装しても最低十五分、おまけに、今日は虫の居所が悪い...」
そう言うと、また雲の広がる艦橋の外に向き直った
時計を確認すると、
あと二分、この二分間に何も起こらないでくれと願う山本、
何時もより秒針の速度が遅く見えた、
「あと一分です、」
黒島が報告する
目を瞑り黙り込む山本、
今は航空指揮権を小沢に託している
「!!、報告!!、艦隊前方よりミサイル多数!!」
伝声管を悲鳴が駆け巡る
「下げ舵三十度!!、迎撃用意!!」
徐々に高度を下げ始めた第一艦隊、
しかし、
「!?、まさか、追尾か!!」
電波折曲機があるのに追尾が出来るはずが無い、
しかし、通り過ぎたはずの対艦ミサイルが半円を描きながら戻ってきた、
まるで、獲物を見つけた飢えた鮫のように、
「第二艦隊より報告!!空母の甲板使用不能、戦線を離脱する、だそうです!!!!!」
必死の回避運動に艦が揺れる
洋上艦隊のために、回避運動が満足に出来なかった第二艦隊は
空母の甲板を特殊装甲版に改装しておいていたのだが、
着艦クッション用に甲板一杯に敷き詰めてある防火塗装した木材のペンキがはげ、
とうとう引火、飛行甲板は地獄と化していた、
その様子は上空にいる第一艦隊も確認できた
空母と言う空母はマッチ箱のように火が付き、
黒煙は空高く上がり純白の雲海を黒く染め上げていた
「駄目です!!振り切れません!!直撃します!!!」
程なくして、赤城を尋常じゃない複数の衝撃が襲い掛かった
「グアァァッ!!!」
皮膚から血がにじみ出る赤城、
「ック!!被害報告!!」
落ちた帽子をかぶり直し赤城を支え、命令を出す山本
「飛行甲板引火!!発着艦不能!!!」
悲痛の叫びが伝声管をこだまする、
「消火始めろ!!第一艦隊と第二艦隊は...撤退する!、」
顔をしかませ悔しがる山本を艦橋の全員が無言の優しさで見守った
大太平洋艦隊、中央戦闘指揮所、
「ヤッター!!」
「ざまあみろ!!」
「聯合艦隊が撤退していくぜ!!!」
いろんな声であふれた中央戦闘指揮所にマイクが戻ってきた
「長官!!、報告します!!聯合艦隊が撤退していきます!!」
報告を終わらせると自分の席に戻り、仲間と騒ぐ乗組員
「ふぅ、爆撃隊は、どうしている」
嫌々報告を待つマイク
「それが、敵爆撃機と交戦中との事です、圧倒的に不利です」
渋々乗組員が口を開く
「...分かった、これより、大太平洋艦隊及び連邦機動部隊はカリマータ海峡を抜けミッドウェーに帰島する、勿論、爆撃隊も戦闘を放棄するように伝えろ、以上、戦闘配置解除」
そう言い終わると、指揮所員は思い思いのボトルや酒を引き出しから取り出し飲み始めた
「衛星追尾式対艦ミサイル...」
まるで悪夢を見たように顔を歪ませる
「マイク、元気出してよ、」
後ろを振り向くと、ジェラルがいた
「大丈夫だ、問題ない」
そう言って、ジェラルと共に指揮所を出た
これが、『第一次南シナ海海戦』の全貌であった
作者:さぁ、パソコンのストライキもようやく収まりまして、ヤッホヨーイ!!!
三笠:で、第一次って事は、第二次もあるのか、
作者:おお、鋭い!
三笠:感心してないで教えろよ、
作者:ネタバレ禁止!!!
三笠:...けちだなぁ
作者:駄目なものは駄目です、
三笠:で、ストライキ期間は何やってたんだ
作者:他の先生方の作品読んだり、旧国名や日本地図、漢字辞書と睨めっこ!!
三笠:睨めっこ?
作者:遊んでいたわけではない、次回作を考えて居たんだよ
三笠:ふ~ん、じゃあ頑張って、
作者:また今度!!!
三笠:また会おう!!




