チーム強制解散の危機!?
翌日の13時。グランドに両チームが集結した。
「逃げ出さずに来たのだけは褒めてやる。けど、今日でお前らは解散だ」
「俺たちは解散なんかしない」
「今日の試合のベットは1000ゴールドだ」
ミレイが驚き動揺をしている。
「聞いてないわよ。そもそも、うちにそんな大金はないわ」
「そんなん知ってるわ!だから、俺らが代わりに貸してやるよ。けど、負けたらどうなるか、馬鹿なお 前らでも分かるよな?」
「え、、どうなるの?」
「おいおい、まじかよ!!チームが弱すぎて誰も応援やってくれないから、遂に初心者に応援を頼んでいるのか!?まじかよ、おもしろすぎだろww」
ミレイが優しく俺に説明をし始めてくれる。
「チームにはそれぞれ所持金があるのよ。それが全て無くなると強制解散。うちの今の所持金は350ゴールド」
「相手チームにお願いして普通じゃありえない50ゴールドで試合をお願いして、何度も負けと勝ちを繰り返してきてコツコツと貯めてきたのよ」
「ゴールドを貯めてきた年数は、3年。チームの年齢と一緒よ。」
「で?逃げるの?やるの?」
「んー…どうしよう、わたし分からない...」
「やるよ。戦う」
「え!?」
「俺に任せてミレイ。絶対にチームを負けにさせない。必ず勝利に導いて見せる、俺の応援の力で!」
俺の顔をじーーと見つめるミレイ。
「分かったわ。まだセイヤと会ったばっかだけど、信頼している」
「じゃあ、20分後に試合開始だ。1000ゴールドだからな」
「あぁ、1000ゴールドだ」
~20分後~
俺たちはベンチで円陣を組む。
「この試合、負けたらチームは強制解散。格上相手で無謀な戦いだと、思うかもしれない。けど、チームを馬鹿にされ続ける人生でいいのか?優勝を目指すチームが、こんな所でつまづいていいのか?俺らは絶対に勝つ」
「みんなのプレーと俺の応援が、必ず勝利へと導く!いくぞ!!」
「おう!!!」
『みんなのやる気が急上昇し、100へとなる』
そして、プレイボールが鳴り響き、試合が始まった。
初回の表。チームの攻撃。
「よし、いきなりガンガン攻めるぞ」
「1番打者に応援歌だ」
応援歌を歌い、選手の『ミートとパワーを20アップ』
よし、これでいける。
その瞬間、打球がライト方向へ飛んでいった。
だが、打球は伸びず、平凡なライトフライになった。
「さすが、格上チームのピッチャーだ。球が早くてうまく打つことができなかったか」
「まぁ切り替えていこう。2番バッターに応援歌だ。」
応援歌を歌う。だが、パラメーターに変化が表れなかった。
「なんでだ!?応援歌を歌ったのに変化しないぞ」
「おーい、大丈夫そう?」
マネージャーがベンチから出てきて、応援席まできた。
「なぜか、変化が起きないんだ」
「それはそうよ。応援は、1イニングで1回しか使えないのよ。つまり、表と
裏を合わせて、使える応援は1回。攻撃のときに、1人の打者に使うのか。守りのときに、投手や守備に使うのか」
「それを考えて応援隊は応援しないといけないのよ。だからこそ、応援が試合を左右すると言われる大きな理由よ」
「まじか、全然知らなかった」
その後の打者は、2人ともゴロを打ってアウトになり終わった。
「今日のうちの投手はエースよ」
「それは大いに期待ができるな」
だが、その期待とは裏腹に、相手チームは沢山打ってきた。
ポンポン打たれていき、初回で3点も取られてしまった。だが、うちのチームはやる気の数値が高く、ファインプレーがでたこともあり、それ以上の点を取られることを防げた。
「まずいな。応援歌は投手に使うべきだが、それだと打者に応援歌を使うことができなく、点を取ることが難しくなってしまう」
その後、2回からは投手に応援歌を使って、球のスピードの『球速を30アップ』させた。
そして、なんとか相手の追加点を防いで、8回まできた。
「は?あいつらの応援師なにか違うな」
「俺らのチームが全然打ててない。うちのレベルならもう10点を取ってても可笑しくはないはずなのに」
「まぁ、いい。この8回の”応援バトル”で一気にトドメだ、へへ」
「くそ~。うちのチームはヒットが出るものの、中々点数が取れず0点のまんまだ。攻撃のチャンスは残り2回。応援歌を攻撃のときに使いたいけれど、投手に使わなければ点を取られてしまう。困ったな~」
「やはり、さっきミレイに聞いた”応援バトル”が最後の頼みって訳だ」
「”応援バトル”は8回のときに発生する、応援の対決。互いに自身に応援を行い、戦う。3分間戦い、相手を気絶させるかリング場から出すかで勝利」
正直、意味わからないがチームを勝たせるにはやるしかない。
グゴゴゴゴゴゴゴッッ!!
グラウンドが円形のリング場に変化する。
互いのチームの応援師がリングに上がる。
「自身に応援をかけて、身体能力を向上させ戦う。初めてやるが、ここで勝たなければ...」
「安心しろ。ここでトドメを優しく刺してやるよ!」
「俺は負けない。もう誰の役にも立たない人生は嫌なんだ。絶対に俺がチームを勝利へと導く」
「うるせえよ、大人しく負けろっ!」
もの凄いスピードで近づいてきて、腹にパンチを入れられる。
「ぐはっ!!、、、、、、、、」
痛すぎる、、なんちゅう力してんだよ
「うっ、、、だけど、こんなところで負けられるかよっ!」
「おりゃああああああっっ!!!」
拳に力を入れてカウンターで殴りまくる。
(絶対に勝つんだ)
「おらああああああぁぁぁ!!!」
拳が顔面に何発も入り込む。
「ぐ、、、は、、、、、」
相手は吹き飛び、気絶した。
カンカンカーーーン!
リングの鐘が鳴り響く。
「きゃ~すご~い。気絶までさせるなんてすごいわ」
リングから降りる俺に、ミレイは手を添えてくれた。
「よしっ、こっから逆転するぞ!」
応援バトルの勝利で、全選手のステータスが上昇する。打者たちが打ちまくり、一気に4点を取り、逆転をする。
もちろん、俺は投手に応援歌を使って相手の打者陣を抑え込んだ。選手たちの勢いも凄く9回に2点追加点を入れ、5-3で勝利することができた。
相手チームの”レイヤーズ”は絶望で顔が真っ青になっていた。応援師のアイツは、試合が終わった直後に目を覚ましていた。
パシャパシャ。グランドの外でシャッター音が鳴っている。
「おもしろいネタが書けそうなのミッケ♪」