心は1つ
夜が明け、朝がやってきた。決勝の試合は3日後。いよいよ、ビギナークラスでの最後の戦いがやってきた。
昨日の準決勝でチームは疲れていたが、すぐに練習場へと向かった。
昨日の夜にスズカが言っていたことを、みんなも気にしているのだろう。
「じゃあ、まず私から分析の結果をさせて頂きますわ」
「決勝相手はスチームパンク。リーダーで応援師は、ガイという名前だわ。選手、応援師共に、機械のスーツを着ていて、強烈な力を手にしているわ。以上よ」
「え。これで終わりなのか?」
「そう。私も執事も一生懸命にデータを探したんだけど、謎が多すぎるのよ」
「頭脳技を使ってくると言うより、圧倒的力の差で勝ってきているチームって感じだわ」
となると、俺の応援で練習効率をアップさせて、選手の強化をするぐらいしかやることないじゃないか。そんなんで、本当にアイツらに勝てるのか?
だが、考えて悩んでいる暇はない。とにかく行動しなければ。
「よし、じゃあ練習開始だ!気合い入れていくぞ!」
「おう!!」
俺は選手に応援をかけて、練習効率をアップさせた。1日で2、3週間の練習成果があるので、2日間の練習期間があるから、成果としては1ヵ月半ぐらいとなる。
「俺も更なる必殺技の強化をするか」
各々が課題を設け、練習を行った。
練習終了後、俺はルイの見舞いに行った。しかし、ルイはまだ目が覚めておらず、チームメイトがルイの看病をしていた。チームメイトは、ボロボロの体で松葉づえを持っていた。
「セイヤさんですよね?」
「あ、そうです」
「ルイから話は聞いてました。病院で面白い奴に会ったんだって」
チームメイトは寂しげな表情をしながら話した。
「決勝で絶対に戦うんだって、楽しそうに話してたんです。けど、、、俺らは負けてしまった」
「手も足もでなかった...」
俺はなんて言葉をかけれあげればいいか、分からなかった。
「1番許せないのは、野球を馬鹿にしてるところです」
泣きながら、太ももに拳を突き下ろしていた。
「アイツらにとって、野球なんかただの道具にすぎないんです。たまたまこの世界が野球で成り立つから...」
「野球は素晴らしいものなのに...どうかアイツらを倒してください」
「アイツらにビギナークラスを優勝される世界なんて嫌だ」
チームメイトはボロボロ涙をこぼしながら、俺に言ってきた。
「俺も嫌だ。絶対にアイツらに勝ってくるから」
俺は力強く言った。なんども頭を下げられ、”お願いします””お願いします”と言われた。もう俺の心は限界に近づいいていた。
辛くて限界という意味ではなく、はやく試合したい気持ちを抑える限界ということだ。
俺は病院を出ると、テントには戻らず、練習場に行った。本来は夜ご飯の時間なのだが、呑気に食べれる気持ちが無かった。
しかし、練習場について俺は驚いた。なんと、チームの選手やミレイ達がいたのだ。
「え、どうしているの?」
「セイヤ。俺らが気づいてないとでも思ったか?」
「スチームパンクにやられたチームと友達なんでしょ」
「全部1人で抱え込まないで、俺らにも分けてよ」
選手たちは全て理解していたのだ。俺の行動、感情について。俺は嬉しく泣きそうになった。
「ありがとう、みんな」
「はい、これはセイヤの分ね」
ミレイから球体のものを手渡された。
「なんだこれ?」
「爆撃にぎりよ。運動に必要な色々なエネルギーを混ぜているのよ。見た目はあれだけど、体に凄くいいんだからね」
確かに見た目は、薄気味悪い色をしていたが、味は美味しかった。
「よし、これ食べ終わったら夜練習やるぞッ!!」
「おう!!!」
俺はこのチームで絶対に勝つ。夜空の下で強く思った。




