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オトコレ!  作者: みなとかわ
第一章
1/16

Collection.1

自分の漫画で考えたお話(未完)を、小説として投稿していきます。よろしくお願いします。

水谷香恋(かれん)。高1。


サラサラに長く伸ばした髪をおろしていて、前髪は右にかき寄せて耳にかけている。それがいつものスタイル。背はそこそこ高いほう。


自分で言うのもあれだけど、モテる。学年問わずに。男子の多いこの高校ではなおさら…

ロッカーにはよく手紙が入ってたり、呼び出されて告白されたりする。


告白はされるけど、したことは一回もない。

誰かと付き合ったこともない。

正直、誰にもピンと来ないのだ。小学校を卒業して以来ーー…。


ある日の放課後、授業が終わって教科書類をしまおうとロッカーを開けたら、プレゼントや手紙が入っていた。

封筒に差出人の名前のない手紙が目につく。「カレンさん」と大きく宛名だけはしっかりと書かれている。

ずっと前から好きでした…!僕の彼女になってくれませんか!!といった内容だった。手紙の最後にだけ、名前とクラスが書かれていた。知らない人だ。でも学年は同じみたい。


私は帰宅すると、()()()()()()()あるノートを棚から取り出す。そしてそのノートには、例の手紙を見ながら差出人の名前、クラス、告白の内容などを書き出した。


このノートは「オトコレノート」。

オトコレとは「男コレクション」の略で、その見るからに恥ずかしいネーミングとこの概念を考えたのは私の兄である。オトコレとはその名の通り、男(の情報)をコレクションすること。ただし、告白された男子に限る。


私はオトコレを小学生の頃から続け(させられ)ている。ノートはもう3冊目だ。


兄(隆貴たかき)は高校2年生、私のひとつ上だ。兄はオトコレの女バージョンを考案し、同じく小学生の頃から続けていた。兄妹だからか、兄もモテる。実際には私よりも。


高校に入り彼女ができたことを機に、兄の女コレクションとやらは終了。帰宅部の私とは違って兄は部活に所属しており、軽音部のギター担当である。


「おーッ。けっこー溜まったんだな」

私はビクッ!としてノートを書いていたシャーペンの芯が折れた。

兄が突然、後ろから話しかけてきたのだ。

「お兄ちゃん?!今日部活だったんじゃ…」


オトコレに集中しすぎていて、全く気づかなかった。私の話には気にも留めず、兄はオトコレノートをひょいと取りあげた。

「何まだ引きずってんのかー昔のこと。はやく理想の男見つけろよー?俺みたいに。」

などと、一方的に言ってくる。


「…まっ。まずは誰かと仲良くなってみることから始めるんだな。お前も一歩踏み出さないと過去から抜け出せねえままだぞ」

アハハと笑い半分でそう言い残して部屋を出ていった。


それもそうなんだけど…

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