to the 本戦スタジアム by グッドランドバス
胴上げをされ終わると、棒たちのドランが視界に入った。心配に想い、俺は声をかけに行った。
「チームっていいよな。人と人が結ばれていく感じがして、心があったかくなる」
「俺は間違っていたのか...なんでも1人で勝ってきたのに...」
「そんな暗い顔すんなよ。ドランには待ってくれる仲間がいるじゃないか」
俺はドランの肩を叩き、相手のチームの方へ指をさす。ドランのチームの選手はみんな笑顔でいた。
「ドラン。いつもお前に負担かけてて悪かったな」
「頼り過ぎてた俺らも悪かったよ」
「お、お前ら、、、」
「けど、たまに口調悪いのが難点だけどな笑」
「す、すまねぇ、、、俺、まだこのチームの応援師やっていいかな?」
「は?何言ってんだよ、当たり前だ」
「ほら早く帰って練習するぞ!」
「おう!」
そう言ってドランがチームメイトの後を追いかけたが、急に方向転換をして俺のところへ戻って
くる。
「セイヤ!!ありがとうな!!チームってやつは最高だ!!」
感謝しながらゴリゴリマッチョのドランに抱きしめられる。めっちゃ苦しかったが、3秒ほどで解放してくれた。
きっと、ドランも追い込まれていたんだろう。自分が頑張らなきゃ、勝たなきゃって責任を感じていたから、薬にも手を出してしまったのかな。きっと根はいい奴なんだろう。
また、どこかで会おうなドラン...
ぷおおおおーーーーーん!!
「ん?なんだ?」
大きな音を立てて近づいてくる黒い物体があった。よく見ると、真ん中に切れ込みがあるV字の形をしたバスであった。
グラウンドに止まって、変な揺れ方をしながら俺らの乗車を待っている様子であった。
「これが噂のグッドランドバスね。本戦を行う会場まで、連れてってくれる乗り物よ。さぁ、みんな荷物はすでに準備してあるから、どんどん乗っちゃって~」
グッドランドバスの中は異常だった。常に中の物体が波を打っており、水の席に座っているかのような感覚であった。さらに、真ん中に大きな切れ込みがあるので、風を直に感じて妙な感覚であった。
「この切れ込みなんなの?必要あるか?」
と、近くにいたマロンに質問をした。
「知らないわよ。空気抵抗を減らしたいんでしょ」
なんで?と更に詳しく聞きたかったが、マロンは少し冷たいので躊躇してしまった。
ぷおおおおーーーーーん!!
大きな音と共にグッドランドバスは急発進した。スピードがもの凄くはやく、席に体が埋まるぐらいであった。また、真ん中が吹き抜けなので風をモロ顔面に受け、目を開くことすら難しかった。
横目でみんなの顔を見るが、全員自分と同じように苦しそうな表情をしていた。しかし、その苦しくて少し楽しい時間もすぐに終わった。会場に到着していたのだ。
「す、すごい。ここがビギナークラス大会本戦スタジアムか!」
いつも使っている小さなグラウンドではなく、観客席がしっかりと用意されている球場であった。
「ようこそ、メルエトワーズのみなさん。1回戦は明後日になります。それまで、ゆっくりとしていってください」
黒い服をきた執事のようなお爺さんがセリフを吐くとともに、会場外の芝生に指をさす。
「え?ゆっくりしろって、芝生ってことか?」
「はい、左様でございます」
「ビギナークラスなんだから普通よ、さぁ準備するわよ」
ミレイに言われ、俺は渋々状況を飲み込んだ。はやく、ビギナークラスの上のブロンズへと行きたい...そう俺は強く思った
俺たちは広大な芝生の上にテントを張った。もちろんテントは近くの店で買ってきたボロボロのテントだったのだが、これがまた凄いものであったのだ。
中に入った瞬間、目のまえ穴があり、そこを落ちると広い秘密基地のような場所が広がっているのだ。ふかふかのベットに、おしゃれなインテリアの家具や植物、本も沢山あった。
「すげぇすげぇ、まるで夢の世界だ!」
「ふふふ、たかがテントではしゃぎすぎよ。こんなテントどこにでもあるわ、むしろグレードはかなり低めよ」
ここでみんなで寝泊りして、大会に挑んでいく。青春、青春、青春すぎるぜぇ~~~、俺の気持ちは最高潮であった。
だが、ソファに座るやな、一気に疲労がきた。
「やべぇ、疲れ溜まってる」
「うん。私も出し、見た感じみんなもそうね」
「明日は休養日にしようぜ、ミレイ。せっかくスタジアムにきたんだし少し散策でもしてみよう」
その日、僕らは少しの会話をして、就寝についた。興奮ですぐに寝れないと思ったが、そんな事はなかった。
---翌日---
まだ日が出たばっかりの時刻に、僕らは付近を散歩した。
「朝のこの空気が澄んだ感じ、最高だな~!」
横を見れば可愛いマネージャーにキャッチャー、そして熱い男の仲間達。最高に部活で青春って感じがして、涙が出そうなぐらい幸せな空間だった。
「あぶなーーーーーーーい!」
散歩している僕らのところに急にサッカーボールが飛んでき、ミレイの頭にぶつかってしまう。
「あちゃーぶつかっちゃったか。これくらい避けて欲しいんだけどね笑」
体に機械のスーツを着ている男が駆け寄って、嫌味を言ってきた。
「おい、まずは謝れよ」
あまりにも酷い対応をするので、俺はすぐに注意した。
「え?やだね。避けれない運動神経を憎むんだね」
「お、おまえ、、、」
ピピーーーーー!
「君たち喧嘩はやめなさい。1つでも暴力が起きれば、そのチームは退場になりますよ。気を付けてください。戦うなら試合です」
昨日見た執事のようなお爺さんに、笛を鳴らしながら注意をされる。
「ふっ、君らが僕たちと試合出来る日はこないだろうけどね。だって弱すぎて初戦敗退でしょ笑」
そう捨てセリフを吐いて、機械のスーツを着た男は去っていった。
「大丈夫か?ミレイ」
「う、うん。けど、あのチームはどこかしらね。妙なスーツを着ていたけど強いのかな?」
ミレイが頭をさすりながら、聞いてきた。”どうだろうね”、と俺が言おうとした時、横に見知らぬ眼鏡の赤髪女の子が立っていた。
「強いってもんじゃないですよ!最強にして最恐のチームですよ!」
「今年結成されたチームで、選手や応援師は皆機械のスーツを着て、練習をしているのです。あまりの強さで敵なしの彼らは、野球の練習はせず、いつもサッカーをして遊んでいるそうです。そして、今年ビギナークラスの優勝はあのチームで間違いないと噂されています!」
「えーーっと、ところで君は誰なの?」
「私は西城スズカですわ!チームに分析係はいないのですか?よかったら私がやってもいいわよ!!」
お嬢様のような見た目と話し方の彼女が、”しょうがないわね”という感じでチーム参加に突如申し出てきた。




