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ビギナークラス大会 幕開け

 楽しい楽しいBBQはあっという間に過ぎて、すぐに次の日になってしまった。 


 「あーまた練習かー」

 「ビギナークラスで優勝するには練習あるのみよ。はやく優勝してクラスを上げていけば、寮も豪華になっていくのよ」

 「んーそうだよなー」


 「みんな頑張ろう!」

 「おう!!」

 俺の掛け声に選手たちが元気よく返事をする。


 「もうセイヤの言う事はちゃんと聞くんだから、困ったもんね。けど、セイヤが来てチームがより一層強くなったから本当にありがとうね」

 「お礼はまだ早いですよ。ビギナークラス優勝がまだです」


 「そういえばビギナークラス優勝したらどうなるの?」

 「次のクラスにいけるのよ。全部で5クラスあってビギナーは一番下。ビギナーの次のクラスはブロンド。上のクラスに行けばいくほどゴールドが多く稼げてお金持ちになっていくの」

 

 その時、茶色の封筒がひらひらと空から落ちてきて、2人の目の前に落ちる。


 「ついに来たわね。そろそろ時期かなって思ってたのよ」

 

 「なんだそれは?」


 封筒を開けて、中身を見せてくれる。

 「ビギナークラス大会の対戦表よ」

 

 「じゃあ、この大会で優勝すれば?あの汚い寮ともおさらばか?」

 「そうよ。、、って汚い寮なんて失礼ね」

 「ごめんごめん」


 「えーっと、次の相手は、、、”デシラドン”」

 

 ミレイの顔が青ざめている。


 「その”デシラドン”は強いのか?」

 「強いってもんじゃないわよ。”痺れ使いのデシラドン”。応援師の応援能力が特殊で、相手選手を痺れさせ力の邪魔をしてくる”妨害系応援師”よ」

 

 「どうしてそんな強そうな奴がビギナークラスにいるんだ?」

 「彼にとっては最高の遊びなのよ。ビギナークラスで暴れまくって、弱いチームをボコボコにするのが趣味なのよ」


 「はぁ~~、よりによってこのチームなの最悪だわ」


 「必ず勝つ方法はあるよ。諦めずに対策を考えてみよう」


 それから、俺たちは練習の合間時間には、必ず話し合いをして考えた。だが、中々思いつかず3日が過ぎ去ってしまった...


 「やばいわ。もう試合は明日にせまってるわ。今日中に対策を考えつかないと、間に合わないわ」


 俺は”強化系応援師”。敵の応援師の妨害を上回る強化をしても多分無駄だろう。いくらパワーやミートが高くなっても、痺れをなくすことは出来ないしな。困ったな...なにも思いつかない。


 「ちょっとそこどいて、邪魔よ」

 マロンが目の前を通り過ぎる。


 「あぁごめん...あっ!!」

 「なぁミレイ。妨害系応援師でも応援の力の仕組みは同じだよな?」


 「う、うん。そうだけど、何か思いついたの?」

 

 耳打ちでミレイに思いついた内容を話す。


 「え、確かにいけないこともないけど。不安要素がありすぎるわ」

 「分かってる。けれど、これ以外に方法も思いつかないし、これでいくしかない」


 「明日の勝敗は俺の腕と、”アイツ”にかかってる...!!」


---翌日---


 「今年もこの大会の季節が来たわ。今年こそ優勝するわよ」

 「今日からビギナークラス大会の予選。初戦から大物相手だが、今回も俺の応援を信用してくれ。必ずや勝利へと導いて見せる!行くぞ!!」

 

 「おおおーーーーー!!」


 『選手のやる気が80アップ』


 やはり、この前とは違って大物相手だから、選手のみんなが少し怖がっているな。だから、やる気の上り幅も少し小さいのか。


 「やあやあ、みなさん。今日はどうぞよろしくお願いしますね~」


 稲妻模様が入って紫色の服を着ている男の人がやってきた。少し小柄だが、なにか不気味なオーラを放っている。


 「あ、申し遅れました。怯崎ビレンです」

 そう言いながら、片手を俺に差し出してきた。


 「あぁ、よろしk...」

 「いってえええーーーーー!」


 握手した手に痺れるような電撃が入った。


 まじかよ、想像以上の痺れだ。これで選手を妨害されたら、まともに試合なんか出来ないぞ。怯崎ビレン、、、相当やっかいな相手だ。


 

 「では、今よりビギナークラス大会の第1予選を始める。プレイボーーーーール!!!」

 大会審判の大声がグラウンドに響き渡る。


 1回の表。今回も俺たちの攻撃は表だ。前回の反省をいかして、初回は様子を見ることにしよう。相手がどうでるかをまずは見よう...


 バシッ、バシッ、バシッ。三振

 バシッバシッバシッ、バシッバシッバシッ。三人連続の三振。


 「ま、まじか...」

 前回戦った”レイヤーズ”と比べものにならない強さをしているぞ。応援以前の問題で、選手の力の差がでかい。


 そして、俺たちの守備の番。怯崎ビレンが動き出した。不気味な曲調の応援歌を歌い始めたのだ。


 その途端、うちの投手の様子がおかしくなる。ふらふらした態勢で投げ、球は驚くほど遅く、小学生でも打てるような山なりになってしまったのだ。


 カッキーーーーーーーーーーーーーン!!!!!


 相手のバッターが打った球は大きく放物線を描いて、グラウンドの外へと飛ばされた。


 「いきなり先頭バッターにホームランを打たれてしまった...。まずい、これを毎回成功させられてたら、ホームランばっか打たれてしまうぞ」


 俺の予測は外れてしまった。タイミングが合わなかった。だが、その後の打者は応援歌を使い、なんとか無失点で抑えた。


 2回表、俺たちの攻撃。

 焦ってバッターに応援歌を使いたくなる気持ちも分かるが、俺はここで応援を使わない。


 バシッ、バシッ、コロッ、、、アウト。

 三振はしなかったが、ぼてぼてのゴローで簡単にアウトになって、俺らの攻撃はあっさりと終わる。


 2回裏、守備。

 「最底辺最弱チームの応援師の”多間セイヤ”。さぁどうでる?」

 

 「相手の打席は5番打者から。一般的に5番はクリーンナップと呼ばれるところで、打撃力が高い選手がいる。簡単に考えれば打撃力が高い5番の時に、投手に痺れをさせるだろう」


 「だが、その裏をかいて6番や7番の打者の時に、ビレンが応援歌を使うかもしれない...」


 「しかし、俺の答えは決まっているッ!」


 俺はここだと思う瞬間で応援歌を歌い出した。そして、ビレンも俺と同じタイミングで応援歌を歌い出したのであった。


 投手に妨害応援歌の痺れが入るが、その上に俺の強化系応援を加えた。投手の『精神力を200アップ』させたのだ。


 投手は体に痺れを感じるが、超人以上の精神力でその痺れの効果を無にした。そして、バッターをなんと三振でアウトにすることができた。


 「ほぉ~、やるなぁ多間セイヤ」


 「これが打倒デシラドンの”作戦その1”だ!」


 相手の妨害系応援の上に俺の強化系応援を被せる、ただそれだけ。だが、これが想像以上に難しいのだ。応援を使わなければいけないタイミングは決まっており、それは打者がバッターボックスに入った時だ。


 その後に、応援の力を使ったとしても効果は薄れてしまうのだ。だから、ビレンが応援歌を歌い出した後に俺が応援歌を歌っても、効果が薄くて強化系応援の力が負けてしまう。


 「相手の行動を予測し、同時に応援歌を発動させなければいけないのだッ!!」


 今回俺が選んだのは5番打者。ビレンは試合前、わざわざ俺に挨拶をし握手までしてきた。


 それぐらい普通だと考えるかもしれないが、応援師は違う。”痺れ”という重要な攻撃を俺に教えてきたんだ。そんな奴は、絶対に勝てるという自信と好戦的な考え方を持っている。


 だからこそ、5番という強打者のタイミングで応援歌を発動してくると考えたのだ。


 だが、、、このままでは点を取れない。今はなんとか追加点を0に抑えているだけ。


 「そう、この流れを変える秘策こそが、”作戦その2”だ!」

「面白かった」


「続きが気になる」


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