次の相手は...ゴブリン!?
「んーーーー、いいよ」
確かに敵チームのことを事前に知っておく重要性は、前回の試合で身に染みるほどわかったし、丁度欲しかったポジションだったしね。
「みんなもいいかな?」
「セイヤが言うなら勿論だぜ」
「私も別に問題ないわ」
「俺も賛成だ」
選手やマネージャーも、特に問題はなさそうであった。
「ちょっとお嬢様。またチームに参加するのですか?こないだも」
さっき俺たちのことを注意してきた執事のようなお爺さんがスズカに話しかけている。
「別にいいでしょ。私の勝手ですわ」
俺たちみんなが顔を合わせた。
「ちょ、ちょっと待ってくれ。お爺さんは大会の運営者じゃないのか?」
「違うに決まってるじゃないですか笑、ビギナークラスの大会に運営者などいませんよ~。私のただの暇つぶしですよ」
笑いながら答えるお爺さんに俺たちは苦笑いしてた。
おいおいまじかよ。最初見た時から執事っぽいなぁとは思ってたけど、まさか本当の執事だなんて...しかも、暇つぶしにやっていたとか正気かよ。
「うちの執事は少々頭がおかしいのよ。けど、これでも結構優秀なのよ。元スパイだから、情報収集の協力もしてくれるのよ」
お嬢様のスズカに褒めてもらってニコニコの執事。
こうして不思議な出会いであったが、僕たちのチームにスズカ(あと執事も)入ってくれることになった。
「てか、セイヤ!もう少しで対戦相手の発表の時間よ!会場に行って確認してきましょ」
「やべ、のんびりしすぎた」
俺たちは駆け足でスタジアムへと向かった。到着すると、既にいくつかのチームも集まっていた。ゴブリン、天使、魚人など、色んな種族がいた。
大きな電子掲示板にトーナメント表が映し出される。俺たちメルエトワーズの隣には、”ゴブリンリン”という文字があった。
「ゴブリンリンですね。主にゴブリン種族で構成されているチームで、選手や応援師の身体能力はとても高く、試合の時はどのステータスを強化するかの選択が難しいですね」
と、スズカがすぐに解説を始めてくれた。
「つまりは、応援師の頭脳にかかってるってことか。ワクワクしてくるなぁ~」
その日はゆっくりと休養をとって、後日俺らはゴブリンリンの対策の練習を始めた。
「スズカによると、やつらは特に空中戦を得意としてて、ヒットのフライボールは大抵ジャンプして取られてしまうらしい。なので、俺らはバウンドボール革命をする!!」
「バウンドボール!?それは何なんだ?」
「バウンドボール、つまり地面に思いっきり球を打ち付けることだ。だが、ただのバウンドだと簡単に取られてしまうので、高速回転をかけた打球にし、不規則なバウンドを起こさせるんだ」
「いくらゴブリンの身体能力が高くても、不規則にバウンドする打球に対応するのは難しいだろう。だから、今からは球を上から打って、下に叩きつけるバッティングの練習をしてほしい」
「なるほどね、確かにその戦法はいいね」
「私の分析のおかげでもあるけどね」
ミレイやスズカを首を縦に振って、感心している。
選手たちがバッティング練習をしている間、俺は応援バトルの練習をしていた。俺の唯一の課題点とするならば、それは応援バトルの火力不足だ。
前回もゴリゴリのパワー系の応援師にズルをされたとはいえ、敗北をしてしまった。結果、試合は勝ったからいいものの、これから先もずっと上手くいけるとは限らないだろう。
なので、俺は必殺技の練習をする!勝負の決めてとなる、必殺応援を作るのが優勝へと近づく道だ。
それから俺は、1人でこもって応援バトルの練習を続けた。




