面白いね
「何してんの?」
私はその場でまた固まった。
何してるって…告白を覗いてしまいどうすれ良いか分からなくて固まってますなんて言えないし。
告白を覗くのが趣味なんだとか思われてたらどうしよう。いや、小学生の頃はたまたま通りかかっただけ。覗きなどではないから!感情のわからない伊東くんはこういう時に怖い。無表情だから何も読めないけど、まさか内心怒っているのでは…
答えをどうするか色々考えているうちに、伊東くんの表情が少し険しくなったように見えた。
「ごっこめんなさい!!!覗いてしまって…」
とりあえず謝るに越したことはない!と私は勢いよく頭をペコっと下げる。
「いや別にいいけど」
「え…?」
あっさり返事が返ってきた。私は顔を上げると、伊東くんは笑いを堪えていたようにも見えた。
「やっぱ面白いね、水谷さん」
「えっ…?!!」
そして伊東くんは、ははっと笑った。
やっぱ面白い…?伊東くんは、私のことを、面白いと思ってたの?!表情が険しく見えたのは、まさか笑いを堪えていたからなの…??
「怒って…ないの?」
「なに、水谷さんなら自分が告られてるとこ見られたら怒るの?」
「あっいや、たしかに怒らないね…普通!だって、伊東くん何考えてるかわかんないんだもん…!!」
ほっとした。怒ってこっちに来たんじゃなくて。伊東くんに怒りの感情は全くなかったようだ。ただ私の思い込みが激しすぎたみたい……
「ていうか、なんでわざわざこっちに来たの?」
それが今一番謎だった。さっきまで最も恐れていたこと。空気が和らいだ今なら聞けると思った。
「だって水谷さんならどうせ次会ったときすっごい気まずくするんでしょ」
そうだ。私なら本当にそうなるに違いない。
全てを察していたように、伊東くんは平然と答えた。まるで私のことを昔からよく知っているみたいに…。
正式に知り合ったのは最近だっていうのに、なぜそんなに先のことまで読めてしまうの?!




