決勝戦開始 vsスチームパンク
夜練習は23時くらいまで行った。俺は選手たちが帰った後も、新しい必殺技の練習をした。今まで使った必殺技が決勝で通用するとは思えなかったのだ。
「あの必殺技はまだ人間の領域だ。もっと強く、強くならなければ...」
「強くなって神の領域にまでいきたい...」
俺は応援力を高め、バットと球を具現化する。応援バトルのように、バッティングをするのだけれど、イマイチピントこない。
「これじゃただのスイングなんだよ。もっとドカーーーン!っていきたいのに...」
俺は何度も試行錯誤を重ねながら、練習をした。しかし、その夜には完成させることはできず、夜中の3時に体力の限界を感じて、テントへと戻った。
---翌日---
早朝、練習場にみんな集合し、ミーティングを開く。
「今日で練習が最後だ。気を引き締めて頑張るぞ!!」
俺の一声で練習が始まった。選手たちはやる気が溢れ、イキイキとしている。投手の球は昔に比べると、桁違いで速くなった。
野手の守備も攻撃も、ファインプレーがよく飛び出ており、俺の応援なしでも十分に戦えるレベルへと成長していった。
しかし、肝心の俺は...新しい必殺技を完成できずにいた。応援の力をすぐに具現化する練習をひたすらにしたが、以前の必殺技と何も変わらなかった。
より高火力な応援の力を出そうとしたが、上手くはいかなかった。
「はぁはぁはぁはぁ...全然上手くいかねぇ...」
「必殺技を完成させないと、アイツらには絶対に勝てないのに...」
「セイヤ。頑張り過ぎよ、少しは休みなさい」
マロンがタオルを渡しながら、言ってきた。
「けど、、、このままじゃ、、、」
「選手として出場するのは諦めたの?そっちの方面で頑張るのもありじゃない?」
「たしかに、それもありだな」
マロンの助言を受け、新たな必殺技の練習をやめ、選手としての練習を始めた。しかし、以前、バッターボックスに入った際、転生前のトラウマが影響で倒れてしまった。
また、同じような事が起きるような気がして、怖かった。
バッターボックスに立って、構える。
頭が揺れ始め、くらくらし始めた。俺は危険を察知して、すぐにバッターボックスの外へと出た。また、打席に立つことが出来なかったのだ。
「俺は、、、何もできないのかよ...」
俺は膝から崩れ落ちた。新たな必殺技を完成させることも出来ないし、選手として打席に立つこともできない。
「俺は何が出来るっていうんだよ!!!」
叫んだ。苦しんだ。チームの役に立てないことを悔やんだ。涙がボロボロとあふれ出てくる。
まだ、決勝の試合もしていないのに、絶望しか感じなかった。
両肩に感触を感じる。振り向くと、選手とミレイが肩に手を置いて、優しい笑顔をこちらに向けていたのだ。
「セイヤ。野球はお前1人のスポーツじゃないんだぞ」
「あなた馬鹿ね。少しは私たちを信用しなさいよ」
俺の周りを、選手、ミレイ、マロン、スズカ、執事が囲んでいた。そして遠い所で、ルイのチームメンバーもこちらを見守っていた。
「みんな、、、俺、、、、ひっさt」
「おいおい、何回言えば分かるんだよ。俺たちはチームだぞ。勝っても負けてもそれはチームの責任だ」
俺は、悩みを1人で抱え込みがちだった。けれど、チームの仲間がいる。仲間がいるから、ここまでやってこれたんだ。
ついこの間まで、最底辺最弱チームと呼ばれ続けて馬鹿にされていた。チームのゴールドが無くなりそうで、解散危機にまで追い込まれたこともあった。
けど、その度にチームで協力して上り詰めてきたんだ。ほんと俺が馬鹿だったよ。
「みんな心配かけてごめん。そして、ありがとう」
「明日は遂に決勝。勿論、俺らは全力で勝ちに行く。けど、それよりも重要なことがあった」
「俺はこのチームで野球ができて幸せだ」
全員でハグをしあって、決勝前の最後の練習は終わった。新たな必殺技を完成させることは出来なかったし、打席に立つこともできなかった。
けれど、俺らの絆は固く、強く、離れない強靭なものへとなった。メンバー全員の心が1つになった。
その日の夜は、無理に練習することはせず、みんなといつも通りの食事をして、いつも通りの会話をして眠りについた。
そして、決勝の朝がやってきた。
「さぁ、まずはアップを始めるか」
試合会場についた俺らはすぐにアップを始め、試合本番に向けてウォーミングアップをし始めた。しかし、突如として会場が震えはじめたのだ。
グゴゴゴゴゴゴッッ
「なんだなんだ??」
周りを見渡すと外の模様がいつもと違っていたのだ。そう、なんと会場が浮き始めていた。どんどん空高く飛んで行く。
「決勝は空高く天空会場で行います!!」
会場にアナウンスの声が響き渡る。
「うおぉぉぉぉぉぉ~~!!」
観客が大盛り上がりする。
「すげぇ~~天空会場だぜ」
「今年のビギナークラスは派手だな!」
「最強チームと最弱チームの対決なのも面白いよね」
観客のみんながこの対戦を楽しんでいた。
俺たちは少し呆気にとられたが、気を取り直して練習をした。相手のスチームパンクは練習などしないで、グラウンドには出ずベンチにずっと居た。
プオーーーーーーーーーーーーン!!
試合開始の合図が鳴る。いつものように先攻後攻を分裂コインで決めようとしたが、スチームパンクのガイはしようとしなかった。
「お前が決めていいぞ」
ガイは偉そうな口調で言ってきた。”どうせ、お前らは勝てない”そういう雰囲気がモンモンと伝わってきた。
「じゃあ後攻にさせてもらうぜ」
「降参じゃなくて、後攻なんだね。どうせ負けるのに。フッ」
ガイは相変わらず、馬鹿にしてきた。赤色の髪が逆立っており、体には精密そうな機械のスーツがぴったりと装着されている。
「俺たちは絶対に勝つ!最後の最後まで諦めない!」
「せいぜい楽しませてくれよ」
ガイはそう言って、ベンチへと戻っていった。
俺もベンチに戻り、みんなを集合させ円陣を組んだ。
「みんな、泣いても笑ってもこの試合で大会は終わる。ここまでありがとうな、俺はこのチームが好きだ」
「絶対に勝つぞッ!!!」
「おう!!!」
俺たちはマウンドへと駆けだした。万全な準備ができたとは言えない。けれど、”勝ちたい”という気持ちだけは、まぎれもなく世界1の自信がある。
遂に決まる、決まるんだ。ビギナークラス大会の優勝チームが、、、
ルイ、絶対に勝つからな、、、
「そこそこ面白いじゃん!」
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