応援スタイルの優劣
キャプテンのドン・ファン。無敵の応援師と呼ばれ、チーム1の貢献者であると言われている。彼がいたからこそ、この大陸に平和があると。
銅像を建てる話もあったが、ドン・ファンは断った。噂によれば、彼は「ただ野球を楽しんだだけ」と言ってたらしい。
2回の裏。フェニックスナインの攻撃。
「さぁバンバン攻め込むぞい!」
ドンファンは意気込んでいる。
「フェニックスナイン...100年以上前の王者か...」
「最高の試合じゃないか」
俺は無償にワクワクした。生きる伝説と呼ばれるチームと戦えるなんて、夢にも思わなかった。まさに、異世界の野球という感じであったからだ。
「ではいくぞい」
ドン・ファンは応援を使った。
ドン・ファンの応援は今までに見たことのないものであった。両手を合わせ拝む合掌スタイルで、ぶつぶつと呟いている。
俺はスキル『応援の心眼』を使って、応援をかけられている選手のステータスを見た。やる気の値が急上昇しており、30から70へと上がっている。
「だが応援歌スタイルとは珍しいな。これまで戦ってきた相手のほとんどが鳴物スタイルで、ミートやパワーを上げる応援師ばかりであった」
「そもそもやる気や精神力を上げる精神保護の応援歌スタイルよりも、ステータス上昇ができる鳴物スタイルの方が強いに決まっている。わざわざ応援スタイルを選ぶとは珍しい」
俺にはなぜ伝説と呼ばれたチームの応援師が、応援スタイルをしているのかが分からなかった。だが、何かが起きそうな不安があったので、俺は投手に応援を使った。
投手に青白いオーラが出る。ビギナークラス決勝戦で発動したものと同じであり、これがスチームパンクに勝った勝因の1つでもある。
応援の力によって強化された投手の剛速球が、一直線でミットへと飛び込んでいく。パシッというミットに球が入る音が、聞こえた気がした。そう、”気がした”。
打球は左中間の上空を舞っていたのだ。外野も今気づいたような様子だったので、守備が遅くなってしまい打球に追いつけなかった。
おじいちゃん打者は全力で走り、2塁まで駆けていった。塁上でガッツポーズをし、ベンチが盛り上がる。歳の衰えを全く感じない。
「なんなんだ今のは。明らかに今までとは違う」
単にミートやパワーが上がって打った時とはまるで違う。カキーーーーンという打球音が必ず聞こえるはずだが、それすら無かった。気づいたら、外野の空に球がいっていたんだ。
「若造よ。まだまだだな」
「老いぼれたワシらに勝てない限り、秘密の特訓場は教えられない。なんせレジェンドクラスの奴らは、全員わしらを圧倒して倒している」
「くそぉ...こんな所で負けてたらレジェンドクラスのチームになんか勝てないって訳か」
「そもそも今のお前らじゃ、あの特訓場を使いこなせはしない。成長する前に命が無くなるだろう」
「そういう優しい意味も込めて、ワシらがこの特訓場の番人をしているのだ」
ドン・ファンは真剣な眼差しで言っている。
その後は、こちらのエラーもあって2点の追加点を入れられてしまった。
3回表。俺らの攻撃。現在0-3で負けている。
今までやる気を上昇させてきた応援師はいなかった。だからこそ、見たことのない打球が飛んできたのだろう。
どうにかその原因を掴まない限り、この相手チームを攻略することは不可能。応援歌スタイルでの『やる気』上昇での不可解な現象を解明しなければ...
これから2日に1回のペースで更新します。
理由としては、純粋に書くスピードが遅いからです。すいません。ちなみに、ストックは最初の3日で消えました笑
けど、必ず完結はさせると約束しますので、これからもよろしくお願いします。




