あれから。
あの日以来、なぜかあの男子のことが頭から離れない。でも、その人の姿を見かけることはなかった。その人のことは誰にも聞けなかったし、同じ学校ならまたすぐ会えるだろうと、心のどこかで信じていた。
気づけば私は小学校を卒業していた。
卒業式が終わった頃には、色んな男子から直接告白を受けた。それでも、全くそれらに前向きに応じる気になれない。申し訳ないけど、全員断った。
家に帰ったら、オトコレたくさん書かないとな…。そんなことを思いつつ、持ち場に戻る。
しかし、それどころではなかった。卒業証書授与でも、「あさひ」という名前は一切呼ばれなかったのだ。
もしかして、学年が違ったとか…?
そんなはずは…と、私は卒業アルバムを受け取るとすぐに、みんなの顔写真のページをよく見た。1クラスずつ、しっかり探してみる。
あっ…リサちゃんたちもいるクラス。
そしてある一人の子が目に留まった。あのツインテールの子だ。あの子は「山本桃華ちゃん」、ていうんだ。
と、そのすぐ横に目をやったときだ。
いた!
紛れもなく、あの男の子だ。名前は、「矢野旭」。下の名前にはちゃんと、「あさひ」と振り仮名もあった。正真正銘、私があの時に出会った子だ。
だけど…どういうこと…?
そのクラスの集合写真などが載っているページを開いてみた。見回すとそこには、旭くんが真ん中に写っているクラス写真を見つけた。
『旭くん、アメリカに行っても元気でね』
と黒板に大きく書かれていた!
旭くんは、アメリカに引っ越してしまったってこと……?
もう会えないの…?




