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なめこ太郎/666文字奇譚  作者: 閉伊卓司
7/100

写真

 他県へ嫁いだ友人が、だんなの休みなどを利用して実家へ戻ってくると、決まって地元で一人暮らしをする私のアパートへ羽をのばしに来る。今日も夕方から美幸が転がり込んできて、そのまま夜中まで酒盛りとなった。

 こういうとき話を盛り上げてくれるのが、フォトアルバムだ。

 彼女と二人缶ビールを何本も空け、古い写真を引っぱり出しては、それを見てキャアキャア騒いでいた。

「あー、この写真覚えてる。みんなで千葉にある心霊スポットへ行ったときのやつだよね」

「そうそう、香奈恵が免許とったんで、そんじゃあどっか行こうかって話になって……」

「まじ怖かったよねー、あんとき」

 私たちがまだ学生のころ、雑誌で紹介されていた心霊スポットへ行ってみたいという話になり、友人の運転する車に分乗して掲載された順に片っ端から見て回ったことがある。そのとき後の証拠としてメンバー全員で記念撮影したのが、その写真だ。

「今思えば、かなりバカなことしてたよね」

「ほんとだね、うふふ……」

 とつぜん、楽しそうな彼女の顔から笑みが消えた。

「あれ……でもこの写真って、なんか変」

「え、なになに、お化けでも写ってる?」

「そうじゃないけど……ほら、メンバーが」

 彼女から写真を取り上げ、その中に写っている顔ぶれを一人一人確認してみた。

「静香でしょ、里穂でしょ、久美に、香奈恵に、あんたと、私――」

 どの写真にも、ちゃんと同じメンツがそろっている。

「なによ全員いるじゃない」

「バカね、だからおかしいのよ」

「え?」

 どこか遠くを見つめるような目で、彼女がつぶやいた。

「ねえ……この写真って一体誰が撮ったの?」


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