謎のおじいちゃん
「アチョーーォーーーー」
おじいちゃんはもう一度、木の棒で俺を叩こうとしてきた。
「ちょ、ちょっと待ってくれ!」
「俺らはじいさんに危害を加えるつもりはないんだ!」
俺は必死に弁明をした。また、あの痛いのを食らうのはたまったもんじゃない。
意外にもおじいちゃんは物分かりがよく、すぐに攻撃するのを辞めてくれた。そして、俺らはおじいちゃんに極秘特訓場について聞いた。
「じいさんは、ここら辺で特訓場を見たことないですか?」
「知っとるよ」
「レジェンドクラスが使う極秘特訓場を探しておるのじゃろ」
「え!?」
まさかの返答がかえってきて、俺らは互いに顔を見合わせた。なぜ、じいさんは俺らの目的を知っているんだ。
「なーに驚いた顔してんだぁ」
「レジェンドクラスが使ってる特訓場なんて誰だって探すにきまっとるじゃろ」
言われてみればそうだな。執事が教えてくれた極秘特訓場の噂は、割と広まっているものなのだろう。
「お前らみたいな輩を追い返すためにワシがおるんだよ」
おじいちゃんは真剣な顔つきで言う。
「お願いします。俺たちは強くなりたいんです」
「強くなってみんなを守りたいんです」
俺も負けじとおじいちゃんに言い返した。気持ちでは絶対に折れない自信が俺にはあった。おじいちゃんをずっと見つめる。
「別にお前らが強くなくとも、レジェンドクラスのチームがいるから問題ないわい」
「お前らじゃなきゃいけない理由はなんだ?」
だが、おじいちゃんの意思も強かった。
「俺らは世界で1番野球を楽しんでいます。野球を心の底から楽しんでいるチームが強いことに、大いなる意味がきっとあると思ってます」
「ふっ、”楽しい”ねぇ...」
おじいちゃんは少し悩んだ後、ゆっくりと話し始めた。
「面白い奴じゃ、気に入ったわい。特訓場の場所を教えてやろう」
「ありがとうございます!」
「た・だ・し、ワシのチームに勝ったらな」
え、おじいちゃんのチームに?この人はいきなり何を言っているのだろう。
「あまり舐めない方がいいぞ。30分後に隣のグラウンドに集合じゃ」
そう言うと、おじいちゃんは小屋の外へ出ていった。
俺らはみな混乱しながら、グラウンドで準備運動を始めた。グラウンドは寒く、雪は少しだけ積もっていた。
「おう、待たせたのぉ」
そう言いながら先ほどのおじいちゃんが現れた。
後ろには、大体60代付近の人たちが複数人いた。見た感じさっきのおじいちゃんはこのチームのリーダーなのだろう。
「本当にあの人たち戦うつもりなの?」
ミレイが耳打ちをしてきた。
「あぁよく分からないよ。けど、油断は禁物だよな」
「そうね。何かしら」
「さぁ若者よ!試合を始めようじゃないか!」




